韓国の暗号通貨事情 の概要紹介
昨晩コインストリート用に「韓国の暗号通貨事情」というライブ放送をしました。(ライブ放送はビットコイナー反省会の公開チャンネルの方でやっているので、誰でも無料で見れるようにしています)
暗号通貨界隈の海外の話に特に興味のある人は、動画で現場の雰囲気のようなものを感じるためにも是非コインストリートにも入って欲しいですが、出来るだけ公開できる情報は公開したいので自分のブログの方でも韓国での発見の概要を簡潔に紹介します。
主なポイントは以下の3つです。
- 韓国でトレードが盛り上がっている理由
- トレード以外の分野はどうなのか?
- 規制(トレード、ICO)について
韓国でトレードが盛り上がっている理由
まず韓国の暗号通貨業界で最も重要なポイントはトレード量です。
特にEthereum、XRP、Bitcoin Cashなどのアルトコインのトレードが非常に強く、本日のデータを確認すると韓国最大の取引所BitthumbだけでBitcoin Cashのトレード高の4割近くを占めていました。
17年に入っていきなり伸びた韓国の暗号通貨の取引高ですが、なぜここまでトレードが盛り上がり始めたのか。韓国の関係者に聞いたところ、諸説ありますがあまり特定の理由は韓国の人たちでも付けられないような様子でした。
ただし、重要な仮説の一つとして韓国の暗号通貨トレードの税金の安さが挙げられます。
日本は雑所得カウントで含み益の最大55%が課税され、トレーダーにとってかなりの負担になっていますが、韓国はトレードによる利益ではなく、基本的にはトレード行為自体に少しづつ課税するような仕組みで、その税率もかなり低く大抵の人はそこまで税金事態を考慮しないでトレードしているような状況らしいです。
正確には暗号通貨の税金に関してはまだはっきりしたことは決まっていないようですが、FXが上記のような仕組みのため暗号通貨トレードも同様の取り扱い/認識をしているようです。日本みたいに「確定申告ガ~」という悲鳴とかはないようです。
特定のアルトコインが人気の理由
トレード全般が盛り上がっていますが、なぜ特にEthereum,XRP,Bitcoin Cashが人気なのか。
これも特定の一つの理由はつけられない、という前提ですが、Ethereumの場合はEEA(Ethereum Enterprize Alliance)へのSamsumgの参加、XRPも同様に有名企業や銀行の参加など、(日本と同様)権威主義的なところがあり、有名企業の参加や明確なリーダーの存在が好感とされているのは大きいとのこと。
Bitcoin Cashなどもフォークの経緯などを理解している人はあまりおらず、Jihan Wuが以前韓国に来てBitcoin Cashに好意的なプレゼンを行ったことなども要因としてあるそうです(が、本当にこんなことでここまでの影響を与えられるのか?という話も昨日してましたが…)
全体としてやはり投機需要が先行なのは明らかで、それぞれのアルトコインに開発者や事業者などの強固なコミュニティーが存在するというわけでもないようです。
トレード以外の分野は盛り上がっているのか?
トレード以外の分野はではどうなのか?というと、ほとんど盛り上がっていません。
実際確かにトレード以外で韓国系のプロジェクトを自分は知らなかったですし、ウォレットやその他のサービス開発をしている人たちはあまりいないようです。(正確に言えば小規模なものでいるとは思いますが、ある程度以上の規模やレベルのもので、広く使われたりしているものはほぼない)
ビットコインペイメントもかなり苦戦しており、またプライベートブロックチェーン系の開発をしている人たちもいるようですが、大企業からの委託だったり表に出てこないものがほとんどのようです。
規制、ICOについて
韓国と日本の業界はトレードの盛り上がりなど似ている点も多いのですが、規制の有無とICOの取り扱いが今のところ大きな違いになっていると言えます。
暗号通貨、特に取引所をどのように規制するかは現在まさに色々協議、検討されているようですが、韓国は日本よりトップダウンで規制者が一方的に決めることが多い、という話でした。
ICOに関しても韓国では中国に追従するような形でいきなり禁止令が出たり、取引所などの事業者も受け身というかビビっているというか、政府の一声で事業が潰されたり、などのリスクは日本より高い印象です。
日本はどちらかといえばICOに関して少なくともまだ穏健、韓国は厳しい対応なので、この2つの似たマーケットのどちらの選択が正しかったのか将来的に面白い比較対象になるかもしれません。
というわけで上記のような話をより詳細に、またその他のこぼれ話や印象も含めてコインストリートの方で50分ほどの動画をアップしているので興味のある人は是非そちらもチェックしてみてください。次は同じようなフォーマットでマレーシアの業界事情の話を11月中盤くらいにする予定なので、そちらもお楽しみに!
(ちなみにこちらRarepepeでもデザインセンスを発揮していたOnigiriさんに作っていただきました。この裏道verが個人的にもかなり気に言ってます。おしゃれ…)