ビットコインが全てを制す? ビットコインマキシマリズムとは
現状ビットコインは暗号通貨の王様と言えます。
国内にもRippleに詳しい人、Monacoinしかやっていない人、その他のAltcoinを盛り上げようとしている人などもいますが、最終的にやはりビットコインは初の分散型暗号通貨(Crypto Currency)かつ、現状最も人気のある通貨で、暗号通貨について考える以上ビットコインは避けては通れません。
同時に、最終的にはビットコインだけが生き残ると思っている人、ビットコイン以外のAltcoinには興味も理解もない人、もしくはビットコイン以外のコインに対して批判的な人たちも存在し、そのような人たちをBitcoin Maximalist(ビットコインマキシマリスト)と呼ぶことがあります。
Bitcoin Maximalistの定義とは?
Bitcoin Maximalistの正確な定義というのは存在しません。この言葉自体もEthereumの創始者であるVitalikが去年末に使い始めたのがきっかけのようです。
ですので、具体的な定義は与えられませんが、彼らの特徴として
・基本的にビットコインの話しかしない
・すでに先行者利益があるビットコインのネットワーク効果は強く、今後もビットコインが常に№1だと考えている
・ビットコイン以外のAltcoinは(少なくとも長期的には)無価値だと考えている。むしろビットコインの邪魔にしかならないと思っている。
・ビットコインの価格上昇などを期待し、様々な啓蒙活動を行っている
・ビットコインのスケーラビリティーの構造的な批判などに対しては、一様に(根拠の有無に限らず)楽観的
といったような点をあげられると思います。誰か当てはまる人を思いつきますか?それとも自分自身が当てはまると感じたりしますか?
私個人としても当てはまる点はなくはないですし、私の周りにもいわゆるビットコインマキシマリストと言えるような人もいると思います。
Bitcoin Maximalistの主張は正しいのか?
さて、上記のビットコインが勝利者で、他のAltcoinには長期的な未来はないという主張は正しいのでしょうか?
結論から言うと、答えは誰にもわかりません。
将来的にどのコインが生き残るのか、ビットコインのネットワーク効果がどれだけ強いのか、それは5年後、10年後にならないとわからないと思います。最も高機能なコインが最終的に受け入れられるわけではないですし、既存ユーザーや今後大量に流入してくるであろう新規ユーザーがどのように適応していくかは私には全くわかりません。
ただし、盲目にビットコインの未来を信じるBitcoin Maximalist的な考えは危険だという批判は正しいと思います。
まず一つにビットコインのスケーラビリティーの問題には、具体的かつ明確な解決策は確かにまだ存在しませんし、電力消費が激しいと批判されるPoWも最善のコンセンサスメカニズムだとはいい切れないと思います。
(コンセンサスメカニズムについては斎藤さんの以下の資料も参考にしてみてください。PoWにもPoSにも批判的ですね)
また、ネットワーク効果にしてもまだビットコインの市場規模は現時点で5000億円以下。Apple, Facebookなどの企業価値の方がはるかに高く、このくらいの市場規模のものをひっくり返すのは実はそこまで難しくないとも言えます。
他にもビットコインもしくはビットコインマキシマリストを批判できる点はありますし(認証時間のスピード、手数料、マイニングの寡占化など)、確かにいわゆる投資目的だったり、自分がビットコインを大量に持っているから、という理由でのポジショントークでビットコインを推している人も存在すると思います。
ビットコインがダメということではない
じゃあビットコインはダメなのか、せっかくビットコインが好きで色々活動したりビジネスを考えたりしているのに、そんなことをするよりより完成度の高いAltcoinについて学んだ方がいいのか、という風に考える必要はありません。
Bitcoin Maximalistにはおおまかに二つのグループに分けられると思います。
一つは他の技術や試みをディスって、自分の投資の回収などの理由で盲目的にビットコインをよしとする人、もう一つは上記のような課題を理解しつつもビットコインの発展や進歩のために活動をしている人、です。
CounterpartyのChris DeRoseは自分がBitcoin Maximalistである(ビットコインが将来的にも生き残り、最大のコインであること)と自認しつつ、ビットコインはAltcoinの優秀な部分を将来的に取りこみ、よりよいものになっていくだろうと述べています。
現状ではちょっと考えづらいですが、将来的にビットコインがPoWのコンセンサスメカニズムからPoSもしくはそれ以外のコンセンサスメカニズムに移行している可能性もゼロではありません。
まとめると、別にビットコインが好きで色々活動をしたり、色んな人に教えたりすることは何も悪いことではないですし、私もその一人です。ただし、ビットコイン以外にも新しい技術やアイディアは日々出てきていますし、ビットコインに対する批判も正しく理解し、深く考える必要があるということです。そうでなければいわゆるビットコイナーとは名乗れないのかもしれません。
勉強すること多すぎて、ビットコイナーには休む暇はありませんねw
(私個人的にも最近どんどん勉強できる時間が減っている気がしてかなり焦っています・・・。)
それでは。