みなさんファミマ(ファミリーマート)には普段からお世話になってますか?ファミマファンの人も多いでしょう・・・。ちなみにしいて言うなら自分はローソン派です。どうでもいい笑
日本では知らない人も多いと思いますが、台湾ってコンビニが日本以上にめちゃくちゃ一般化しており、面積当たりのコンビニ数が日本を上回って世界一なんですよ。日本でもコンビニないと生活がつらいという人もいると思いますが、このコンビニ愛がある国民性、なんという親近感(笑)
その中でもセブンイレブンとファミマが台湾は人気で、都市部だと半径50メートル以内にコンビニが5個くらい、ファミマ2個あったりするんですよ。まじで(笑)
さて、ビットコイナーの中では台湾のファミマではビットコインが買える、使えるらしいという話を聞いたことがある人も多いと思うのですが、果たしてその真相は・・・???
台湾に行く前に、自分が台湾のビットコイン市場について聞いていた話は、「ファミマでビットコインを買えるらしい」「ビットコインは違法?らしい」という二つくらいでした。
法律について台湾のビットコイン市場に関するまとめ記事に書くとして、今回はファミマでビットコインを買えるという話の真相について、サービスを提供しているBitoEXという企業に直接話を聞くことが出来たので別記事として先に紹介します。最初はただのビットコインATM入れました~といった感じのマーケティング的な意味合いがほとんどだと思っていたのですが、詳しく話を聞くと中々面白い台湾のビットコイン事情が見えました。
BitoEXについて
BitoEXは台湾のビットコイン企業でも多分大きい方の企業ですが、ビットコインの販売所、ウェブウォレット、デビットカード、ペイメントプロセッサー、そしてもちろんこの記事のメイン、ファミリーマートでのビットコイン売買を取り扱っている企業です。
日本で言えばbitFlyerのようなポジションの会社でしょうか。取引所ももちろん他にも色んなサービスを提供している会社で、2014年からずっとビットコイン関連の事業をしているようです。ビットコインに関する総合プラットフォームを目指していると言えばまあ何となく聞き慣れたことでしょう。
では、本題のファミマでのビットコインについて説明します。
本当にファミマでビットコインを買える?使える?
実際ファミマでビットコインを買ったりするのはどんな感じかをBitoEXの人たちにみせてもらいました。
ファミマにあるこの見覚えのあるファミポート端末を見つけます。
どうやったか覚えてないけど、色々操作してきます笑
ファミマでビットコインを買うには、まずBitoEXでユーザー登録と電話番号認証などをすませる必要があります。今回は自分は事前に登録してなかったので、BitoEXのCEOのアカウントを使ってデモをしてもらいました。
自分の電話番号、買いたいビットコインの金額、セキュリティキーなどを入力すると上記レシートのようなものが発行されます。
それを持って、レジへGo。後は指定した金額とファミリーマートへの手数料(100円以下)を払うと、SMSで携帯に通知が来て、暗証番号をそこでいれることで、自分のBitoEXへのアカウントに購入した分のビットコインがチャージされることになります。ステップは多いですが、中々スムーズでした。
(おばさんにめっちゃみられてる(笑))
また、逆にビットコインでファミマで買い物することも可能で、BitoEXのアカウントからシリアル番号を入手し、ファミポートで入力することでこういうバーコード付きのレシートが発行されます。
色んなアイテムの中でBitcoinマークのBitoEXって確かに書いてありますね。
ファミマでBitoEXのCEO、Titan(タイタン)さんと記念撮影(笑)ちなみに持ってるのはビットコインで買ったお菓子とか。おごってもらいました・・・。
なぜファミマでビットコインなのか?
というわけで、実際にファミマでビットコインを買ったり、逆にビットコインで商品を買ったりしてみました。必ずしも簡単でも、すごいわかりやすいという感じではなかったですが、BitoEXのアカウントとの連携はスピーディでしたし、一度やればそこまで問題ないと思い待した。
さて、確かに台湾のファミマではビットコインを買ったり、ビットコインで商品を買えたりすることはわかりましたが、そもそもなんでわざわざファミマまで行ってビットコインを買ったりしなくちゃいけないのでしょうか?
日本でも基本的にはオンラインの取引所で、銀行口座やクレジットカードを使ってビットコインを買うのが一般的ですし、ビットコインATMを置いてあるお店などもありますが、手数料も高いし、使っている人も限定的だと思います。台湾のファミマのビットコイン販売も、単純にコンビニで買えるってだけのマーケティングとかPRなのでしょうか?
いえ、話を聞いてみると、実は結構合理的な作戦だということがわかりました。
一言で言えば、銀行口座やクレジットカードを持ってないけど、オンラインゲームのダウンロードをしたい台湾の若者たちがファミマでビットコイン購入をしているらしいです。
台湾だと大学生は基本的にクレジットカードを作ってもらうことが出来ないようで、みんな特に海外のオンラインゲームを買いたいけど、クレジットカードを持ってないので支払いが出来ない状況があるようです。そこでオンラインペイメントの手段としてビットコインを使うために、ファミマで現金でビットコインを買ってクレジットカードの代替のような形で使っているらしいのです。今まで需要があったけど、クレジットカードが上手く機能しない状況で支払い手段としてビットコインがきれいに機能しているというわけです。
日本だと大学生でも銀行口座でもクレジットカードでも基本的に持てるので同様の問題はないのですが、ファミマで現金でビットコインを買えるというのは、就職前で銀行口座やクレジットカードを持っていない台湾の大学生にとっては非常に重要ということです。
特にgreen man gamingというゲームダウンロードサイトが台湾でも人気のようで、実はこのサイト、今年の1月にCoindeskの記事でもビットコイン受入をすることでかなり大きな反響があったと報道されてました。実はその内の少なからずが台湾からのものだった可能性があります。
また、つい先日、同じく人気のオンラインゲームプラットフォーム「Steam」がビットコイン支払いを受け付けると正式に決まったようですが、どうやらオンラインゲームプレイヤーの間、特に金融インフラがあまり整っていない国のプレイヤーの間ででビットコインをゲームダウンロードの支払い手段として使うトレンドが着実に出来てきているようです。
このように特に若者の間の口コミでビットコインを使ったゲーム購入が台湾でも広がっているようで、BitoEXの全体のビットコイン取引額のうち現在40%程がファミマからで、しかもその割合はどんどん増えて行ってるようです。つまりただのPRどころか、ファミマでのビットコイン購入からの支払い手段としての使用に実需があって、サービス拡大のキーポイントになっているらしいのです。
しかも、BitoEXではファミマでのビットコイン購入には特にサービス使用料などを取っておらず、オンラインで買うのと同じ値段で現金でビットコインを購入出来るとのことで、オンラインよりむしろファミマでのユーザー数の拡大を狙っているとか。
今後のビットコインとファミマ戦略
ゲーム購入の支払い手段だけでなく、今後もBitoEXはファミマを一種の金融センターとして機能させ、24時間営業し続けるビットコインを利用した国際送金のハブとして使ったりすることを考えているようです。台湾の人たちは仕事で海外に出てる人も多いようなので、ここでもビットコインのクロスボーダー性が生きるのではないかと。
うーむ、まさか台湾のファミマがここまで便利になってくるとは、おそるべし。
ここで疑問なんですが、そもそもなんでファミマはビットコイン購入を取り扱うのをOKしたのか?日本のファミマでもそんなのやってないですし、ビットコイン購入におけるファミマに落ちる手数料は一回25TWD(およそ80円)、大した利益にもならなそうですが、どうやってBitoEXはファミマを説得したのか?
これは色々大人の技を使ったらしいですが(笑)、2014年の当初はやっぱり最初はめちゃくちゃ拒否られたそうです。ただし、知り合いの知名度の高い名士の人に説得に参加してもらったり、ともかく粘りまくったそうです。結果としてあの手この手で頑張ったらなんとかなったようですが、すごい根性ですね。
また背景には、台湾でコンビニ覇権を握るセブンに対する競争力をつけたいという、ファミマの思惑もあったそうです。どうやら台湾のセブンは独自の電子マネーシステムを持っているようで、ビットコインが結構成功しているのを受けて、今後はファミマもビットコインを使ったペイメントシステムを考えているとかなんとか。
台湾のコンビニ市場を巡るセブンとファミマの熾烈な抗争とそこに黒船のごとく現れるビットコイン・・・。これはコンビニファンの日本人ビットコイナーにはなんてロマンのある話でしょうか!なんか無駄にテンション高くなってきました笑
最後に
特にファミマでビットコインが使えるということに対して大きな意味の期待はしてなかったのですが、思ったより上手くビットコインを使って実需を拾ってきていて、非常に商売上手だと思いました。まとめ記事にも書きますが、台湾のビットコイン事業はみんなものすごく商売上手で、それぞれビットコインを使って現実の問題を解決したり、収益を上げていたり、非常にクレバーな業者が多かったです。
ビットコインの分散化とか自由主義的な思想とかに傾倒してしまうと忘れてしまうビットコイナーも特に海外で多いのですが、BitoEXのファミマでのビットコイン購入と若者のゲーム購入のように、ビットコインの浸透はこういうちょっとした今の不便を解消するところから始まるのかもしれません。Steamのビットコイン受付もそうですが、確実にゲーム業界でこういうトレンドが始まっていることを、思いがけず台湾で学んできました。
次回は台湾編最後のまとめ記事、日本との比較記事のようなものを書こうと思ってます。思ったより奥が深かった台湾ビットコイン市場は日本と比べると果たしてどうなのでしょうか?
それでは。
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