ビットコインのマイクロペイメントとアルトコインへの影響
ブログのタイトルにもなってる通り、自分は基本的にビットコインについて記事を書くことが多いですし、他のコインやプライベートチェーンについても調べたり書いたりすることもありますけど、そこまで深く調べることはありません。
また、自分が主にやっているプロジェクトも全てカウンターパーティを使ったトークンを利用したものです。カウンターパーティはビットコインのブロックチェーンの上のレイヤーに位置するプロトコルで、基本的にはビットコインと一心同体です。カウンターパーティはトークンやスマートコントラクトなどをビットコインのブロックチェーン上で可能にする、ビットコインの機能拡張プロトコルとも言えます。
つまり簡単に言えば結局自分がやっていることは全てビットコインありきなわけです。他のアルトコインがビットコインを超えるような存在になったり、パブリックチェーンとプライベートチェーンが共存していくなどという可能性もありますが、自分は結局ビットコインが一番成功する可能性が高いと思ってますし、面白いし、そこに張っている感じです。
ビットコインへよくある批判
ビットコイン派の人に対してよくある批判やもしくは単純な疑問としてよくあるのが、「ビットコインって遅いし、高いし使いものにならない(からアルトコインやプライベートチェーンを使う)」というものです。
この批判は決して間違ってないと思います。
最近は日本でもテレビや雑誌などでも「ビットコイン特集」みたいなのがあったりして、よく「ビットコインは速くて安い新しいタイプのデジタル通貨」です、みたいに言われます。これに話合わせちゃうときもありますが、これって少なくとも現時点では全然正しくないですよね?
最近ビットコインを送金したことがある人なら経験がある人も多いと思いますが、ネットワーク混雑がひどいときは、通常のビットコイン送金に20円~30円(分くらいのビットコイン手数料)かかったり、逆に手数料が低すぎると1日たっても送金が承認されなかったりすることもあります。
カウンターパーティもビットコインのマイニングを利用しているので、もろに影響があり、ほぼ無価値のネタトークンを送るのに20円くらいかかってしまう時もあります。気軽にどうでもいいものを送りつけるというのがこれではちょっとやりずらくなってしまいますね。
ビットコインの価格上昇も相まって、ビットコインの送金手数料は実際そこまで安くもなくなってきてますし、平均で10分という承認時間も銀行を通しての国際送金などと比べれば速いですが、インターネット上でビュンビュン送金できる、と形容するほどのスピードではないですし、対面での支払いなど10分も待てないシチュエーションもたくさんあります。
加えて、ビットコインのマイニングの仕組みやスケールの問題などを考えると、ブロックチェーン上での直接の送金手数料は今後もむしろ上がっていく可能性の方が高いと思います。
なので、アルトコインや企業のプライベートチェーン押しの人たちがビットコインは遅くて高いので使い物にならないから、自分たちのコイン作る、自分たちのネットワーク作ると言っちゃうのも理解できなくはないです。
ただし、そういう意見をもしかしたら全部無意味にしちゃうのが、ビットコイン上のマイクロペイメントチャンネルとか、それを利用したライトニングネットワークというもので、暗号通貨界隈のゲームチェンジャー的な技術になる可能性が高いと考えられています。
ビットコインのブロックチェーン上でのマイクロペイメント
技術的なところ細かい部分はバサッと完全カットしますが(笑)、簡単に言えばビットコインのトランザクションを利用しつつも、直接ブロックチェーン上で毎トランザクションを記録するのではなく、オフチェーンで大量のトランザクションを処理し、しかもビットコイン送金のトラストレスな性質を維持できる、という類の技術です。要は、大部分のトランザクションは即時、かつ送金手数料ゼロでできるようになる可能性があるということです。
マイクロペイメントチャンネルというのがベースになる技術で、2者間で上記のようなオフチェーントランザクションを可能にするのですが、それを応用して直接知らない人、つながってない人ともオフチェーン上での送受金が出来るようになるのがライトニングネットワークです。
もちろんそんな一朝一夕で完成するものではなく、まだまだ課題や制約も多く、おそらく実用化されるのは数年先になると思いますが、ほぼ全てのビットコイン送金を高速(即時)かつ無料で送れるようになるとしたらやばいです。語彙が貧弱で申し訳ないですが、とりあえずやばいとしか言いようがないです笑
自分も関わっているカウンターパーティも基本的にはビットコインの技術はそのまま応用できるので、カウンターパーティ上で上記のようなマイクロペイメントを実現させるための、ピコペイメントの開発がすでに始まっています。つまりビットコインだけでなく、ビットコインのブロックチェーン上で作ったトークンも安価に高速にやり取りできるようになるわけです。トークンは、チケットでもクーポンでも株式でもゲームアイテムでも、色んなものに応用可能な汎用性が特徴で、これらの権利や価値を自在に送受信、トレードできるようになるとしたら、これはやばいです。かなりやばいです。
つまり、ビットコインへの「遅くて、高い」という批判がマイクロペイメントに関する技術が確立されるにつれ、無意味になってくる可能性があるわけです。
アルトコインへの影響
ビットコインを使ったマイクロペイメントが現実化すると、アルトコインへの影響も大きいと思います。
特に、現在のアルトコインの大半を占める、「ビットコインより速くて安い」のが存在価値のほとんどのコインは数年以内に全滅(というかすでに今の時点で事実上全滅してますが)する可能性もあると自分は思ってます。
例えば、Neucoinというのがありました。(今もある?)
ICOをした時の売り文句みたいなのが、ビットコインは遅くて高くて使いづらいから、Proof of Stakeのコンセンサスアルゴリズムを使ったNuecoinでオンライン上のマイクロペイメントを実現させる!みたいな感じでした。特に追ってはなかったんですが、結局なんかよくわからない自爆したような形で、プロジェクトとしてはもうほぼ死んでると思うのですが、こういう感じのビットコインのパラメーターをちょっと変えた、コンセンサスアルゴリズムをコピペした、応用領域を特定の分野に絞っただけ系のコインは今後かなり厳しくなっていくでしょう。
ただし、アルトコイン全体に未来がないというわけではなく、もし今後ビットコインを追い越す、共存する、そういうものが出てくるとしたら、スピードやコストとは全く違ったところに大きな特徴やメリットを持つものは生き残っていく可能性は大いにあると思います。例えば、チューリング完全のスマートコントラクトを可能にするEthereum(まあハードフォーク後どうなるかはわかりませんが)、匿名送金系のMonero,Dashなどです。
もしビットコインのマイクロペイメントが付加価値の低いアルトコインを淘汰して、より付加価値の高いアルトコインに開発リソースや注目が集まったりするのなら、それはエコシステム全体としてもいいことだと思います。アルトコインの大部分はあまり意味のないpump and dumpコインですからね…。
最後に
というわけでごちゃごちゃ少し長くなってしまい申し訳ないですが、とりあえずビットコインのマイクロペイメントチャンネルがだんだん現実化してきており、そうすると今まで当てはまっていた高い、遅いというビットコインへの批判は通用しなくなり、アルトコインの淘汰などが始まるのではないか、という自分の予想でした。
まあ3年後、5年後にどういうエコシステムが出来上がっているかはちょっと予想できない部分もありますが、ビットコイン(もしくはビットコインを利用したカウンターパーティなど)は遅くて使い物にならないというのは自分も今よく聞きますが、安易にその他のコインやプロジェクトに注力するのはそれはそれでリスクであるともいえるかもしれないですね。
あー、とりあえずビットコインやトークンの送金手数料最近異常に高くなってきてるから、完全に1ユーザーとして早く実現化して欲しい。
それでは。
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