ビットコインダンジョン2.0

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NEMインタビューの感想と暗号通貨へのよくある誤解

昨日コインストリートでNEMに関するインタビュー動画(ゲスト:タヌ神さん)とそれを自分と平野さんで振り返っているNEM関連の動画を2本アップロードしました。

 

vimeo.com


コインストリートの方での限定公開なので、興味がある人は是非有料ですが参加検討していただければ。また、通常全ての動画を月額850円の月額プランのみ提供していますが、要望がいくつか来ていたので、実験的にこちらのリンクから400円でこちらのNEMインタビュー動画のみ単品販売してみます。とりあえずこの動画だけ見たいという人は一回払いきりでお試ししてもらえれば。今後も同様のコンテンツ、国内外の話を定期的にコインストリートの方で更新していきます。

こちらの記事でも改めて思うところを簡潔に紹介します。

 

 

まずですが、何か自分がNEMをぼろくそに批判する動画、みたいに最初思われていたようですが…、そんなことはなくインタビュー動画の方は単純に1ユーザー、1コミュニティーメンバーであるタヌ神さんに素朴な質問を聞いていく、というスタイルのものです。

 

こちらのインタビューの方では特に否定したり批判したりするのを目指したわけではなく、自分とか他のビットコイナーがNEMに関して持つことの多い素朴な疑問をぶつけてみる、というものです。例えば、

  1. カタパルトってそんな期待できるものなの?(というかそもそも何なの?みんな何なのかわかってるの?なんでそんな遅れてるの?)
  2. NEMの最終的な目標は何なの?
  3. 何で日本人にそんな人気なの?
  4. Proof of Importanceって言うほどそんな優れてるの?(PoSと変わらないのでは?)
  5. 初期分配の問題点の指摘をNEMコミュニティーはどう考えているのか?
  6. NEMって中央集権的になってない?

 

などです。

インタビューでも言ってますが、正直に言うと自分はNEMに元々そこまで関心がなく、何かNEMに関して言ったりもほとんどしてきてないのですが、同時に表で批判的なことを言うと結構攻撃されたり、微妙な空気になるというのも知っているので、それは問題だと思ってましたし、そこについてもあえて聞いたりもしました。


こちらのインタビューで全て満足な答えが個人的に聞けたわけでもないですし、自分のNEMに関する知識自体結構浅いので、特に的確に問題点を指摘できているという感じでもないですが、おそらくビットコイナーというよりは、NEM好きの人が聞いた方がむしろ有用だと思います。その代わり平野さんとの振り返り動画の方ではもう少しだけ批判的な立場でざっくりコメント、まとめをしています。

 

今回はNEMに関して表では言いづらいこと(言っても自分たちに特にメリットのないこと)を聞いてみる、という方向性で一種試験的にやってみましたが、他のプロジェクトでも同様に色々もう少し突っ込んでいく、というのはやっていきたいですね。何かこういうのをきっかけにもっとコミュニティー内外から批判できるような空気になると良いと個人的には思ってます。

また、前述した通り今回の動画では別にボロクソに批判するのが目的ではなく、コミュニティー内の人の意見をフラットに聞いてみるという方向性でしたが、正直に言えばもっとがっつり切り込もうと思えば批判はいくらでもできると思います。まあこれは暗号通貨全般に言えることでNEMだけの話ではないですが。

 

そういうのを嫌がる人がいるのも理解できる一方、批判が出ないコミュニティーはダメだと思いますし、例えばビットコインのいいところはある意味嫌でも内外から批判的なコメントや意見が集まることですねw中には的を得ているものもありますし、まっとうな反対意見、批評から学ぶことは個人的にも多いです。


最近の参入者が持っている暗号通貨への誤解

さて、自分の「コミュニティー論」はある意味どうでもいいのですが、今回のNEM動画でも一部スポットライトを当てていますが、自分がしばらくどうしても気になっている初心者の「誤解」があります。

 

これは一言で言ってしまえば、「ブロックチェーンなら分散されている」「暗号通貨ならどれも一緒」的な考え方で、これは特にビットコインからではなく、アルトコインから入る人たち、アルトコイナー全般に多く見られる気がします。

 

自分はこれは間違いだと思っており、一定以上分散化されて検閲耐性のない暗号通貨というのはそもそも暗号通貨カウントすべきか?くらいで考えている部分もあり、ブロックチェーン使っているから分散化されているわけでも、ビットコインと直接比較対象になるわけじゃありません。当たり前ですが。

最近はより一般層に近い人たちから関心が増していることもあり、プラットフォーム上でサービスを作ったり、UXを改善させたり、アプリケーションレイヤーが盛り上がると、開発が進んでいる、進化している、という見方もあるのですが、マイニングの仕組みなどを通した検閲耐性の獲得、いわゆる最近もちょっと話題になった「トラストレスな性質」とかいう奴を持ってないコインに、何か根源的な革新性や暗号通貨としての価値があるか懐疑的な部分もあります。

 

結局ビットコインは何を目指しているかというと、マイニングなどを通したネットワーク/信頼の分散化、まあ要は「市場原理で動き続けて機能し続ける、頭がなく潰せない通貨」のようなものを目指しているわけです。

ではこれがビットコインで上手く行っているのか、というとそんな簡単な話でもなく、現在のフォークコインの乱造、マイニングの集権化、セカンドレイヤーソリューションが機能するのか、など含めて試練や課題も多いと思っています。他にもProof of Workじゃなくて、新型のProof of Stakeで果たして持続可能な暗号通貨ネットワークを維持することが出来るのか、など日々色々研究が進められています。

一言で言えば、ここら辺が暗号通貨にとって最も難しくて肝心の部分であるはずで、一方ここを疎かにしているアルトコインが多すぎる、もしくはそこを見落としたままスピードやコスト、機能性、市場規模などのみで考えてしまう人が多いなーというのが正直な印象です。

そこらへんも含めて考え方の違いがあるのは当然理解しますが、まあそんなこんなを今回のインタビュー動画でも、そこまで深くではないですが少し触れています。例えばNEMを応援しているといっているけど、なんのことかよくわかってない人も少なからずいると思うので、より率直なフラットな意見を聞きたいという人は是非見てみてください。