ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

イーサリアムICOバブルの形成と崩壊シナリオ

 

ここ1、2か月で大きな変化が暗号通貨業界で起こっています。

 

ビットコインのスケール問題はすでに耳にタコが出来るくらい聞いている読者も多いと思いますが、イーサリアムの躍進、特にEther価格の急騰とビットコインへ迫る勢いのEtherの市場規模は今最もホットなトピックでしょう。

 

btcnews.jp

 

すでにFlippening Watchというサイトまで用意され、ビットコインとイーサリアムの市場規模、トランザクション数などを比較して、イーサリアムがビットコインを抜かすのをカウントダウンしている人たちもいるような状況になっています。

 

なぜここまでEtherの価格は急騰しているのか、今のトレンドは持続可能なものなのか、この後どのような展開になることが予想されるか、などの疑問について今回は考えてみます。


結論から言えば、ICOの熱狂が続く限りEtherの価格は上がり続けるが、同時にそれは自分たちで深い落とし穴を掘り続けているようなものであり、このままでは結局その他のプラットフォームなども巻き込んだ大きな崩壊は避けられないだろうというのが自分の予想です。

 

イーサリアムの躍進とEther価格高騰の理由


コインの価格変動に正確な理由をつけるのは難しく、結局大部分は投機的な動きに支配されていると言えばそれまでだと思いますが、考えられる最近のEtherの高騰の直接の理由をいくつかあげます。

EEA(Enterprise Ethereum Alliance)

EEAは簡単に言えばイーサリアムの技術の一部を応用した企業連合体です。本来はEEAは根本的にはパブリックチェーンとしてのイーサリアムとは別物ですが、ToyotaやSamsung、世界的に有名な投資銀行などの名だたる企業がEEAに参加することにより、イーサリアムへの安心感、期待を抱いている投資家も少なからずいると思います。

 

メディアなどでの露出

EEAのニュースなども含め、イーサリアムをカバーする一般メディアなども増えてきています。また、イーサリアムの創設者であるVitalikがロシアのプーチン大統領と会談したというニュースが出てきたり、国連でイーサリアムを利用したプロジェクトに取り組んでいるなど、国家レベルでイーサリアムに注目する動きも出てきており、メディアでの露出増は間違いなくEther価格の上昇の大きな要因の一つでしょう。他にも有名VCでイーサリアムを積極的にエンドースする人たちも出てきています。

 

イーサリアムを利用したICOプロジェクト続出

そして最後に本日のメインのトピック、ICO(Initial Coin Offerings)がEtherの価格上昇を後押ししているという説です。

 

すでにご存じの人も多いと思いますが、ここ半年から数か月ほどでイーサリアム上でERC20という規格を利用したトークンを発行し、それを一般投資家(ユーザー)に事前販売するICOというスキームが異常なほどの熱狂を見せています。

ここ二か月内のものだけでも、ちょうど昨日ICOをしたBancorが数時間で150億円以上、Basic Attention Token(BAT)が30秒で(!)36億円以上、MobileGoが50億円以上の資金を調達しています。繰り返しますが、上記は今年の4月から6月までに間だけのごく一部です。ものすごいことになっています。こちらでICO予定のプロジェクトのリストが見れますが、ほぼ毎日何かしらのセールがあるような状態になっています。

上記のようなイーサリアムを利用したICOの投資手段としてEtherが使用されており、ICOへの投資需要が増すほど、Etherへの買い需要が高まり、かつ投資されたEtherはICOプロジェクトにロックアップされることで市場での供給量が減り、さらにEtherの価格が上昇するというサイクルが回る結果、Etherの市場価格を押し上げているというのも大きな要因の一つでしょう。

 

それぞれの要因の貢献度に具体的な数字を当てるのは難しいですが、現在のEtherの価格高騰にICOへの投資需要が果たしている役割は過小評価出来ないと思います。

 

ICOはEthereumのキラーアプリなのか? 

ではなぜここまでイーサリアムを利用したICOが盛り上がっているのでしょうか?

直接の理由として、ERC20トークンの定着化などの要因が挙げられ、特にここ半年ほどでイーサリアムを利用してICOをするプロジェクトが急増しており、ICOこそがイーサリアムのキラーアプリであるという論調も見られます。


ICOにEthereumを使うメリットとして、

  • トークンの自動スワップ

    イーサリアム上で生成できるERC20トークンには、指定のアドレスにEtherを送ることで自動的にトークンを送り返してくれる機能が備わっています。これは実際かなり便利な機能で、これのおかげでICOの実施の障壁がかなり低くなりました。

  • ガスリミットや期間の指定などスマートコントラクトによる条件設定

    他にもイーサリアムを使うことで、ガスリミット(送金手数料)による送金条件の自動設定、ブロック○○までの期間限定のセールや変換率の変更と自動化などオンチェーンで条件を細かく設定できるのも便利です。

  • ERC20トークンを利用した外部ツールなどの存在

    ERC20トークンを利用した分散取引所、その他のツールなども増えており、特に開発力のないICOプロジェクトでもそれらのツールに「タダ乗り」することが出来、開発工数を減らしたり、パートナーシップなどを通したプロモーションをしたりできます。
  • 「スマートコントラクト」への単純なハイプ

    後はこれはもう非常に短絡的な話ですが、「スマートコントラクトによる分散アプリ(Dapps)」というコンセプトに対するハイプのようなものもあり、仮に全く同じ機能や設計をビットコイン及びその他のブロックチェーンんでやるよりイーサリアムで「スマートコントラクト」を使うと言うだけで、より多くの金額が集まる、という面も正直に言うとあります。

 

上記のようなことを考えると、確かにICOのスキームとスマートコントラクトは非常に相性がよく、ICOをするプロジェクトがスマートコントラクトプラットフォームの代表格であるイーサリアムを選ぶのも納得できます。

これは前から言っていることですが、スマートコントラクトの今のところの実用的使い方は結局はオンチェーン上でのスワッピング、もしくはギャンブルなであり、トークンの生成とコードにより決められた条件に基づいたオンチェーン上でのトークンの分配や集金手段としての利用は上手くはまっています。

では、ICOに対する注目や需要が高まり、スマートコントラクトの効果的な応用方法として認識されることで、今後もイーサリアムはこのスピードを持続して成長していくのでしょうか?

 

自分はむしろ全く逆で、現在のICO相場は完全に自分の墓穴を掘っているような状況で、いずれはイーサリアム、およびその他のプラットフォームを巻き込んで壮大な崩壊劇になるのではないかと考えています。

 

現在のイーサリアムの成長(Etherの高騰)は持続可能なのか?

ICOの盛り上がりなどもあり大きく高騰しているEther価格ですが、これが全く持続可能ではない理由を以下に挙げます。


1.ICOプロジェクトの大半はスキャム(詐欺的)ほぼ全て将来的に失敗する。

まずイーサリアム上のICOプロジェクトが多額の資金調達を成功させ、調達金額は日に日に増えているような現状ですが、現在ICOをやっているプロジェクトの大半は実現可能性が低かったり、期待ばかり煽っていたり、スキャム(詐欺)と呼んでも差し支えないようなものがほとんどです。これに関しては自分だけでなく、その他の業界内部の人間だったり、イーサリアムコミュニティー内の開発者ですら同意するでしょう。


 一つ一つ個別に細かくデューデリジェンス出来ないとしても、冷静に考えて、まだ何も機能的なプロダクトすら出していないようなプロジェクトに、見た目がきれいなウェブサイトとそれっぽいことと夢が詰まっているホワイトペーパー(何かテストの裏に夢を書いて紙飛行機にして飛ばすなんて曲もありましたね…)を書くだけで、簡単に数億円以上の資金が調達できる現状はどう考えても異常です。


当然ほぼ価値のないものに対して数億、数十億円の評価がついているような状況は中長期的に見れば持続不可能で、最終的には多くのプロジェクトの崩壊によるトークン価格及びEther価格の急落、プロジェクト開発陣による資金の持ち逃げ/使い込み、もしくはThe DAOの時のようなコントラクトのバグをついたハック騒動のリスクも日に日に増していると言えます。

ICOはイーサリアムの応用方法としては相性がいいと言いましたが、これは同時にスキャマーにとっても都合の良い仕組みが出来上がっているともいえます。

(なお、なぜ現状のような状況になってしまっているのか、ICOの構造的欠陥についてはこの次以降の記事で別に説明します)
 

2.盛り上がるICO。追いつかないインフラ開発。


そしてICOへの熱が加速する一方、イーサリアム自体のインフラ開発のスピードとの乖離などの観点から、現状に大きな懸念を示している人はイーサリアム開発者の中でもいます。

特にイーサリアムの開発の中心メンバーの一人で、現在Casper PoSとShardingについて研究を進めているVlad ZamfirさんがBitcoin Uncensoredのインタビューで語っている内容は興味深いです。要点を抜粋すると、

  1. 現在のICO熱狂は率直に言って行き過ぎ。今のICOの状況はイーサリアムにとってシステマチックリスクになる可能性がある。
  2. 現在のイーサリアムトランザクションの多くはERC20トークン(ICOコイン)のトランザクション。イーサリアムの現状の主な用途はERC20トークンのマルチシグ管理など。
  3. 仮にコミュニティーが現状のインフラ開発の進捗具合などを正しく理解すれば、Etherの価格は間違いなく落ちる(加熱しないように個人的に注意喚起はしているが、あまり効果はないようだ)
  4. まだ公開が出来ていないものも含めPoS、Shardingも研究は進んでいるが、完成にはまだ数年程の時間が必要
  5. Vlad自身はEtherの高騰は行き過ぎだと感じ、すでに個人的に保有しているEtherは少し前に売却済み(結局そこからEther価格はさらに数倍以上に跳ね上がっているが…)
  6. バブルはインフラ開発への資金流入などポジティブな面もある

 

などとコメントしています。

(英語ですが、中々面白いインタビューなので英語大丈夫な人は直接視聴をお勧めします。なお、Bitcoin UncencoredのホストのChris DeRoseは悪名高いいわゆるBitcoin Maximalistなのでそこらへんはある程度バイアスとして認識しておいた方がよいでしょう)


他にも、ICOへの送金の過剰需要で、大規模なICOがあるたびにイーサリアムネットワーク全体に遅延がでたり、Myetherwalletのノードが落ちたりなどの副作用などもすでに起きており、ICO投資への需要や送金数の増加に対してインフラがまだ追いついていない状況が顕在化し始めています。 また、利用者数が増えたり、参加プロジェクトが増えている一方、イーサリアムのスケーリングの問題はビットコインより難易度が高いとも言われています。


今後の予想

 

上記のような状態を考慮し、最後にいくつか未来予想をします。

なお、自分は一か月前にイーサリアムの市場規模がビットコインに肉薄するような状況も予測できなかったですし、予想は外れて当然のところもありますが、後で自分はそう思っていました、と後出しで言うのもあれなので、自分の想定、予測を今のうちに公開しておきます。


1.Etherの市場規模はビットコインを抜く

イーサリアムにとってビットコインの市場規模を抜くというのが現在の大きな目標マイルストーンになっているのは間違いないです。このままICOバブルが継続し、メディアでの注目、著名人からのプッシュなどがあれば少なくとも一回はイーサリアムの市場規模がビットコインを抜くタイミングは出てくると思います。8月1日のBIP148などビットコイン自体の不透明な未来なども考慮すれば早ければ今月中にそれが起きてもおかしくはないです。

 

2.ICOバブルは今年中くらいは続く

いつこのICOバブルが崩壊するかはわからないですが、今の様子を見ているともう少し今の状況が続くでしょう。個人的な見立てだとThe DAO的な大きな事件が近く起きない限り、今年中は継続するのではないでしょうか。ただし、時期は正確に予測できなくとも現状を長く持続させることは出来ないことは確信しており、「もし」の話ではなく「いつ」の話です。


3.ICOバブルが頂点に達した後に急速な価格下落が始まる


最終的にはプロジェクトのスキャンダル、崩壊などが続出し、急速にICOトークンの価格の下落、それに伴うEtherへの投機需要の消失、ICOプロジェクトによる集まったEtherの現金化など、Ether自体の価格下落が始まると思います。

 

少しずつ事件が起き、雪崩のように最終的にグワーッと来るかもしれないですし、先日ビットコイン研究所の大石さんが解説してたのですが、早ければBankorのようなプロジェクトがThe DAO2.0のような事件を巻き起こし、突然の事件がきっかけで崩壊が始まるかもしれません。(Bankorについてはまだ自分は精査出来てないのでわからないですが

 

ビットコインの2013年の価格上昇は今から振り返れば一時的なバブル相場で、ご存知の通りそこからビットコイン価格は大きく下落し、2年ほどの調整期を経験することになりました。現状のイーサリアムはビットコインの2013年の状況に似ているとも言えますが、当時のビットコインにはビットコインをホールドするという以外あまり投機的な要素はありませんでした。もしこのEtherの大相場が(スキャム)ICOへの投機需要(ほぼギャンブル)により膨張し続けており、アルトコインバブルで浮いた資金がイーサリアムのICOにこれからさらに流れ込んでいくとしたら、このICOバブルの規模、そしてその後の急落の規模は2013年のビットコインの比にならないと思います。ICOバブルに熱狂して資金が集まれば集まるほど、自分たちの墓穴を掘っているような感じです。

4.訴訟、規制要求などが高まり暗号通貨業界全体に波及する


イーサリアム上のICOプロジェクトが崩壊していくことで、少なくとも一時的なトークンやEther価格の下落は避けられないと思いますが、これが原因でICO禁止などの措置がでたり暗号通貨業界全体にネガティブな影響が出るのではないかと懸念しています。すでにSECがICOの摘発を始めるのではないかというまことしやかな噂も流れ始めていますが、残念ながらイーサリアム以外の暗号通貨やプロジェクトも含め、自分はあまりいい結末は想像出来ません。


最後に

当然ICOの熱狂やEther価格の乱高下と、テクノロジーとしてのイーサリアムは別に考えるべきで、この熱狂が冷めて一度大きな価格の調整が入ってもイーサリアムが終わるわけでもないですし、バブルが人と金を集め、それがインフラ開発を進めていくという側面もあると思います。実際この1年ほどでイーサリアム上のプロジェクトの数は圧倒的に増えましたし、ツールも増え、ちゃんとしたプロジェクトを作ってくための土台が出来上がってきているのも事実です。自分の予想とは逆にビットコインの状況次第ではこのままイーサリアムがさらに継続して勢いを増していくシナリオも想定は出来ます。


それは理解しつつも、現状のICOの騒乱とそれを許容しているかのようなコミュニティーの空気感、それに便乗をして理解度の低い投資家から搾取しているようなプロジェクト・開発者(著名人なども含む)、ただの集金プラットフォーム化しているようなイーサリアムの状況には懸念を感じざるを得ません。そしてその影響が結局他のプロジェクトなどにも波及するリスクがあるのも自分個人としても心配しています。偉そうに批判しているというか、自分たちにも結局悪影響が跳ね返ってくるのならディスらざるを得ないですね。


中には面白いアイディアやコンセプトを本気で実現しようとしているICOプロジェクトもあり、そういうプロジェクトは引き続き個人的にも研究したり紹介したりしたいと思いますが、数で言えばスキャムが圧倒的なのは理解した上で行動した方がいいでしょう。

The DAOの熱狂と崩壊からちょうど1年ほど。結局歴史は繰り返すということですかね。何か色々複雑な心境です。

 

※書いた後に気づきましたが、こちらのWhalepandaさんが少し前に書いたEthereumに関する記事とかなり内容が重なる部分がありました。微妙に見方が違う点もありますが、中々面白いまとめなので興味のある人は是非こちらの記事も読んでみてください。

Decred, Tezosから考える暗号通貨のガバナンス問題

 

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最近はBIP148(UASF)など、ビットコインのガバナンス問題が議論されていますが、アルトコインの中には特にこの「ガバナンス」の問題をプロトコルレベルで解決しようと試みているプロジェクトがあり、その中でも特にDecredとTezosについて調査し、それぞれのモデルをビットコインとイーサリアムのガバナンスやプロトコル変更のモデルと比較する記事をビットコイン研究所の方で書きました。

 

ガバナンスの問題は今まさにビットコインが直面している大きな壁ですし、ビットコインなどとは違った発想でこの問題に取り組んでいるプロジェクトということで、中々興味深かったです。以下に内容の一部だけですが、紹介すると…、

 

  1. DecredのPoWとPoSのハイブリットモデル

    Decredは元々Proof of Activityという論文を基に設計されている部分が多いのですが、トランザクションの承認とブロック生成はPoWマイナーにやらせ、最終的なブロックの可否の判断、門番的な位置づけでPoSでコイン保有者が見張っているというハイブリッド式になっています。この仕組みが今後流行るかどうかは知らないですが、PoS単独ではNothing at stake問題などある中、一つの代替案になるのかもしれません。


  2. プロジェクトの資金調達方法とガバナンス

    ビットコインは基本的にはボランティアのオープン開発中心なんですが、それでもコア開発に資金を提供しているBlockstreamに支配されている、などの利益相反などを批判されることがよくあります。

    一方、最近はDev taxとか言って、マイニング報酬の10%などを開発者や初期の投資家分として徴収するというモデルが結構多い気がするのですが(Zcashなど含む)、これはこれで問題も多いなと思っていて、特にTezosの場合は開発者への報酬がちょっと多すぎなんじゃないかと感じました。

  3. コイン保有者がなんでも決められるブロックチェーンは本当に理想なのか?

    DecredとTezos共通の理念として、最終的にプロトコルの変更を決めるのはコインの保有者であるべきだ、という思想に基づいており、現在ビットコインが抱えているような問題はそれぞれ解決出来ているとしていますが、ユーザー投票に基づくガバナンスも結局は開発者への集権体制に収束したり、開発者による長期的、科学的なロードマップを策定できなかったり問題も少なからずありそうです。一方ビットコインは「停滞」しているとも言われますが、外部からの圧力や攻撃に対して耐性のある「不変性」を設計通り発揮しているという見方も出来、そこまで簡単に優劣をつけれるものでもないとは思います。

以上のような感じでより詳細にそれぞれを比較しているので、興味のある方は是非ビットコイン研究所の方もご検討ください。(おまけでTezosのICOへの個人的な印象・感想もちょこっとだけ載せてます)

BIP148(UASF)の概要とリスク

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昨日ビットコイナー反省会の特別収録として、8月1日にアクティベートされる可能性のあるBIP148について大石さんをゲストに迎え、BIP148の概要と仕組み、考えられるシナリオ、リスクなどについて公開議論しました。

 

BIP148、もしくはUASF(User Activated Soft Fork)にはコミュニティの中でも賛否両論あり、海外のコミュニティではこの話で今持ちきりなのですが、日本語での情報はまだ限られているということで、簡単な背景の説明も含め、かなり突っ込んで議論出来たと思います。

www.youtube.com

 

BIP148は成功すれば、速やかに一つのチェーンに収束し、SegWitの導入、Asicboostの排除など、Antpoolのチート問題、手数料問題の改善、マリアビリティの修正によるセカンドレイヤーソリューションの前進など、ビットコインにとって大きなターニングポイントになるのは間違いないですが、同時にネットワークの分断の常態化による混乱とユーザビリティーのさらなる低下、ハードフォークやPoWアルゴリズム変更によるネットワークの完全な分裂などのリスクもあり、一般ユーザーやビットコインホルダーにも直接影響する、非常に重要かつ深刻な問題です。

 

議論の内容としてはこの記事で紹介するより、是非動画を直接見て、賛成するか反対するか、ユーザーとしてどのような対策をとるべきか各自考えて欲しいです。(関連する記事のリンクなども動画詳細に貼っています)

 

8月1日まで間違いなく二転三転状況が変化していくと思うので、より詳細な解説が聞きたい人、直接質問したい人などはビットコイン研究所への参加も是非検討してください。こちらでは実際かなり詳しくカバーしてます。