ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

マレーシアの暗号通貨業界の第一印象

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数時間前に「エコビットマン」竹内さんと別れ、現在クアラルンプール空港で飛行機を待ちながら一部仕事をしてます。今のうちにまず速報的なマレーシアの暗号通貨業界の印象についてちょっと紹介します。

ちなみに今回の旅のハイライト(ローライト!?)としてエコビットファームに行ってきた感想やレポートは昨日の夜竹内さんと急遽忘れないうちに収録しました笑(また一つしょうもない歴史を作ってしまった…)

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マレーシアの暗号通貨界隈の印象

まだ正直仮説を検証したり裏をとったりしていない部分も結構あり、追加で今回会った人たちにオンラインで質問をしたり確認しようと思っていますが、マレーシアの暗号通貨の今の率直な印象は「実はかなりディープですごい」という感じです。


ひょんなことから(エ〇ビー…)マレーシアに行くことになったこともあり、正直大したコミュニティーもないだろう、とあまり期待をしていなかったのですが、現地のミートアップに参加したり、アーリーアダプターやコミュニティーのリーダーと話をして感じたのが、オンライン、オフライン共にマレーシアにはかなり濃く活発でディープなコミュニティーが存在する、ということです。正直言うと少し予想外で、いい意味で驚かされました。

 

この活発な技術や啓蒙コミュニティーが存在するというのは実際かなり個人的に重要視しており、そういうコミュニティーの存在が正しい理解を促したり、面白いサービスや画期的なプロトコルを育てたり、という側面があります。


マレーシアでは2010年くらいからビットコインの世界に参入していた「第一世代」的なマイナーの一部がまだコミュニティー内で活発に活動していること、日本でも使っている人も多いかなり骨太なサービスを開発している会社やチームが(隠れて)存在していること、熱心なミートアップや業界団体の主催者たち、マイナーや開発者のコミュニティや勉強会の存在、Telegramを中心とした活発なオンラインでの情報交換、など、投機やトレード需要だけではない一つの暗号通貨エコシステムが存在していました。

これは実は言うほど簡単なことではなく、例えば韓国では投機やトレードが異常に盛り上がっていますが、ローカルのコミュニティはまだかなり弱く、技術情報の交換や開発者の育成、多様なサービス開発の不足、など、投機需要を超えたコミュニティというのはあまり存在しない、というのが自分の正直な印象です(少なくとも自分がヒアリングをしたり、今理解している範囲内では)投機需要が先行している日本も若干ここら辺は通じる部分があるかもしれません。

 

マレーシア拠点のイケてるサービス

マレーシアにはあまり目立ったマーケティングとかはしていないけど、かなりイケてるサービスを静かに開発している人たちがいます。

 

その中でも一番有名なのはEtherscanでしょう。Ethereumを使ったことのある人なら最低でも一度は使ったことのあるはずの、最も使われているEthereumのBlockchain explorerです。

 

Ethereum BlockChain Explorer and Search

 

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自分もEtherscanのチームがマレーシアが拠点と知らなかったのですが、比較的小規模なチームが静かに真面目に開発しているそうです。ICOや派手なマーケティングをしているわけではないですが、Etherscanの便利さは折り紙つきでお世話になっている人もかなり多いでしょう。

(今回代表の人と話したかったのですが、残念ながらたまたま海外にいるということで会えませんでした。Ethereum前にCounterpartyのBlockscanというExplorerを作っていたこともあり、実は自分は前からちょこちょこやりとりしていました)

 

もう一つ個人的にも2014年から使っている、CoinGeckoという暗号通貨の市場規模比較、データプロバイダーもマレーシアのチームです。

CoinGecko: 360 Degree Overview of Cryptocurrencies Chart

 

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市場規模比較で言うと、一番有名なのはCoinmarketcap.comだと思いますが、CoinGeckoは開発コミュニティの動向やソーシャルメディア上でのインフルエンスの定量化などを提供しており、かなり便利です。(今回の件とは関係なく前から個人的にお勧めしていたサイトの一つです)


今回CoinGeckoの開発者とは会うことが出来ました。比較的初期からビットコインに関わっているメンバーでかなり熱かったというか、ひたすらにGoxされた話とかいわゆるビットコイナーが好きそうな話が出来る人たちで楽しかったです笑

 

他にもいくつかあまり有名ではないけど、数十億円集めてるけどスカスカのICOプロジェクトなどより実力があったり、すでに稼働しているサービスを運営している会社やチームが存在し、トレード需要だけではないところで世界で勝負できるレベルのサービスを持っているチームが今自分が認識しているだけでも複数あったのが印象的です。逆にトレード環境などはまだ規制の不透明性などもあり、あまり盛んではないようです。

 

暗号通貨スキャム大国、マレーシア?


今回の記事では詳しくは書きませんが、マレーシアは色んな国や人種が集まる人種のるつぼ的な場所でもあることもあってか、各国のスキャマーが集まるスキャム大国になってしまっている、という話も聞きました。

 

古典的なMLM、HYPE、コインの高額販売、そしてICOのスキャムがめちゃくちゃ多いようで、コミュニティの大きな悩みになっているようです。

 

まあ自分たちもエコビーチームと仲良く半日ファームを見学しに行ったりしたりもありましたが、スキャム関連ではちょっと面白い話も他にも色々あったので、後日ちゃんとしたレポート放送をコインストリートなどでする予定です。

 

 

というわけで、これが今のところの印象の話です。今回の滞在で予想外にかなり熱いコミュニティや良質なプロジェクトがあることに気付いたので、機会があれば是非また来たいと思いました。ご飯もおいしいです。ちなみにエコビーはもういらないです笑

他には人気のアルトコインやオンラインコミュニティの話、規制の話、ICOの話などより詳しい話は11月前半にライブ放送をしてそこでまとめて話せると思うので、是非そちらをお待ちください。

そしてマレーシアの前に、10月31日に「韓国の暗号通貨事情」放送もするので、是非そちらもライブで見てもらえれば。韓国とマレーシアはある意味対極の存在なような気が今してますが、韓国は韓国で色々興味深い事態になってるな、と。やはり現地の濃いメンバー(+あまり濃くない人たちも含め)と会うのは楽しいですね。

 

それでは。

 

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