国内のビットコイン2.0事情(Counterparty編)
先日BTCNが日本国内のビットコイン取引額の合計シェアが1.7%に到達したという記事を出していました。
詳しくは記事を参考にして欲しいですが、要はものすごい勢いで国内のビットコインの取引量が増えているよ、という話です。
国内でもすでに5社以上の取引所が存在し、それぞれ機能も充実してきましたし、取引量もどんどん増えてきています。(少し古いデータになってしまいましたが、取引所比較はこちらの記事で書きました)
確かにこれは喜ばしいことですし、肌感覚でも興味のある個人、開発者、企業は国内でも確実に増えていますし、本気度も増してます。
いわゆるビットコイン1.0(通貨としてのビットコイン)系の取引所が充実していく一方、国内のビットコイン2.0はどうなのか?これに関連して、先日ビットコイナー大石さんとbitFlyerの加納さんがビットコイン2.0のことを中心に対談している記事が出てました。
この中で、「スマートコントラクト」「エニグマ」「文書、存在証明」「予測市場」などが注目するテーマとして紹介され、国内ではビットコイン2.0あんままだ盛り上がってないよね、的な内容も話されていました(と記憶してます)
確かにビットコイン2.0ってまだ国内では全然早いですし、事業としてやっているところもまだほとんどないですが、その中で実はトークン発行&スマートコントラクトプラットフォームのCounterpartyがかなり日本国内でも頑張っているって知ってましたか?
Blockscan(Counterparty transaction用のexplorerです)の運営をしている人に聞いたのですが、Blockscanのサイトへのアクセス数の内訳は
- アメリカ(19%)
- 中国(11%)
- ロシア(6%)
- 日本(5%)
となんと日本は全体のアクセスの5%で国別だと4位です。ロシアにもすぐに追いつけるくらいの位置に実はつけています。ビットコイン取引量が全体の1.7%で、仮にこれが世界の中の日本のシェアだとすると、この5%の水準はかなり高めだと思います。
なお、Counterpartyのエコシステムについては私がこちらの記事にまとめましたので、是非そちらもご確認ください。
国内でも人気のCounterpartyプロジェクト
Counterpartyはトークンを使ったクラウドファンディングのトークンとして使われることが今のところのユースケースとして多く、特にGetGemsとSpells of GenesisはCounterpartyを使ったプロジェクトとして日本でも大きな反響がありました。
Getgems Messenger
簡単に言えば、Telegramというチャットアプリに暗号通貨の送受信が出来る機能をつけたものです。去年末にクラウドセールを行い、日本国内からもたくさんの人が参加し、非公式なデータ(聞いた話)だと2~3割程度が日本からの出資で、ダウンロード数も日本からのものが同じく2~3割ほどだということです。(正しいデータ知っている人がいれば是非教えてください)
クラウドセールで売りに出したGemzというコインがCounterpartyで作られたコイン(トークン)でもあります。
Spells of Genesis
Spells of Genesisはブロックチェーン上でゲームアイテムの保有、トレードを可能にするモバイルゲームです。Counterpartyのトークンがそれぞれのゲームアイテムを表しており、ゲームアイテムはブロックチェーン上でのプレイヤーのデジタル資産であり、Counterpartyを利用したゲーム間で簡単に安全にブロックチェーン上でゲームアイテムの分散トレードも出来ます。
先日まで行われたトークンセール(クラウドセール)では、ゲーム内の共通通貨BitCrystalsが売りに出され、日本からの調達額、参加人数はそれぞれ20%程度だと見込まれています。
ゲームのβ版のリリースは10月ですが、やはりゲーム好きの日本人としてはこれは楽しみな人も多いと思いますし、一般浸透へのブレイクスルーになる可能性もあります。
(※自分はSoGにもかなり深く関わっています)
Counterpartyを利用した個人プロジェクト・実験
このブログでは去年の10月からブログ用にCounterpartyトークンを発行し(CNPCOIN)、それを利用して拡散協力してくれた方にCNPCOINをお渡ししたり、ブログへの寄付のお礼に対してCNPCOINをお渡ししています。(説明記事はこちらから)
手に入れたCNPCOIN保有者は私のぶっちゃけ話メルマガに登録できたり、上記Spells of GenesisとのコラボカードCNPCARDが買えたり、読者の人に色々な価値を提供して楽しんでもらい、またこのブログがもっとたくさんの人に読まれるようになった時に読者とのWin-Winの関係を築けないか、という実験をしています。
(CNPCARDのイラスト。めちゃくちゃかっこいいです。すでに150枚くらい売れてますよ!)
国内でCounterpartyを使って色々実験し始めたのは自分が最初だと思いますが、元々は自分と読者のCounterpartyへの理解を深めようという狙いも多分にありました。
幸運にもCounterpartyに他に興味を持ち、自分のコインを作って色々遊び始める人が出てきたり、また他のブロガーの方にも興味をもってもらい、ブログコインを使って色んな実験を始める人たちも出てきました。せっかくですので、以下に自分の知っている限りで国内でCounterpartyを使っているブログを紹介します。
しゅうまいの256倍ブログとSHUMAIコイン
ブロガーしゅうまいさんの人気ブログですが、イベントで会ったしゅうまいさんにブロガーの生態について話をお聞きし、ついでにCNPCOINとCounterpartyの説明をしたところ面白いということで、ブログ用にSHUMAIというCounterpartyのコインを作ってブログ上で実験を始めてくれました。
CNPCARD同様に、SHUMAICARDというSoGで使用可能なカードをSHUMAIを使用して購入することが出来たり、他にもコインを使って色々やれることを増やしていくようです。まだSHUMAIカード持ってない人は、上記のリンクから是非買って欲しいですが、基本的にしゅうまいさんにTwitterで話しかけるだけでSHUMAIもらえるようです。
他には、NOBUNAGA@RRCOINというブログでRRCOINというCounterpartyトークンを使い、Twitterでの拡散への報酬でRRCOINを配っているようです。このブログはお金に関する記事を書いているようですが、しばらく更新が止まっているようです。
もう一つは今コイン発行して色々実験している段階のようですがなけなしの50万円で起業するかというブログでもNPOINTというコインを作って寄付を募ったりするようです。このブログは起業や投資についてが中心のようですね。
上記の3つ以外にももしかしたらCounterpartyを使ったブログや個人プロジェクト、実験はあるかと思いますが、CNPCOINで一年程前にとりあえず始めたことがこうやってちょっとでも反応が出ており非常に嬉しいです。
Counterpartyの強みは?
独自コインを作れるプラットフォームとして、他にもColored Coin、Omni、もしくは別ブロックチェーンを使ったNXT, BitShares,そしてEthereumも存在しますが、Counterpartyを使う強みや理由はどこにあるのでしょうか?
それは一年前からほとんど変わりはないのですが、上記のプロジェクトの中でもCounterpartyが一番非技術者でも使えるインターフェースやサービスが充実していて、実績、安定性も一番あるということです。Counterwalletが使えない時間が出たり、いわゆるメインストリームのサービスと比べればまだまだ不安定ですが、それでも他のプロジェクトと比べると安定して、エコシステムも一番成熟度が高いです。(分散取引などについては後日別出しで記事を書きます)
例えば、一か月程前にリリースされたEthereumも機能的に色んなポテンシャルを秘めており、期待してもいいと思いますが、まだまだハードルが高いですし、エコシステムも貧弱で不安定です。どのプロジェクトも通らなくてはいけないプロセスですが、その点でCounterpartyは一歩先を行っています。
自分でやっているIndieSquareでも、Counterparty初のモバイルウォレットをリリースしたり、自分はCounterpartyコミュニティーにがっつり入ってるので多少のひいき目はあります。が、国内でもだんだんCounterpartyを使う人が増えてきて、理解度も上がってきているので、このままネットワーク効果が生まれてビットコインを使用したメタレイヤープロトコル(独自コインプロトコル)としてCounterpartyがこのまま突っ走る可能性も大いにあると思っています。ビットコインとネットワーク効果の理論もそうですが、この参加者数の増加とアクティブさというのはかなり大きな要素です。
ビットコインはやはりお金とか投資の匂いがするために敬遠されてしまう傾向もありますが、Counterpartyのように自分で作ったコイン、トークン、ポイントを使って説明した方が一般の人にはもしかしたら入りやすいかもしれないですし、ビットコイン以上に創意工夫のスペースが広く実験の場としてもCounterpartyはおすすめです。
それだけでなく、Nasdaqの非公開株取引なども基本的にはこの資産のトークン化とそのトレードというコンセプトであり、Counterpartyを使って理解することで金融業界などにブロックチェーン技術が与える影響というのをもっと正しく理解できるとも思います。
とりあえずブログコインにこだわりませんが、ビットコイン2.0を触れる機会としてCounterpartyを使って色々試す人が増え、日本から面白い使い方、応用が考案されたり、ビットコイン2.0全般への理解、関心が増えていけば素晴らしいです。少なくともCounterpartyにおいては、日本は遅れているとは言わせたくないですね。
それでは。
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このブログではトークンを使った実験として、寄付+トークンという切り口で実験をしています。この記事が役にたった場合は、カウンターお財布などのCounterparty対応のWalletからビットコインで寄付してください。詳細についてはこちらの記事からどうぞ。このブログの成功を読者と分け合うwin-winの関係を築けるか、という実験です。
また、寄付金額により、お返しのCNPCOINのレートは変わっていきます。最新のレートについてはこちらのスプレッドシートで確認できます。
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