ビットコインダンジョン

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Ethereumの躍進 BitcoinとEthereumそれぞれの未来は?

OKCOINやCoinbaseなどもともとBitcoinのみを扱っていた主要取引所が、Etherも取り扱うというトレンドが続いています。

 

そして、Coinbaseの共同創業者Fred Ehrsamさんが、本日以下のような記事を投稿し、平たく言えばEthereumを賛美し、Bitcoinの問題点について厳しく指摘しました。

 

medium.com

 

今日はこの「Ethereum is the Forfront of Digital Currency」(Ethereumがデジタル通貨の最前線だ)という記事の内容をベースに、最近のトレンド、Bitcoin、Ethereumについて自分の私見も書いてみます。なお、ちゃんとした考察というより、タイムリーさと勢い重視の乱文になる可能性が高いと今この文章を書きながら感じてますので、そうなっても許してください笑

 

 

記事の概要

まず、上記の記事の概要を簡単にかみ砕いてまとめると、

 

  • この数年ビットコイン関係で出てくるサービスはウォレットや取引所などインフラア関連のものばかりである。いわゆるキラーアプリは見当たらない
  • その理由として、 ビットコインの拡張性のないスクリプト言語が考えられる。
  • 一方、Ethereum上のアプリケーションレイヤーの開発のスピードはビットコインをすでにしのいでいる
  • Ethereumのチューリング完全なプログラミング機能と開発しやすい環境は強調しすぎることができないくらい重要
  • 結果として、ビットコインの開発コミュニティーは停滞しており、Ethereumの開発コミュニティーは対照的に急速に成長している。
  • 実験的なプロジェクトや新しいアイディアがEthereum上で試されており、この開発者の心持ち、姿勢のようなものは暗号通貨コミュニティーにとって最も大切な要因。
  • また、Ethereumのコア開発チームは、Vitalikを中心とした健全なリーダーシップを発揮している。一方ビットコインはスケーラビリティの問題などで露呈されている通り、ビットコイン開発の方向性やリーダーシップは機能していない。
  • Ethereumはプログラミング言語以外にも、承認時間、コンセンサスアルゴリズムの面などでも進歩している。
  • Ethereumも完ぺきではなく批判や懸念ももちろんある(後述)
  • Coinbaseは特にどちらの味方をするつもりはないが、EthereumがBitcoinの競合になりえる可能性は十分にある

 

という感じの内容です。最後はもちろんリップサービスというか自分たちはビットコインをあきらめたわけでもないし、両方やってくよ!としめるわけですが、基本的にはEthereumをほめちぎるような内容になってます。

 

彼の主張は正しいのか?

さて、ここから先は基本的に自分の私見が中心になっていきますが、Fredの意見は妥当なものなのでしょうか?

個人的には彼が言っていることに同意する部分も多いです。

確かに最近のEthereumの躍進は目覚ましいですし、開発コミュニティーが盛り上がっており、色んなアプリケーションやサービスが作られているのも事実です。どの国に行っても、ビットコインではなくて、Ethereumにもっと興味がありますという開発者も必ずいますし、日本含め世界各地でEthereumのコミュニティーが形成されていて、かなり活発です。

OKCOIN、CoinbaseなどでのEtherの取り扱いもそうですし、この時点で暗号通貨業界での不動の二位の位置を確立し、足場もかなり固まってきています。自分は初期は結構懐疑的でしたが(少なくともEthereumのここまで早い成長や浸透は想定はそこまでしてなかった)、今の時点では自分の予想の多くは残念ながら?間違っていたと結論づけられると思います。

 

このまま成長を続けていけば、数年以内に本当にビットコインを技術的、ネットワーク的にも超える可能性は十分にあると思います。

 

よし、じゃあやはりみんなでEthereumに乗り換えよう、Vitalik教に入信しよう!となるかというと自分はまだそのレベルまでは行っていません。

まずFredとCoinbase自体に対する批判

 

まず上記の記事に対する批判です。大部分は同意すると自分も言いましたが、批判できる点やつっこめる点もあります。


ビットコインコミュニティー内の政治の背景

まず、この記事が出る前の背景を理解する必要があるのですが、Coinbaseはブロックサイズの即時引き上げによるスケーラビリティの確保、そしてBitcoin Classicの最大の擁護者です。Bitcoin Core vs Bitcoin Classicという議論も、究極まで単純化&ドラマ化すればBlockstream vs Coinbaseという構図にすることもできます。


そして、ご存知の人も多いと思いますが、Bitcoin Classiは一時期の勢いを失って現在ノード数の割合でみると全体の15%以下になっており、どうやらこの時点でClassicは下火のような様相です。(どうせまたすぐに新しい論争が出てきますが・・・)

先ほどの構図で考えると、CoinbaseがBlockstream側に負けた形になります。

なので、Coinbaseは現在のビットコイン、特にビットコインコア開発陣の状況にかなり大きな不満を持っていますし、バイアスやポジショントークが多分にあるのも見過ごせません。もしClassicがCoreを上回り開発陣の交代と、ブロックサイズの増加などがCoinbaseが主張するように起きていたら、おそらく今回のような記事は発表しなかったと思います。

 

なので、Ethereumがすごいというより、今のビットコインコミュニティーや方向性へのCoinbaseなりの批判、ささやかな抵抗という感じの文脈です。ビットコイン(ビットコインコア)が自分たちの方向性、やりたいことを聞かないなら俺たちはEthereumに行くからいい、という脅しのような風にもとらえられるかもしれません。

 

Coinbaseが利益追求の組織であること


Coinbaseは投資家からも資金を投入されているベンチャー企業です。当然、最終的な目標は利益を上げること(もしくは最近の風潮としていうなら評価を上げて上場すること)ですから、ビットコインのネットワークが混雑してしまって送金が遅れてユーザー体験を損なってしまうことも、安定性や分散維持を重視してプロトコル開発のスピードが遅れるのも企業としては避けたいわけです。

ただし、ビットコイン自体はオープンソースプロジェクトですし、利益やスケール性を追求する必要もCoinbaseの要望や都合を聞く必要性も来全くありません。短中期のスケールを重視してシステムの安定性や分散化を損なったりするのは少なくともオープンソースプロジェクトとしては避けるべきでしょう。その点ではBlockstreamも一応最終的には利益追求ではあるようですが、本人たちが認めているようにコア開発陣に食い扶持を提供することが主な機能で、短期的な拡大や利益追求は気にしてないのがCoinbaseなどとは大きく異なります。(ここらへんがCoinbaseなどと立場が異なり衝突する要因でもあるのですが)


今回の記事で、開発のスピードに不満を持っているという記述もありましたが、これはどちらかといえばビットコインの問題というより、Coinbaseの都合でしょう。


もちろんCoinbaseはビットコイン自体の将来を考えて発言したり、行動していると主張してますし、そういう面ももちろんあると思いますが、最終的にはビジネス判断は多分にあるのは容易に想像できます。彼らが儲かるなら別に土台がビットコインでもEthereumでも、ある意味Corda(笑)でもいいわけです。

BitcoinとEthereumの比較に関する批判

 

BitcoinとEthereumの比較ですが、Fredのポイントは大きく


・スクリプト言語

・開発コミュニティーの盛り上がり

・コア開発陣のリーダーシップ

・プロトコルレベルでのEthereumの優位性(承認時間、コンセンサスアルゴリズムなど)

以上の4点ですが、それぞれ考えてみると、

 

スクリプト言語

→ここに関しては特に言うことはないです。Ethereumが少なくとも理論上ビットコインに対して大きな優位性を持っている部分でしょう。

開発コミュニティーの盛り上がり

→確かにEthereumの開発コミュニティーは盛り上がってますし、実際すごい勢いだと思います。新しいタイプのプロジェクトや実験がされているのも素晴らしい。これは同意。

同時に、開発コミュニティーが盛り上がっている一方、盛り上がりはハイプやバブルに支えられているものという批判もできます。今Ethereumで盛り上がっている、高く評価されているプロジェクトのほぼ全てが失敗します。正直に言ってしまいますが、自分はAugurもThe DAOも失敗すると思ってます。

 

もちろん実験の意義を否定するわけでもないですし、ビットコインも通ってきているハイプサイクルの一環なので、結局ここは通過する必要はありますし、むしろもっと色々やればいいと思いますが、現在の盛り上がり、期待値なども開発コミュニティー自体の盛り上がりというよりは、一時的なハイプ、バブル(スマートコントラクトでなんでもできる!)的なものの裏付けの方が強い気がします。

実際、Ethereumを色々使ったうえで、エンタープライズソリューションには向かないと指摘したり、そもそも一般でバズっているスマートコントラクトを使ったアプリケーションの必要性やユースケース、優位性がいまだにない、と冷静に指摘する人も少なからず出てきています。

 

また、企業がEthereumのスマートコントラクト言語を使用した実証実験なども行っているし、ビットコインより盛り上がっているという人もいますが、基本的に企業が今Ethereumでやっていることは無意味(別にブロックチェーン使う意味があまりないということに気付くだけ)なのであまり比較要因にするのもフェアではないでしょう。今企業がやっているように、Ethereumをプライベート環境で使用しようとしているのを、ビットコインで同様にやっても意味がないということくらいはわかっているようなので、ここではビットコインが使われてないだけですからね。

 

コア開発陣のリーダーシップ

 

そしてある意味最も物議をかもすかもしれないのが、このコア開発陣(特にVitalik)のビジョン、リーダーシップに関してです。

確かにVitalikの元、Ethereumはきちっと方向性を示したり、マーケティングしたり、企業やプロジェクトを懐柔したり、コミュニティーの発展を支えて、大きな貢献を果たしています。これが今のEthereumの成功の主要因の一つだと思うのですが、ただし、ここで疑問が。これって本当に分散プロトコルなの?

確かにマイニングアルゴリズムなどを考えると、別にVitalikやコア開発陣が必要ではなく、ある程度分散化されていると言えます。ただし思想的、技術的的にコア開発陣への依存は大きいと思います。よくわからなかったらVitalikが決めればいい的な。

今のところVitalkは素晴らしい活躍をしており(少なくとも見える範囲では)、それが開発のスピードや盛り上がりにいい影響を及ぼしているわけですが、Vitalikが判断を誤り始めたり、いきなり死んだり、政府に脅されたり、企業政治に利用されたり、悪い女性にだまされたりしたら(ありえる笑)、Ethereumはどうなるんでしょうか?

それでもEthereumが潰れるとは思いませんが、Ethereum上の多くのプロジェクトがVitalikの評判や信頼に依存している部分もあり、致命的な要因になる可能性が多分にあります。そういうことを考えると、なんかEthereumって分散プロトコルの匂いがあんまりないんですよね、少なくともまだ。

 

一方、ビットコインはよく管理主体がいない、と言われますが、文字通り考案者であるSatoshi Nakamotoは姿を消し(まあもしかしたらこの前BBCの取材受けてた人かもしれないですが笑)、今ではBitcoin Coreチームがコードのメンテナンスなどを引き継いだ形になっています。ただしプロトコルの方向性を決める絶対的存在はおらず、コミュニティーによるコンセンサスにより意思決定されます。絶対的リーダーがいないのです。

ご存知の通りこの分散コンセンサスというのは非常に時間がかかりますし、現在のビットコインのような内部分裂みたいなものがおきます。でも、これは分散化されているという証拠ともいえ、ビットコインが分散プロトコルとして機能していると好意的にとらえることもできます。(ちょっと無理やり感もありますが)

Ethereumのコア開発陣のリーダーシップをほめちぎるFredですが、自分はコアへの依存というのはマイナス要因やリスクも多いと思いますし、Ethereumもいずれ今のビットコインのような分裂期みたいなものを超えなくちゃいけないでしょう。それが来なかったら本当の意味で分散化されてないんじゃないか?と思っちゃいますね。

 

 

(ちなみに、この本当に分散化されると意思決定が遅くなるので、スタートアップとかには絶対向かないという点が、自分がThe DAOの意思決定プロセスがうまくいかず、最終的に一部の人が投票の方向性を決めたり中央集権化するか(形骸化)、分散化された結果何も起きずに空中分解すると考えている理由です。)

 



プロトコルレベルでのEthereumの優位性

 

より短い承認時間やProof of Stakeなどまだまだコンセプト段階のものもありますが、自分はここらへんのEthereumの研究や実験というのは個人的にかなり好意的にとらえています。

プロトコルレベルで上手く行くと長い期間のテストののちに自信を持って言えるものはまだないと思いますが、ビットコインで問題視されているマイニングインセンティブや中央集権化、電力消費などを解決しようと色々なアイディアが出てきてるのは素晴らしいです。

自分はこれに関してはあまり批判はないですね。CryptoEconomicsとか言ったりしますが、ゲーム理論に基づくマイニングの中央集権化の予防とかそういうのすごい面白いです。あえて批判するなら、まだ実証されてないものが多いってことくらいでしょうか。

 

まとめ

というわけで想定していたよりずっと長い文章になってしまいましたが、簡単に自分の考えをまとめると、


  • 確かにEthereumの最近の勢いはすごいし、ビットコインが出来てないことを技術的にも実現させていこうとしていたり、新しいプロジェクトがどんどん出てきたり、好材料も多い。
  • Ethereumが数年以内に完全にビットコインを置き換えるというシナリオもありえるかも。
  • ただし、CoinbaseのFredのEthereum推しの記事は多分に政治的な背景に影響されたポジショントークだとみなせる
  • また、今のEthereumの成功も、必ずしも実需などに基づいたものではなく、マーケティング先行のハイプ的なところが大きく、バブルが崩壊したり、いずれ壁にぶち当たる。
  • また、コアのリーダーシップなど今の成功要因がむしろいずれ分散化などの点で足かせになったり、成長過程で今のビットコインのような問題で成長鈍化される可能性が高い(今は何でも楽しいただのハネムーン期間。本当の問題はここから)

 

ていう感じですかね。

 

まあでもいずれにせよ、実際Ethereumがここまで急激に成長していることはすごいと思います。ビットコイン界隈が最近いまいち勢いないのも事実ですしね。この傾向がこのまましばらく続きそうですが、その後にどうなるのかが正念場でしょうね。少なくとも今持ち上げられているプロジェクトがハイプ先行なのは否めません。



とりあえずVitalikが美人のおねーさんにたぶらかされないことを祈りましょう笑いつだって悲劇はそこから始まりますからね・・・。(もちろん冗談ですよ!



それでは。

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