ブロックチェーン技術によりなくなってしまう可能性のある仕事
インターネット、スマートフォンのようなイノベーションは生活を便利にし、新たな仕事や領域を作り出す一方、既存の仕組みを無意味化し、仕事を奪うことにもなりえます。
ブロックチェーンもインターネットのような大きな破壊的イノベーションだと私は思っていますが、ブロックチェーンが奪ってしまう可能性のある仕事をいくつかリストアップしてみます。
法律
弁護士などの法律家の仕事が、ブロックチェーンを使ったスマートコントラクトにより大きく影響をうける可能性があります。
刑事裁判などの入念な捜査と人間の判断が必要になるものもあるので、法律家の仕事がなくなることは絶対にありません。ただし、民事裁判、もしくは簡単な契約などはブロックチェーン上に契約を書き込む(スマートコントラクト)ことで、人を雇う訴訟になる可能性が激減し、離婚裁判や民事訴訟などの数が激減する可能性があります。
今まで口約束など信頼に基づいていた個人間の契約が、当たり前のようにブロックチェーン上で実行される日はそんな遠くないのかもしれません。
銀行、金融
イメージ的にビットコインが最も影響を与えるのが、銀行、金融の分野でしょう。
少なくとも国際送金の部分では、銀行がなくてもすでにビットコインやリップルなどを使うことでより安く、早く送金ができます。
貸付にしてもスマートコントラクトを使ったP2Pレンディングを使い、銀行に一度お金を預けなくても一般大衆から直接貸し付けをしてもらったりすることが可能になります。
また、証券などもスマートプロパティと呼ばれる、暗号証券をブロックチェーン上に作り出す仕組みを使えば、証券会社やブローカーなしでも株や証券などを取引できるようになります。
もちろん銀行も金融も優秀な人材が集まるセクターですし、社会で大きな力を持っています。彼らが簡単に潰れたり置き換えられたりするはずはないと思いますが、銀行の一部の業務が完全に形骸化したり、証券会社もブロックチェーン技術について学ばないと時代遅れになる可能性もあります。
会計士、税理士
会計士、税理士というと何だかふに落ちないかもしれません。
ビットコインの税務処理などはむしろ税理士などのアドバイスがより必要になり、一時的に会計士、税理士の仕事は増えるかもしれません。
ただし、仮に全ての支払いをブロックチェーン上でやるようになる時代が来たとしたら、ブロックチェーンより透明性が高く、証明可能な台帳はありません。いちいち領収書を集めて提出したり、帳簿をつけなくても、ブロックチェーンの記録を一括で参照すれば何にいくら使ったかを一瞬で証明することも可能になります。
透明性が高いのはそんなにいいことなのか、というのは別トピックですが、使い方次第によってはブロックチェーンは会計ソフトみたいな感じでも使えるのです。
投資家、VC
2015年に入っても投資家やVC(ベンチャーキャピタル)からの仮想通貨スタートアップへの投資は続いており、ビットコインスペースにとってもこれからも投資家やVCは重要だと言えます。
ただし、クラウドセールと呼ばれる仮想通貨を使ったクラウドファンディングが一般的になり、世界中どこからでも少額でもプロジェクトに投資することができ、また投資や支援へのインセンティブが与えられる仕組みがもっと一般的になれば、個人がエンジェル投資家などの機能を果たせるようになり、投資家やVC自体が不要な存在になる可能性もあります。
もちろん、VCなどによるチェック、選別機能は重要なものですが、いわゆるプロフェッショナルではない一般人が束になった時に発揮されるWisdom of Crowd(群衆知)の効果を考えると、正しい判断をするのにもしかしたらプロは必要ないのかもしれません。
行政、公務員
高校生のなりたい職業ベスト10一覧| 看護大学・専門学校受験ナビによれば、高校生のなりたい職業のリストは以下の通りです。
教師だったり、保育士だったりが人気なんですね。ただし、男性の2位が公務員。これには個人的にはちょっと違和感があります。そもそも公務員になって一体何が楽しいんだ。
というのも個人的に行政(市役所とか法務局とか)は非常に非効率的で時代遅れなシステムに頼っていると私は思っていて、しかも彼らの仕事の多くが置き換えられてしまう可能性があるからです。
登記や証明書発行、記録更新作業などが公務員の主な業務の1つだと思いますが、それらは全てブロックチェーンで簡単に出来てしまうタイプのものです。このリストの中で私が個人的に最も仕事を奪われる可能性があるのは、行政ではないかと思っています。ものすごい反発が起きそうなので、後10年、20年は安泰かもしれませんが。
(とりあえず公務員になって安定したいと感じている高校生の数に危機感が・・・。)
他にもこの仕事はなくなるんじゃないかという意見があればコメントください。どちらかというとこれからどのような仕事がブロックチェーンにより形成されていくか、と考えた方が面白いかもしれませんね。ただし、なくなる仕事よりこれから作られていく仕事を予想する方がずっと難しいですが。
それでは。