ついに来たCounterpartyとRippleの融合 Symbiontに注目
私は普段からCounterpartyを使っているのですが、Counterpartyには大きな弱点があると思っています。BTC手数料の高さです。
1回のトランスアクションに6円ほどかかるため、不特定多数の人に一斉にトークンを送るのには適していません。少なくとも現状は。
それを解決するため、大抵はサーバーで一度トランスアクションをまとめて、ネットワークの外に出すときだけ一回の手数料がかかる、という構造をとっているケースが今のところ多いです。GetGems Messangerはこの部類に入ります。Gems上でのやりとりは手数料無料でいけますが、実際に自分のよりセキュアなWalletにユーザーが移りたい場合は、その時に始めてマイナーへの手数料が発生します。
サーバー処理は解決策なのか?
サーバー処理は結局は中央化とハックの攻撃対象(Single point of Failure)というリスクを背負うことになります。取引所もそうですが、これでは分散型のBlockchainの強みを消してしまうとも言えるため、既存のシステムと大して変わらないという批判もできます。
そこで分散型のセキュリティーを兼ね備えつつ、低手数料を実現させるために、CounterpartyとRippleを組み合わせたプロダクトをSymbiontという会社が発表しました。
Symbiontって何?
Symbiontは、Counterpartyを使ったスマートコントラクト+トークン発行&トレードネットワークの実現を目指すFintech会社です。
応用として、分散型デジタル株式市場などが考えられます。金融商品などをCounterpartyのトークン化しつつ、それをConterparty Riskなしで分散的にトレードできるようなプラットフォームを提供しようとしています。
今回のCounterpartyとRippleの融合(Counterparty Ripple Gateway)で、トークンの発行はビットコインのブロックチェーン上で行い、通常のトレードはより安価で高速なRippleの仕組みを活用できるようにします。
Counterparty+Rippleは完璧か?
トークンの発行とスマートコントラクトは、ビットコインの強固なブロックチェーン上で 行い、Counterpartyの弱点の一つである高いトレードコストはRippleで補うという非常に現実的かつ、相性のよい組み合わせと言えると思います。
実は自分が進めているプロジェクトでもCounterpartyとRippleを組み合わせるのが現実的な解ではないか、という話もしたことがあり、このニュースを見たときに、あー、やっぱりそう来るよね、と何か納得しました。
面白いことに、SymbiontにはCounterpartyの創始者も参加しており、自らCounterpartyの弱点を認めたような形になっているということです。
と、言いつつもこの二つの融合が弱点がないという訳でもありません。
Symbiont大きな目標の一つである、カウンターパーティリスクをなくすということが、Ripple Gatewayを採用することで自らそのリスクを作ってしまっています。Ripple Gateway自体がどうしても中央化のリスクになるのです。一方Counterpartyだけでトレードをした場合、手数料の問題はあれど全て分散型で処理できるため、ビットコイン同様信頼は必要ありません。
Counterparty→高コスト、分散型
Ripple→低コスト、カウンターパーティリスク
最終的にどちらをよしとするかは、個人の考え方にもよりますが、たいていのユーザーは低コストの選択肢をとる気もしますね。
Symbiontに関してはこの記事をのぞいてまた具体的な詳細などは出ていないようですが、私はこのプロジェクトは今後も注目していきます。
それでは。