結局デビットカードがすぐに使えず、空港でFiatの偉大さに気づかされた話(笑)
台湾2日目。
意識高くビットコインだけでやってやるぜ!と言ったのもつかの間、なんと初日空港で非常用に残しておいた1枚の諭吉を台湾元に両替するという暴挙を犯してしまいました・・・。
恥ずかしい・・・、しかし、言い訳をさせてください!
ビットコインデビットカードの落とし穴?
今回の自分の作戦は、Mastercardが使える店ではWagecanのデビットカードで、現金は現地ビットコイナーにビットコインを売って現金を得るか、Mastercardが使えるATMでWagecanを使ってちょくちょく下ろすつもりでした。
ビットコインデビットカードはほぼ素人と言ってもいいのですが、まあ簡単に設定できるだろうと楽観的に予想し、直前までほぼ準備はしていませんでした。ただし、本人確認くらいは事前にすませておこうということで、台湾への出発直前にパスポートのコピーのアップロードなどは済まして、Wagecan側からも承認の通知メールをもらってました。
ちなみにWagecanの場合、パスポートのコピーのアップロード、現住所の確認が出来る銀行からの手紙などのコピーをアップロードしなくてはいけず、ちょっと面倒でした。
まあそれでも、本人確認が出来たので、これで完全に自分は準備完了だと勘違いし、WagecanのiOSアプリもインストールし、自分のアカウントのアドレスにビットコインをチャージ(4承認(40分ほど)で反映)し、よっしゃー、これで準備完了だ!と全く何も確認したり考えてませんでした(笑)
すでに取引所へのビットコイン入金やビットコインペイメントでこの即時性というか自動性に慣れている自分としては、ビットコイン送金がブロックチェーン上で反映された時点で全て終了だと思う癖(というか確認するのがめんどう)みたいのがついてたんだと思います。
で、その状態で意気揚々と飛行機に飛び乗り、成田から台北に到着。いつも通りの面倒な入国審査とかを済まして、ついに入国、よっしゃー、ATM探すぞー。
さあここからが勝負。ビットコインだけでやりきるべく、ATMを探す
— Koji Higashi (@Coin_and_Peace) April 13, 2016
この時はまだテンション高いです笑
で、ATMをさっそく見つけて、初めてWagecanデビットカードを挿入して、PINコード入れたりして、ワクワクしてATMの前で待っていました。その時は1万円分くらいのビットコインをチャージしていたので、とりあえず5000円くらい下ろそうと入力したのですが・・・。
な、なぜだ・・・。何度やっても同じ結果。おかしい。おかしいけど、ただATMやお店によってはデビットカードが上手く使えないところもあると聞いていたので、一度ATMは忘れてフードコートに移動。そこで牛肉麺??を買おうとしました。が、あえなくRejection。
もうこれはおかしいと思い、仕方なくWagecanのウェブサイトにPCからログインし、色々確認してみました。そしたら本人確認が終わった後に、自分でActivation申請しなくちゃいけず、自分はまだそれをやっていないことが判明。ちくしょうー、と思いつつ、申請し、間髪いれずに日本のミートアップで会ったWagecanのCEOに「頼むー、何とか早くActivateしてください」と泣きを入れました。そうすると30分以内くらいで申請が下りたようで、歓喜しました。これで、ようやくATMから現金を下ろして、空港から出れるぞ、と。
それで今度こそ行けるだろうと思ってATMに行ったら、結局また同じ現象が。
何でだ、と思いつつ、仕方なくまたWagecanのウェブサイトで色々調べていたら、どうやらビットコインのチャージの他に、手動でそのビットコインをWagecanの口座にFiatにロード(Load)する必要があることが判明。まあ確かにそういうような話も前に聞いていたし、特急アドレスみたいな感じで自動的にFiatへのロードまで済ましてくれればいいのにと思いつつ(というかそういう仕組みになっていると勘違いしていた)、仕方なく手動で100ドル分のビットコインをFiatへロードする申請をしました。そして、Wagecanから来た確認メールを見て、絶望しました・・・。
2 Business days!??
ビットコイナーの偉大な勘違い?
自分も含め暗号通貨で支払いをしたり、アドレス間での移動などに慣れている人たちには、もはやこの、営業日とか、承認が必要です、とかそういう仕組みはちょっと時代遅れに感じますし、逆に銀行などを使う時に2営業日かかります、とか週末や夜間にすぐに送金できないとなると、鼻息が荒くなります。(自分だけかも)
ビットコイン系のサービスでは基本的にそのような制限がないものが多く(支払いをしたり、チャージをしたり)、自分はビットコインデビットカードにも同様のスピード感というか自動執行感を期待してました。
ただし、ビットコインデビットカードも結局は既存の仕組みに乗っかった仕組みの延長であり、ユーザーが資金のチャージをする部分がビットコインで可能というだけです。その意味ではビットコイン、もしくはその他の暗号通貨がもっと一般的に使われるようになるまでの過渡期のサービスと言えます。
Wagecanの場合だと、ビットコインをドルやユーロなどに変換し、それをWagecanが用意している銀行口座に一度チャージするというプロセスが発生するわけです。そうするとそこに結局銀行サービスの制約がかかってきて、本人確認のマニュアルプロセスが発生したり、2営業日の時間などがかかってくるわけです。
その点では、ビットコインデビットカードには、自分が期待していた自分のお金を国境や金融機関に縛られずインターネット上でギュンギュン飛ばしてやりたいことをやる、ということはまだ出来ませんでした。
結局Fiatの誘惑に負ける
結局、Wagecanから2営業日という死の宣告が来てからも、もしかしたらすぐに処理してくれるんじゃないか!?と思い、空港の休憩所で働きながら3時間くらい粘ってました。自分の国がなくなっちゃって空港から出れなくなった男の話みたいな状況です。ビットコインが換金できなくて、空港から出れなくなった悲劇というか準備不足の男です笑
働きつつも、何とかやり過ごせないか台北に住んでいるはずの昔の友達にいきなり電話して、Yo、何やってんだよ、と連絡したら、なんと彼は台湾からイタリアに仕事で引っ越していたとのこと(笑)その線も消えました。結局粘りましたが、移動しないとまずい時間になってきてしまい、あえなく日本円の現金を台湾ドルに両替しました・・・。
この両替にかかった時間わずか1分以内!早い。何て便利なんだFiat。これが国家の信頼の力!?とか思いつつ、ビットコインでドヤるどころか結局Fiatの偉大さに安心させられてしまいました。この敗北感(笑)
新しいエコシステムを作ることの難しさ
最近自分はビットコインは、既存の金融機関とは完全に独立した独自のエコシステムを作れるところに意義がある、的な説明をすることがあります。それが既存の金融の延長や改善であることの多いFintechとの違いだと思います。
ただし、今の時点で完全に既存の仕組みに触れずにビットコインだけで生活をするのは、残念ながらそこまで簡単ではありません。ビットコインを受け入れている店舗がそこらじゅうにあるならいいですが、結局は取引所でビットコインを売買しても、対面取引をしても、ビットコインデビットカードを使ってもFiat(法定通貨)や銀行口座を通さなくてはいけない部分がどうしても発生し、そこでスピードやコストの制約やロスがどうしても発生する状態です。それなら両替のケースのように最初からどっぷり既存の仕組みを使った方がまだまだ楽な状況の方が多いでしょう。
ちょうど同じタイミングで、大石さんがブログで、「ビットコインで報酬をもらって、ビットコインのままで消費する」というモデルの重要性のようなことを記事にかいてました。私もこれには賛成ですし、自分も結構前に少額でいいのでビットコインをばらまいたり、マーケティングなどのリワードとして使う重要性について書いたこともあります。
ただし、このビットコインだけのエコシステム内で完結する、というのはまだまだ先の話だな、とも今回同時に思いました。ビットコインデビットカードが悪いわけではなく、これは過渡期のサービスとしては利便性を上げてくれますし、素晴らしいのですが、自分が期待したような摩擦のないサービスではありません。
暗号通貨になれちゃうと、すべて大体10分以内には終わるはずだと思ってしまうけど、やはり既存のものと組み合わせたりすると手動で確認しなくちゃいけないところだったり、銀行のスピードにあわせなくちゃいけない部分があったりしてやはりまだ摩擦は大きいな。
— Koji Higashi (@Coin_and_Peace) April 13, 2016
(この自己正当化を見よ!)
という感じで、何かいい感じに言い訳をまとめてみましたけど、そもそも事前に日本でデビットカード支払い出来るかの部分確認してから行けよ、っていう話なんですけどね笑本当マジ勘弁してください。
ちなみに今日はこの後Wagecanの社長たちと会って台湾のビットコイン事情などを色々聞いてきますので、ついでに完全に彼らに責任転嫁してくるかもしれません笑
それでは。
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