Ethereum Classicの衝撃
Ethereum周りがまた面白いことになってきています。
先日、「What an accomplishment!」と無事にハードフォークを完了したはずのEthereumでしたが、The DAO救済のハードフォークに反対するグループがハードフォーク前のチェーンをそのまま維持したEthereum Classicというものが出てきました。Ethereum ClassicはブロックチェーンのImmutability(改ざん不能性)こそが重要だと主張し、ハードフォークした後のネットワークの通貨はETC(Classic Ether)と名付けられました。
最初はただの冷やかしというかジョークだと思われて、ハードフォーク後もメインチェーンの確か1%以下くらいのハッシュレートしかなく、すぐに消滅するかと思われたEthereum Classicですが、BitSquareという分散取引所でコインのトレードが細々と行われ始め、なんとか生き残っていました。
そしてここにきて、かなり驚いたのですが、昨日PoloniexがETCのトレードを開始したことで、ETCのトレードが一気に増加し、今の時点でなんと暗号通貨ランキングで6位の市場規模を持つほどになっています。市場規模は65億円ほどでちょうどNEMと同じくらいの大きさになっており、すぐに死ぬかと思ったEthereum Classicは驚くことに少なくともしばらくは存在し続けることになりそうな展開になっています。現在Ethereumのメインチェーンの5%程度のハッシュレートを持っています。
Ethereum Classicはどのような影響を与えるか?
Ethereum Classicは今後Ethereumおよびビットコインなどの他の暗号通貨にどのような影響を与えるのでしょうか?
現時点では自分もちょっとどうなるかは予想しづらい部分もありますが、ブロックチェーンと改ざん不能性の理念、ブロックチェーンのハードフォークのリスク、新たなデータの提供などの文脈で非常に興味深いケースになっていると思います。
まずEthereum Classic自体ですが、今はある程度の勢力を持つようになっていますが、長期的にみれば段々しぼんでいくと思っており、細々と続いていって、中長期的にはほとんど形だけのものになる可能性が高いです。
その理由の一つとして、Replay Attackという攻撃メインチェーンとClassicチェーン両方でトランザクションを作成して、簡単に言えばEthとEtcで通常の二倍のコインをゲットできちゃうみたいな状況があります。実際に実用しようと思った時に使い物にならないんじゃないかと。(この攻撃はまだ新しい分野で自分も完全に理解してないですし、Ethereum Classicでこの攻撃がどういう結果を生み出すかデータがとれると思います)
また、すでにEthereum Classicのチェーンに51%攻撃を仕掛けると宣言するEthereumマイナーも出てきており、多分今後も色んな攻撃にさらされると思われ、Ethereum ClassicがメインEthereumのように本気のアプリケーションを作るプラットフォームにはならないと思います。なったらなったでそれはそれで面白いんですが。
というわけで、Ethereum Classicは多分長期的にはほぼ何の影響力もなくなってしまうと思いますが、ただし、ハードフォーク後に起こりうる展開とそのリスク、フォークしたチェーンからの様々な攻撃の可能性の検証になったり、ブロックサイズに関するハードフォークでもめているビットコインにとっても重要なデータを提供し、もしかしたら今後のビットコインの開発の展開にも影響を及ぼす可能性があるので、その点ではかなり重要な役割を果たすかもな、と。
また可能性は低いとは思いますが、このままEthereum Classicのブロックチェーンの分散の理念が受け入れられて、Ethereum(Foundation側)とClassic側でハッシュレートがほぼ一緒になったり、真っ二つに割れるような可能性もゼロではないと思います。そしたらEtherに投資している人たちにとっても大きなリスクにもなりますね。(実際にClassicに少し勢いがついた時点でEther価格はちょっと下がる形になった)
まあとりあえず様子見しつつ、何が起こるかわからなくて本当に暗号通貨業界面白いね、って感じです、個人的には。
それでは。
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