ブロックチェーンは銀行を救えないことを、今日銀行窓口で確信しました。
タイトルが明らかに釣りになってしまいましたが、備忘録的に昨日、今日自分の緑の銀行口座に関して起きたことについて書いて、今流行りの金融機関がやっているFintechとかブロックチェーンに自分が感じていることも一緒に共有します。
やりたかったこと
自分はとりあえず確定申告用の銀行口座の明細が見たかっただけなんです・・・。そろそろ税理士さんにまとめてデータを送らなくてはいけないとわかってたんですが、自分の口座なんだからいつ、誰から、いくら入出金があったかの一年分をオンラインで確認するのなんて簡単だろうと思い、極限まで後回しにしていました。基本あまり興味ないことは極限まで後回しにします、人間は。
悪夢の始まり~アプリが使いものにならない~
そろそろまずいな、と思い、今夜あたり仕方ないからもろもろやってしまうかと思っていた時、ちょっと別件で今年の1月末の口座への入金について確認しなくてはいけなくなり、緑の銀行アプリを開きました。
CMとか電車とかでもものすごくアプリが便利だという感じで広告してるし、とりあえずモバイルでもやれること結構あるだろうという甘い考えでした。
アプリを開いて、口座明細を見ようと思ったのですが(その時3月1日早朝)、なぜか2月までの履歴しか見れません。
いやいや、そんなのありえないだろう、とアプリをガチャガチャいじりましたが、一向に1月の履歴は見つかりません。時間にするとほぼ一か月前の履歴が見られないなんてどう考えてもおかしいだろう、と思いアプリ内でもう少し粘りました。どうでもいいけど、UIもダサいし、工夫もなくて文章を読ませようという甘えがアプリ内で見られて、夜中にそれについてもイライラ。(金あるんだったらもっとまともなアプリくらい作ろうよ)
結局、Webviewのめちゃくちゃ長いヘルプページを読まされ、そうするとアプリ上では過去2か月分しか履歴が見れないことが判明。その時にはっと気づいたんですが、その時はすでに3月1日の早朝になってたので、3月分と2月分の履歴しか見れずに1月の分はもう見れなくなっている。
面倒だけど、ウェブで見るか、なんていまいちなアプリなんだ。ユーザーのことちゃんと考えて作ってないだろう、とぶつぶつ思いながらも、ここまではまだ許容範囲内でした。
ウェブサービスの使えなさに驚愕
仕方ないので、ウェブバンキングのページにクロームからログインしました。見た目がダサイのはもうここではスルーして、ログインするのに銀行口座番号入力して、第一暗唱を入れさせられました。一回目のログインは失敗しました。でもそれは暗唱番号間違えた自分のせいです。
何とかウェブサービスにログイン。見た目がぐちゃぐちゃというか、文字ばっかたくさんあってもはや見る気もおきないな、と思いつつも何とか目当ての明細のページに到着。
照会期間をプルダウンから選択できるようで、よかったよかった。一件落着と思いました。が、なぜか照会期間を1月~に変更することが出来ない・・・!
何でだと思いつつ、ガチャガチャまたやるけども何も起きない。すると上の方に、
※ 照会できる期間は、指定の口座の通帳発行形態によって異なります。
という注意書きと、くわしくはこちらというリンクを発見。嫌な予感がし始めました・・・。
が、結局何もできないのでリンクを踏み、読みたくないけどルールの確認。
自分はどうやらS〇〇Cパックの通帳発行型のようなので、モバイルと同様過去2か月の履歴しかWeb上でも見れないことが判明。それ以前のものをみたい場合は銀行窓口に来てくださいと書いてあります。
(自分はまだ暇、いや自由に行動できるからいいけど、こんなのサラリーマンとかはさらに不便でかわいそうだろ)
窓口の中心で銀行の限界を再確認
というわけで、確定申告用の自分の口座の履歴をまとめて入手するために、最寄りの銀行窓口に行ってきました。
行く前に家で情報収集したり、ちょっと仕事済ましていたら気づいたらもう2時前くらいになっていたので、まずいそろそろ行かないとと思いつつ。そもそも銀行窓口が3時に閉まるのもおかしな話。
さあついに窓口に到着して、ようやくこのナンセンスから解放されるかとちょっと気持ちが緩みました。それが甘かった。
自分の番が来て、過去の口座の履歴が見たいですと窓口の人の好さそうなおばちゃんに相談。口座番号はこれです、とキャッシュカード兼クレジットカードを見せました。そうするとちょっとざわつくおばちゃん、何かを同僚の人と確認し始めました。この時点で自分は絶望を予感したわけですが・・・。
どうやら、「過去の口座照会って出来るの?」ということを確認していたようです。ちょっと話した後に、はい、かしこまりました。過去一年分の履歴を印刷して出すのに、1000円くらい(確か)かかりますよ、とおばちゃんは言いました。
この時点で、紙じゃなくてPDFで送ってくれたら嬉しいとかそういうサービスがあるはずもないことは覚悟したのでぐっとこらえましたし、そもそも自分の口座の履歴見るのに金請求されるのって、何だか普段ビットコインとか自分の資産を自分で管理する自由、みたいなところにどっぷり漬かっている自分にはどこか少し屈辱的。まあ3秒くらい考えましたけど、どうせそれしか方法がないんだから、じゃあ、それでお願いします、と頼みました。
わかりました。と、なんか準備を始めたので、ついでにオンラインで過去一年分の口座履歴まで見れる、電子通帳の方に切り替えられますか、と聞いてみました。また少しざわつくおばちゃんs。
数秒後に、通帳と印鑑あれば簡単にできますよ、と言われました。当然自分は普段は通帳も印鑑も持ち歩いてないので、いえ、じゃあいいです。また来ます。と多分また来ない雰囲気で答えました。
(そもそも通帳も印鑑もこんな時代遅れなものを要求するシステムって何なんだよ、と)
まあ、プランの切り替えは出来ないけど、とりあえず過去分に関しては印刷して履歴が一年分もらえそうだし、よかった。そう安心した瞬間に最後に絶望的な一言。
「ここの支店は銀行口座を登録した支店ではないので、郵送を含めると10日から2週間ほどかかりますが、大丈夫でしょうか?」
大丈夫じゃねーよ!笑
確定申告のデータ本当は昨日送らないとまずかったんだから!
もうこの時点でもう今日欲しいものが手に入らないことを確信して、なぜか窓口で絶望感と少しの愉快さを感じ始めてもはや、いやらしい笑顔が自然と顔に出始めました。
結局口座登録した支店に行った方が早いと思ったので、じゃあもういいです、と言って窓口を出ました。
ブロックチェーンでは銀行は変わらないのでは?
ここまでは、完全に自分の愚痴のような話でしたが、当然最後はビットコインとかブロックチェーンの話に持っていきます。自分は普段からそればっかしか考えてますからね
上記の自分のタイミングでわかるように、ユーザーにとっての銀行への不満というのは別に送金に時間がかかるとか費用が高いとかそれだけの話ではありません。
ユーザーのことを考えたサービスとかUXがきちんと作れてないとか、過剰に窓口に来させるような仕組みが残ってたりとか、何をするにも通帳、印鑑が必要とか、銀行のサービスを使う上であらゆるところに摩擦が存在し、スムーズにことが進むことの方が少ないですし、全体的にもう銀行のシステムというのは、20年くらい前の古い仕組みが残ったまま化石みたいになってるのではないでしょうか?これは銀行の中の仕組みがどうとかそういう話ではなく、1ユーザーとしての視点・体験からの話です。
高齢者などはこれでも問題ないと思います。彼らはもともと印鑑とか通帳とかそういう時代のものになれていますし、むしろオンラインでのサービスが充実してもそれを上手く享受できない人も多いでしょう。ただ、もっと若い世代とか、国際的に活躍する人たちとか、インターネットに慣れ親しんでいる人たちからすると、今の銀行のサービス、仕組みは時代遅れとしかいいようがないと自分は思いますし、そう思うのは間違いなく自分だけじゃないでしょう。
今、Fintechとかブロックチェーンとか言って、銀行業務の効率化、低コスト化、とかそういう話で界隈も盛り上がってますし、それ自体は何ら悪いことではないですけど、果たして何十年も変わらないこのような銀行業界で出来上がってしまっている色々な悪習というか非効率というか、時代遅れになってしまっている部分まで含めて、大幅に銀行が変わってより効率的で、ユーザーにとって利便性の高いサービス提供者になれるのでしょうか?自分はそんなことはできないと思っています。出来たとしても時間は10年、20年かかるでしょう。
銀行の今の仕組みにブロックチェーンを適用するのは、車にジェットブースターを載せて、さあ宇宙まで行ってこい、と言っているようだという比喩を使う人もいますが、つまりもうすでに時代遅れになってしまっているシステムの一部分だけ最新の技術で補おうとしても、限界があるということだと思います。
ビットコインとは新しい金融エコシステムを作る事
一方、最近はブロックチェーンというバズワードに隠れてしまうことも多いですが、ビットコインは金融機関などを必要とせず、完全に独立した新しい金融のエコシステムを作り出すことが出来るからすごいのです。仕事の対価を受け取るのも、モノやサービスを買うのも、ビットコインは1から100まで金融機関を全く介さずに、世界中どこでもほぼ瞬時にお金(価値)を移動したり、自分の資産を自分でコントロールすることが可能です。
ビットコインなら、今回自分が話したような非効率があったとしたら、それはどんどん改善されていきます。誰でも参加出来て、誰でもオープンイノベーションを起こせるプロトコル上で、より良いサービス、より良いUXなどを実現するための自由競争が起こるからです。インターネットのようなものだというのも、つまりこういう競争やオープンイノベーションの土壌になるから、ということだからと思います。
このブログでもすでに何度も言ってますが、このようなオープンな競争による改善、イノベーションなどは、規制や雇用など様々な制限を強いられて動きづらくなってしまっている金融業界とは対照的です。ビットコインのような分散型のプロトコルがもたらす最大の恩恵は、「規制されている環境のすり抜け」というようなことを言う人もいます。
今回、銀行のWebサービス上でもやりたいことが出来ず、窓口に行っても結局問題が解決せず、摩擦が多すぎてげんなりしてしまいました。この既存の金融機関を使う上での様々な摩擦というのは、ビットコインなどの暗号通貨を使ったことがある人は間違いなく嫌でも感じることになります。関連サービスを作ったりするのにも、既存の金融機関を挟まなくちゃいけない部分はどうしてもボトルネックになります。
銀行が中心プレイヤーとして活躍して、銀行の非効率を色々改善していくFintechやいわゆるブロックチェーンもそこそこ面白いかもしれないですが、全く新しい金融エコシステムを自分たちで作っていく方が自分は楽しいですし、ロマンがありますね。そういうのを感じられる人をビットコイナーとか言ったりするんだと思いますが。
銀行が少しづつゆっくり重い腰をあげて改善、効率化に動き始めている間に、ビットコインなどの新しい技術はその何倍、何十倍のものすごいスピードで今ある金融の仕組みを形骸化させてしまう可能性だって大いにありますからね。
最後に
結局確定申告用の書類揃えられてません。税理士の方、すいません・・・。
ちなみに銀行行くんなら通帳とか印鑑持ってくのなんて、社会人として当然だろとかいう突っ込みはやめてください。社会人としての常識は基本自分にはないですし、部屋が散らかっていたので、通帳探すのも、印鑑探すのも面倒だっただけですから(笑)
それでは。
【お知らせ】
先日、BTCNザキヤマさんとのビットコインポッドキャスト、「ビットコイナー反省会」のエピソード2を放送しました!すでに300以上のビューがついてますが、2月のニュースの振り返り、リスナーからのQ&Aなど楽しく役に立つと思いますので、是非聞いてみてください。(ついでにチャンネル登録もしてくれると嬉しい)
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