ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

ビットコインはやっぱりダメなのか? ビットコイナー反省会 斉藤賢爾さんをお呼びして

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気づいたら超久しぶりの更新になってしまってました。最近確かにまともな記事書いた記憶ないなー笑まあでも今日を皮切りにネタ記事をいくつか投入しようとか考えているので、安心?してください。やっぱりまともな記事は増えない…

 

 

さて、タイトルの通り昨日は日本最大のビットコインポッドキャスト!(笑)ビットコイナー反省会に慶應義塾大学SFC研究所上席所員やブロックチェーンハブにも関わっている斉藤さんにお越しいただきました。

 

(昨日のビデオ)

www.youtube.com

 

 

斉藤さんはデジタル通貨などの専門家ですが、一貫してビットコインには否定的なスタンスを貫いている人でもあり、今回の放送はビットコインやその他のブロックチェーン技術の欠点や限界の指摘をたくさん含む非常に勉強になる回でもありました。

詳しくは上記のビデオを見てくれって感じですが、以下に自分が印象に残った話などをちょっとだけピックアップして記事としても紹介しておきます。

 

ビットコインの最大の課題は分散コンセンサスの部分

 

詳しくはビデオの斉藤さんへの質問コーナーの部分を見てほしいですが、ビットコインの最大の課題は技術のガバナンスの問題で、ビットコインのような構造ではそもそも完全な分散コンセンサスを形成するのは技術的に不可能だし、自律的なプロトコルの改善やアップデートが出来ない、もしくは時間がかかりすぎることと指摘しています。

 

これは現在のスケーラビリティの問題でもまさにビットコインが直面している問題ですね。

 

 

MUFGCOIN実はすごい?

MUFGCOINをディスってる人も関係者にはいましたが(自分じゃないですよ!笑)、東京三菱UFJがいかに先進的なことをやっているか、MUFGCOINがいかにすごいものになるかという話も出ていました。わかりましたか?関係者のみなさんMUFGCOINをディスるのはやめましょう。(自分じゃないですよ!)

 

Ethereum Classic派じゃない人いるの?プライベートチェーン意味ない?

特に細かい話はしないですが、節々でどっきりするような発言も飛び出しました。

Ethereumのハードフォークはあちゃーという発言があったり(斉藤さんの直接の発言ではないですが)、なんでもかんでもブロックチェーン扱うの意味ないよね、的な発言がさらっと出たり中々面白かったです。

 

今後は脱ブロックチェーンの動きが加速する?

PoW、PoSなど含めてブロックチェーンを利用した分散コンセンサス自体の欠陥を斉藤さんは指摘して、今後は「分権構造」など脱ブロックチェーンの動きが進んでいくのではないかという話も出ました。 現在ブロックチェーンハイプの頂点にいるとも言われますが、プライベートチェーンが思っているような効果が出せなかったり、分散コンセンサスの問題を解決するために脱ブロックチェーンへのシフトが始まるのではないか、などです。

 

ビットコインの将来は?

 

というわけで、ビットコイン、イーサリアム、プライベートチェーン含め結構ボロボロに言われている感じの回でしたが、ではやはりビットコインやイーサリアム含む第一世代のテクノロジーはいずれ崩壊し、新しい分権構造やブロックチェーンを利用しない分散プロトコルが採用されていく将来、というかもはやMUFGCOINが通貨市場を牛耳る世界になったりするでしょうか。

 

自分もこの後少し考えていたのですが、まずビットコインが失敗する可能性は当然ありますよね。そこはビットコイナー含めてリスクとしてきっちり頭に入れておくべきことだとは思います。

 

じゃあ同時にR3のCordaやその他の新しい技術を採用した非ブロックチェーンがデジタル通貨プロトコルとしてはより優れているので、完全にビットコインのようなものを置き換えるかというと必ずしもそうではないんじゃないかと考えていました。

 

通貨として、技術としてより優れたデザインをすることは絶対可能だと思いますし、今後もどんどん出てくるはずなのですが、昨日の話を聞いていて多分前提が違うなと思ったのは、法定通貨の位置づけや企業や金融機関への信頼の部分の考え方が根本的に違うんじゃないかということでした。

 

金融機関のブロックチェーンの実証実験の取り組みなどもそうですが、前提として法定通貨のシステムが今後も(ある程度以上)上手く機能し続けるという前提があったり、銀行が通貨を発行するとしても銀行を信頼するモデルの部分はより新しい技術を使っても変わらない気がします。少なくとも政府や銀行はその部分は手放したくないでしょうから、一生懸命戦うと思いますし。

 

昨日斉藤さんが言っていたCordaなどの分権構造の仕組みがどういうものか完全に理解しているわけではないので間違っている可能性もありますが、例えばCordaなどのプロトコルにネイティブの通貨が存在するわけではなく、分散的にデジタルJPYや企業コインの発行や流通が出来るという話で、結局通貨の発行主体とかが存在するIOUモデルに近いものなんじゃないか?という印象を受けました。

 

ビットコインの技術的欠陥などの指摘はごもっともの部分も多いと思いますが、自分とかがビットコインを使って改めて感動を覚えるのは、やはり既存の仕組みと全く別の次元でグローバルな新しいデジタルゴールド的な価値を生成、維持することが出来たことです。つまり、様々な理由で政府や企業に頼らないで既存の枠組みから抜けたい人たちに、新たな選択肢が生まれたということじゃないかなーと思います。例えばMUFGOINが最新の技術を使って今のペーパーマネーを置き換えてオンライン、オフラインで非常に便利な送金ネットワークを生み出して世界が便利になったとしても、自分にとってはそれは今の日銀券の仕組みとそこまで変わらないような気がしてしまうんですよね。これはでも実利の問題ではなくて、思想とかライフスタイル的な話になってきている気もしますが。(同時にビットコインのようなものがあれば今まで出来なかった新しいサービスなど実利益も生み出せるとも信じていますが)


通貨論的に、より優れた通貨を新しい技術で作ることは出来るのは事実だと思うんですが、自分個人としては必ずしもより優れた技術より、今までと違う構造、よりラディカルなものに惹かれますし、そもそも政府、中央銀行、金融機関、企業などをどれだけ信頼するか(したいか)、というところでビットコイナーかどうかのラインが引けるような気もします。



突き詰めると、もし別に中央銀行や法定通貨、もしくは銀行、企業などが発行する通貨的なものを使うのに別に何も問題を感じないし、今より便利になればいい(通貨としてより優れたものが欲しい)という考え方であれば別にビットコインより優れた技術はいくらでもあるし、別にビットコインのようなものを追求する必要もないのかな、と。逆に、例えば円のハイパーインフレや通貨危機が来る、とか既存の政府、銀行、企業に頼るモデルに根本的に問題を感じている人はビットコインのようなグローバルデジタルゴールド、分散コンセンサスにこだわるのは意味もあるのだと思います。

 

自分は別に金融機関に恨みがあるわけでもないですが(日曜の夜にATM使えないとか以外は笑)、まあビットコイン以前から後者のようなラディカルな考え方が好きだったのでやはり今後もビットコイン含めたブロックチェーンの仕組みを追っていきます。その点ではMUFGコイナーにはビットコインが失敗してもならないでしょうね笑

 

というわけでちょっと特に最後の部分ごちゃっとわかりづらい感じになりましたが、まだであれば一度ビデオを見ていただければ色々と気づきがあると思いますので是非。

それでは。

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