ゆく年くる年… 年始の暗号通貨業界予測答え合わせと2017年振り返り
もうすぐに2017年が終わります。今年は長かったような短かったような、まあ毎年同じようなことを言っている気がしますが、個人的には16年、15年などよりは長く感じたような気がします。今年は自分個人としても色々体制を整えたり、新しいことを始めたり、悪い年ではなかったかなーと思います。同時に暗号通貨業界全体で考えるとどうだったのか?というのを毎年恒例、年始の予想の答え合わせと一緒にやります。今年残りわずかをかみしめながら…w
上が今年年始にした予想記事です。ざっと答え合わせしていきます。というかさっと今見たんですが、全体的に大きく外してますね、今年は…苦笑
ビットコイン価格
年始の自分の年末ビットコイン価格予想は2,126ドル!現在12,856ドル!!!全くあってません!!!笑
てかこんなの絶対当てられないッ!というわけで年始はこれでもかなり強気の予想をしたと自分では思ってたんですが、ふたをあけてみると結局自分の予想のはるか上を行きましたね。アルトコインも同様です。ただ正直一年で上がりすぎだろと思うところも強く、来年は厳しいのでは?と思いつつ、それはまた年始に別に予想します。
業界内で盛り上がるトレンド
1.マイクロペイメント
マイクロペイメント、具体的にはライトニングなどが今年の後半には間に合って少しづつ使われ始めるのではないかという予想だったのですが、スケーラビリティ問題の長期化や分裂、フォーク問題などでこれは想定上に遅れてますね。またYoursなどはライトニングではなくBitcoin Cashに移行することも発表しており、そもそもBCHの存在なども含め予想外でした。まあSegWitが通り、2xHF危機がなんとか回避されたことで、ようやくセカンドレイヤーソリューションなどが動き始めたので、来年に期待しましょう。
2.MUFGCOIN
MUFGCOIN的なものがもっと注目されるのではないかと予想してたのですが、これは間違ってはなかったですが、同時に何か大きなインパクトを残したわけでも、実用が始まったわけでもないので、こちらの予想もいまいち当たってないですね。MUFGCOINにはもっと頑張ってもらわらないと…w
3.ICOプロジェクトの崩壊
全然ICO崩壊してないじゃないか!!!笑
年始の予想では今年前半はまだICOは盛り上がるが、中盤位から段々プロジェクトの崩壊や停滞が明らかになって失速するのではないか、というもの。
まあ、流れとしては必ずしも間違ってないところもありますが、ICOのここまでの盛り上がりとバズワード化は正直想像してなかったです。(むしろ今のような状態にならないことを祈ってたんですが…w)というわけでこれも外れですね。でも年始にここまでのICOのバズワード化予想していた人っていたのかな?
ただし、プロジェクトの崩壊や開発が進まない状況はようやく少しづつ認知されてきているようで、Tezosのごたごたがあったり、年末くらいにかけてようやくICO全体の少しづつの失速感を感じますね。まあよくあることなんですが、業界全体の学習スピードを買いかぶりすぎてたところもあるなーと。来年の予想の時は気をつけますw
その他の分野は盛り上がらない
まあこれはそこまで難しくなかったですが、今年なんだかんだ盛り上がるのは結局トレード関連の分野で、コンシューマー向けのサービスとかはまだ間に合わない、今年はちょっと早すぎるという部分はあっていました。やはり時間かかりますね。
イーサリアムの動向
イーサリアムの動向としても自分は今年は全体的に静かなものを予想していました。
もはや誰も覚えている人はいないような気がしますがw、イーサリアムは去年はThe DAO後のハードフォークのゴダゴダ、その後の一連のバグやハードフォークなどで結構苦しい状態がありました。ただ悪いニュースも出し切ったので、今年は静かに研究開発、ただまだまだ実際に使われるアプリケーションとかは出てこないのでは、という予想でした。
出てきましたね。ICO…苦笑
まあICOの部分を除けばそこまで予想はあながちずれてなかったと思うのですが、ICOのハイプがここまで盛り上がり、それの主戦場としてイーサリアムが使われた、ということで自分の予想は間違っていました。ただまあICOは本当に何か有用な、実用的なものを生み出しているのか、というのはご存知の通りかなり微妙、というか否定的なところも強く、これが来年イーサリアムにダメージを与えないことを祈りつつ、ただ今年はイーサリアムは想定以上の躍進の年だったのではないでしょうか。
アルトコイン(草コイン)たち
草コイン盛り上がってますね~(棒)
まあこれはビットコインの状態次第では草が盛り上がる可能性はある、と予想していましたが、ただ今の状況やバブル相場みたいなのはちょっと予想とは違いましたね。来年も結局草の焼き畑農業が続くのかな~、なんだかな~。
国内の業界の動向
これはまああってましたね。
規制の影響などもあり、今年は取引所中心のエコ士システムになり、世界的にも日本がトレードをリードしている状況です。これはあってた。◎。
というわけで全体的に自己採点するとしたら、ちょうど50点くらいですね…
まあ今年はビットコインのフォーク問題次第のところが大きい、というのはわかってましたけど、ICOの爆発などは全く想定を超えてくるところもありましたし、今年のような仮想通貨バブル市場も想定してなかったです。というわけで、来年はもう少しまともな予測が出来るようにがんばります…w
今年振り返り反省会放送
昨日耐久反省会収録をして、真面目な1年の振り返り、ダークサイド&ぼやき部屋放送(今年の毒は今年に吐き切ろう…)、またマイクハーン大賞など、3つの動画をビットコイナー反省会の方で公開しているので是非そちらも見てください。
ではみなさん、よいお年を。2017年もおしまいですが、自分は静かにこれから今年を振り返りながら来年について計画を立てたりします。今年も色々ありがとうございました。また来年。
12月30日(明日!笑) ビットコイナー反省会年末耐久特別放送スケジュール発表
ヤヴァイ。もう明日30日、明後日は31日で2017年も終わりです。
「年末放送お楽しみに~!」とか言いながら昨日くらいまで何も考えてないことがばれ、気づいたら明日になってしまいました。というわけで明日の企画をひねり出し、今日これから準備します苦笑。年末忙しい、リアルが充実してやばいという人もいるかとは思いますが、30日の夜は反省会チャンネルで一緒にビットコイン、暗号通貨、ブロックチェーンの2017年を一緒に振り返りましょう…。
12月30日年末耐久放送スケジュール予定
18:00 ~ 19:00(予定) イスラエルの暗号通貨事情前編 with 平野さん
こちらはコインストリート用の収録ですが、ライブ放送はビットコイナー反省会チャンネル内で無料公開されます。(その後アーカイブ動画はコインストリートのみで限定公開)
先日自分も実際に現地で訪れたイスラエルではどんな人たちがかかわっていて、どんな衝撃的な業界が存在するのか。イスラエルは今まで行ってきた国の中でも特にインパクトが強い濃いコミュニティが存在しており、学ぶことも多かったので是非見てください!
19:30~ 20:30 2017年の暗号通貨業界を振り返る
こちらの放送では、割と真面目に2017年に業界内でどんなことが起きたか、どんな重要事件があって、今年をどう解釈すべきか、などについて比較的真面目にまとめ、考察していきます。
スケーラビリティ問題とフォーク危機、仮想通貨バブル、ICO狂乱、など色々ありましたけど、結構もう忘れていることも多いですね…。過去の反省会放送などを振り返りつつ、今年は一体どんな年だったのか、来年以降を予測する上でも重要なので真面目に考えましょう。
21:00~ 22:00 今年のぼやき部屋、ビットコイナーダークサイド連結特別放送
真面目にイスラエルや今年の振り返りをした後は、今年の毒を完全に吐いていきます笑
いやー、今年も本当にくそみたいな年だった!!!(怒)
このころまでには結構体力を消耗している可能性もあり、かつ年納めということで、ぼやき部屋とダークサイドをまとめてフリートークで色々ディスって行きます笑マジで覚悟しろ
なお、今年に関する毒を吐きたい人、ダークサイドなエピソードを持っている人たちはこちらのGoogle フォームからバンバン投稿お待ちしておりますw。本番一部紹介します。
22:30~適当 今年の大賞!決定
そして放送する方も見る方も体力がもう残されてない状態に行った時点で、最後に今年の大賞!企画をします。
- クリプト川柳大賞
先日Bitpressさんとのコラボで審査員になっていると言っていたクリプト川柳、自分が気に入った作品をいくつか紹介し、ライブ放送中に自分審査の大賞を吟味、発表します!(優勝者は純金もらえるそうです) - 「今日のクリプトパンチライン」大賞
Twitterで知る人ぞ知る、 #今日のクリプトパンチライン ハッシュタグ。色々問題発言も多いこのハッシュタグをTwitter見ていきながら、今年一番強烈に刺さったクリプトパンチラインを審査します。 - Scam ICO of the Year
今年を大きく盛り上げてくれたICO。そしてスキャムICO as Entertainment。今年の記憶に残るScam ICO of the Yearを選出!勝ったプロジェクトの公式アカウントに無理やりエコビットトークンを送ります!!!笑 - 今年のマイクハーン/今年のダイモン
今年は「今月のマイクハーン」から華麗に「今月のダイモン」に名称変更がされましたが、「今月のマイクハーン」の追悼祭として過去のBest of マイクハーンを選び殿堂入り事件を選定します。また、「今年のダイモン」大賞も審査!
というわけで、まさに自分もリスナーも耐久!!というか絶対途中でだれまくり気がしますが(笑)、上記のスケジュールでゆるゆる行こうと思います。全部見る人はおそらくいない気がしますが、イスラエル放送以外は全て反省会チャンネルで後日視聴出来るので、年末年始ゆっくり見てもらえば。
飛び入りゲストも募集!
今回Zakiyamaさんはスケジュール的に参加できるか微妙っぽいので、飛び入りで参加できるゲストが入れば途中で飛び入り参加的なのもウェルカムです(基本的に自分が直接知っている人オンリーにしますが)参加してみたい、という人がいればTwitterでDMかメッセージしてください。Zoomを使ってライブ参加できるようにします。
また、先日タイムバンクを使って飛び入り参加できる企画を考えてます、という話をしていましたが、ちょっと年末は企画でパンパンなので、こちらは年始に「今年の意気込み」的な感じで別枠で放送しようと思います。ちょっと予定変更申し訳ないですが、よろしくお願いします!
プロダクトのないICOプロジェクトは本当に問題なのか再考してみる
気づいてなかったのですが、ポインさんのブログで日本でICOをやったプロジェクト「Alis」に関する記事が先日書かれており、自分のツイートも引用されていました。
ツイートが引用されること自体は別に問題ではないですが、一部文脈が抜け落ちていて自分が特に意図してなかったことに捉えられるかもと思ったので、一部補足と、プロダクトのないICOについてこちらのブログで改めて考察してみます。(ICOに関する記事は久しぶりな気がしますね)
ICOプロジェクトが過大評価され、プロダクトをリリースできない理由
自分が考えるICOの構造的な問題点とプロダクト開発の不在の理由については、数か月以上前にBTCNに寄稿したこちらの記事で比較的上手くまとめられたのではないかと思います。
記事としてはもう古くなってきてますが、ICOの問題点の指摘としてはまだ成立していますし、未だにプロダクトが存在していないICOが大部分なのは変わらないでしょう。今年の夏~秋、ICOのハイプが最高潮に達していた時との違いは、投資家や市場が現在の開発の遅れや投資としてのICOの魅力の低さに少しづつ気づき始め、調達が失敗するプロジェクトも増えてきていることでしょうか。
プロダクト不在のコミュニティ作り?
本題に入ります。今回の記事で自分のこちらのツイートが引用され、これが現在まだプロダクトが存在しない日本のAlisというプロジェクトへの批判のような形で紹介されていました。
そういえば昨日話してた人と、(ICOに関して)活発なコミュニティがあるかどうかは重要だ、みたいな話をしたけど、いや、まともなプロダクトなかったらコミュニティ云々とかどうでもいいだろって結論に5秒でなった。そうなんだよね笑
— Koji Higashi (@Coin_and_Peace) December 24, 2017
まず若干の訂正ですが、上記のツイートは元々Alisを意識して言ったものではありません苦笑。ただし、Alisに当てはまることも多いと思うので少し追加で説明します。
これは実はイスラエルに先日いた時に、ICOのプロモーションなどを行っている会社の関係者と話をしていた時に出たトピックです。もっと言えば、むしろ「コミュニティがあるかどうかは結構重要だ」という趣旨の自分の発言に対して、PR会社の人がむしろそれを一部否定して、「コミュニティなんかより、重要なのはプロダクトがあるかどうかだ」という発言をしたものです。
これは自分はすごく興味深い発言だと思います。なぜならICOのPR会社はICOを宣伝したり、いわゆるコミュニティを創出したり運営したりすることのプロで、その人たちが「コミュニティ作りなんていうのは過大評価されている(そんなことは簡単だ)。本来全てプロダクトありきの話だ」、と言ってるわけですから。
もう少し具体的にAlisについて言うとしたら(正直自分はAlisについて細かく最新状況を追っているわけではないので、印象ベースになりますが)、別にプロダクトない状態で、ファンやコミュニティを作ろうとしていることを全て否定するわけではありません。
Alisの公式Twitterアカウントが後日コメントしているように、
では、プロダクトができるまで他のことはしないのか?というと、そうではありません。MVPで早期に反応を得ることでプロダクトローンチ後に受け入れられないという将来のリスクを最小化でき、中長期的には「ゴミを作らない」ことで開発スピードも上がります。https://t.co/Q548APOo8V
— ALIS (@ALIS_media) December 25, 2017
当然企業として優先順位をつけつつも、他の業務は続行しなくてはいけないわけで、開発担当以外の人達もそれぞれ別の業務を分業するべきですし、そんなのは当たり前です。(まあ、開発にもっと人員を割け、などの批判は出来るかもしれないですが)
最近も、取引所が何かしらのアナウンスやキャンペーンなどを打つたびに、公式アカウントに対して、「早くサーバーを増強してください」「落ちなくなってからそんなことしろ」とか言う絡みをよく見るのですが、正直ちょっとかわいそうだな、と思うところもあります苦笑
企業としても当然色々同時並行で進めなくちゃいけないわけで、全て一気に解決できるわけでも、全ての人の不満を解消できるわけではないですからね。
プロダクトが存在しないICOの本当の問題とは?
では、プロダクトがなくても、プロダクトを鋭意開発しつつ、コミュニティも同時並行で盛り上げていけば何も問題ないじゃないか、と言っているかというと、実は全然そんなことはありません。
個人的に問題だと思っているのは、プロダクトがないのにトークンがすでに取引所で上場されていて、コミュニティを盛り上げるという名目でトークン価格を煽ってインサイダートレードが出来てしまったり、ある時点まで期待値だけ上げ続けることが出来てしまうことです。ある意味でこれがICOプラクティスの一番のガンだとも言えるかもしれません。
プロダクトが存在しないのにトークンがトレード出来てしまう場合、市場ではある種の「空気」とか「プロダクトへの期待値」みたいなよくわからないモヤモヤしたものが先にトレードされているわけです。
この状態で何が起きえるかというと、まともなプロダクトやユーザーベースが出来る前に、マーケティングやパートナーシップのアナウンスなどが連発され、プロダクトリリースを待たずしてコイン価格が数十倍などに跳ね上がることです。Factom、Augur、MobileGoなど、意図的かどうかは別としてこういうケースは本当に多いです。
別にコインの価格が上がるのは問題ではないような気もしますが、ICOの場合はインサイダートレードの規制やプリセールの参加者の売り抜け防止などの対応がないため、公式による価格操作、煽り行動が簡単にできてしまうのがまずいです。
Alisのケースにも当てはまりますが、そういうことではなく本当に完全な善意や戦略としてコミュニティ作りをしているということなのかもしれませんが、公式による煽りなのか、本当によかれと思って先にコミュニティを作っているのかの違いは外から見てる限りはわかりません。(まあ疑いすぎだろ、とか言われそうですがw)
つまり、プロダクトがまだないのにコミュニティを作ること自体は問題ではないですが、トークンがすでに取引所に上場されトレードされていることで、市場操作、モラルハザードが起きてもおかしくない状態を批判しています。
ICOトークンはプロダクトが存在するまで取引所上場させるべきではない
一言で言えば上記の通りです。
これは別にAlisに限ったことではないですが、自分はプロダクトや実ユースが存在しないICOトークンを取引所に上場すること自体をやめるべきだと個人的にしばらく主張しています。
もちろん、先行上場にはユーザーにとってもメリットもありますし、出来るだけ早くトレードしたいという需要も理解できます。また取引所としても一早くコインを上場させることで競合との差別化が図れたり、メリットも少なくないでしょう。
ただしプロダクトの存在しないトークンのトレードこそ、インサイダートレード、不平等な一部投資家のリスクなしの売り抜け、公式からの煽り、「コミュニティ」の拝金主義化など色んな問題の大きな原因になっていると思います。
逆にトークンがトレード出来ないのなら、トークンの価格変動などに気を取られる必要なくプロダクト開発に集中しつつ、プロダクトリリースに備えつつ良質なユーザーコミュニティーを作ろう、というのはむしろ健全だと思います。
最後に
というわけで久しぶりにICOの話をした気がしますが、イスラエルは本当にICOプロジェクト、またこれからICO実施を予定しているところも多く、自分も改めてICOの是非について考えさせられるところはありました。
特に自分はICO大嫌いのように思われてるかもしれませんが(笑)、プロダクトが存在するICO、不必要な金額を要求しないICO、ユーザーへのリスクをきちんと説明しているICOについては特にそこまで批判は実はしてません。
今回の話のように、プロダクトない状態の投機市場の存在などはいまだに問題だと思いますが、ICOに関しても業界、投資家ともに少しづつ冷静さを取り戻してきている空気もあり、それは良いことだと思いますし、ICOのベストプラクティスが今後完成していけばいいなーと遠目から思います。
そして、なんか今回名指しで一部批判しましたが、Alisもまともなプロダクトを出来るだけ早く出して、スキャムとか言ってたやつどこだ、とドヤってくれることを淡く期待しておきます。自分は別にスキャムとは言ってないけどね笑(あ、ちなみにICO前に昔さらっと読んだAlisのホワイトペーパーは、お世辞にもレベルが高いとは言えなかったと思ったのは白状しておきます)
【宣伝】
上記のようなICOの問題点、取引所とICOトークンの関係性、また韓国やイスラエルなど海外の暗号通貨界隈の事情などはコインストリートで動画で色々議論しています。今回の記事のような話が面白いと思ったら、是非こちらもチェックしてみてください。結構色々えぐってますw