ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

coincheck XEMハック事件の今のところの所感

さて、何が起きたかなどをこのブログで繰り返しで説明する必要はないと思いますが、昨日1月26日日本で最も多くのユーザーを抱えるとされていた仮想通貨取引所coincheckから、時価で500億円相当以上のXEMが盗まれるという非常に深刻な事件が起きました。

ちなみに昨日の深夜に行われた緊急会見の直前に、ビットコイナー反省会の方で自分の所感や感想も動画で公開していました。かなりテンション低いです。

 

www.youtube.com

 

他にもこの件は色々事件をまとめていたりするメディアやサイトはあるので、それは他の媒体に任せるとして、気になったポイントや所感について何点か準速報的に追記しておきます。

今回のハック事件とマルチシグの使用について

今回なぜか記者からの取材でも「マルチシグ」「マルチシグ」という単語が連発されて、正直これ聞いてる方も何聞いてるかわかってないでしょ、という印象を受けました。自分が2015年に書いたマルチシグに関する記事にも異様にアクセスが増えているので、おそらく今回の件で「マルチシグって何だよ」と思った人もかなりの数いたんでしょう。

 

ただ、今回の事件の主要な問題点はマルチシグではありません。

 

問題は数百億円規模のXEMを「ホットウォレット」に置いていたことです。

(ホットウォレットは利便性を重視して、インターネットにつながっている状態で秘密鍵が保管されているウォレット、その状態です。ハックリスクがオフライン環境のコールドウォレットより高くなると考えられます)


なので、マルチシグしてなかったからハックされた、というわけではないですし、マルチシグをしていれば安全、というわけでもないです。過去にマルチシグを使っていたのにハックされたBitfinexのケースもあります。(詳しくは大石さんのこちらのレポートを参考

 

会見での記者の質問や態度、メディアの仮想通貨取り扱い姿勢全般

昨日の緊急会見の時の記者の質問のレベルや態度は一言で言えば不快と感じるレベルでした。

 

今回ハック事件を起こしたcoincheckのセキュリティー体制についての批判はあって当然と思いますし、そこに関してどのような体制を敷いていたのか、なぜか、今後どういう対応していくのか、など見てる方としては事実関係の整理を期待してたのですが、なんだか大部分、「あなたはセキュリティーがしっかりしてたと思いますか」とか「顧客資産預かる意識が甘いんじゃないか」「代表がしゃべるべきじゃないか」とか何か精神論的なものをベースとしたどうでもいい質問の繰り返しと、なぜか記者が偉いのかよくわからないですが、高圧的な態度で偉そうにこき下ろす、的な状態になっていて、関係者としても、1視聴者としても非常に不快でした。

 

当然記者は出来る限り情報を引っ張り出したいというのもわかるのですが、技術的にもあまり的確な質問とも言えず、一時的に上の立場(相手が「空気」的に反論できない)であることを利用してなぜこの人たちは悦に入ってしまっているんだろう、という感じでした。

 

そもそもこの仮想通貨バブルというか、イケイケどんどんで利用者のリテラシーが追い付かない状態で儲かった人を特集して煽ったり、仮想通貨業界のエース(?)みたいな感じで直前までちやほやしてた人たちが、こういう事件があると手のひらを返してなぜかいきなり叩き始めるのも気持ち悪いです。

 

コインチェックの体制や取引所全般のセキュリティーに関する懸念や警鐘は界隈では以前から一部言われてましたし、まあ今回の事件とは直接は関係はないんですが、メディアの行き当たりばったりの報道はもう長いこと低レベルなままだと改めてがっかりさせられました。

 

コインチェックユーザーへの影響

まだこれはコインチェックの今後の決定次第なので、細かくはまだ考えてないですが、XEMを保有していない他のコインチェックユーザーの資金凍結、もしくは一部資産の没収みたいなことが起きる可能性もあります。そんなのふざけるんじゃない、という声も理解は出来ますが、規約や仮想通貨の法律的な扱いなどを考慮してもどうしようもない、というような状況でしょう。

 

また人によっては、去年支払った税金の分を考慮すると、儲かっていたはずが今回のハックの影響からトレード益がマイナスになってしまう人たちも出てきてしまう可能性もあるとは思います。ここらへんは仮想通貨の税金の制度の根本的な問題とも言え、今後これはこちらのブログやビットコイナー反省会の方でも識者を呼んだりして色々考察、提言していければと思っています。

 

などなど。

 

他にも今回の件は改めて色々考えさせられることも多いので、また色々頭の整理をしてブログや動画、もしくはビットコイン研究所の方で色々考察、今後の展望の予想をしてみようと思っています。

 

P.S. 年始にした大胆?予想が少しづつ的中し始めており、むしろ結構悲しいです。次は草コインフィーバーかな…

 

coinandpeace.hatenablog.com