ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

ピンチはチャンス ビットコインフォークの危機を好意的に捉えると

このブログの読者の方なら、現在ビットコインが置かれている状況、スケーラビリティと開発の主導権などを巡ってCore派とBU派がやりあって、ビットコインが分裂の危機にさらされている「ビットコイン内戦」はすでにある程度把握してと思います。(一般の人にとってはビットコインすら何?って話なのに、分裂?Unlimited?とか言われても謎だと思いますが笑)

一応ですが、ハードフォークの危機の背景などはこちらの記事と、大石さんが書いたフォーク時のQ&Aの記事も参考にしてください。

 

さて、自分は先日書いた記事でも言った通り、この件についてかなり消耗してましたし、もう必要十分考えたかな、と思ったので、最近はもはや現実逃避してアルトコイン調べて使ってみたり、Pepeのトレードとかを活発にしてました笑

しかし実は、消耗してた状態からここ数日はむしろ開き直りというか、ビットコイナー的に言うとポップコーン状態に入ってきており、むしろ今回のハードフォークの危機や、実際にハードフォークが行われてチェーンが分岐しても悪いことばかりじゃないんじゃないかと思い始めています。

 

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もう疲れてきている人もいるかもしれないですが、ピンチはチャンスということで何点か今回のフォークに関する楽観的な見方を紹介します。

(※ちなみにある程度はニュートラルな視点から書きますが、自分は基本的にBU反対派で、BUへのフォークはマイナーへのさらなる集権、開発体制、コード的にもリスクが高く危ないと思っています。CoreはCoreで問題はあるんですけど、そういう意味ではCore派です)

 

1.ビットコインの外部からの攻撃、検閲耐性を証明するチャンス


今回の問題の原因をかなり単純化すると、ビットコインを巡る政治抗争が大きいです。簡単に言えば中国のマイナー vs コア開発者 みたいな形になってます。ある意味ではBitcoin Unlimited(とかサトシの意思どうのとかいうナンセンス)とかスケールの話というのは言い訳だと自分は思っていて、要は中国のマイナーはCoreが気に入らず、Coreは中国のマイナーに妥協の姿勢を見せないことで、もう修復不能なレベルで真っ二つに割れているわけです。

 

この件で興味深いのは、中国のマイナーは「ハッシュパワーを持っている俺たちが正義だ、俺たちがルールを決められるところを見せてやる」、くらいの勢いの強硬姿勢なのですが、もしこれが本当だとしたらBitcoin Unlimitedじゃなくても他のいかなるビットコインへの変更も中国の巨大マイニングプールが結託すれば出来てしまうということになります。例えばマイナーへの報酬を勝手に引き上げたり、巨大プールにとって有利なルールに変更したり、などです。(BUがそもそもそういう変更、というかマイナーからの攻撃、という見方をする人もいますが)

これはしかし前から懸念されていたことで、「ビットコインは中国のマイナーに支配されている」という批判ですね。

以前からこういう指摘があった時は、「マイナーが結託してもビットコインの市場価格が暴落して、彼らにはそういうことをする経済的インセンティブがない」「マイナーが結託してもコミュニティーが認めない限り、使い物にならない(取引所やペイメントプロセッサーなども扱わない)コインを掘ることになる」というような説明をすることが多かったです。また、開発者とマイナーが完全に結託している方がむしろ危険な状態で、両者間である程度の緊張感と距離があることで、それぞれにとっての抑止力になるという主張もできます。


今回の一件は、この主張の妥当性を試す試金石になるとも言えます。

少なくとも中国の外のコミュニティ内ではCoreを支持する声の方が多数派で、CoreとBUのコインに分裂した場合、(BU側からの攻撃などの可能性を無視すると(後述))おそらくBUのコインの価格は今のビットコイン(BTC)の水準を大きく下回ると思います。実際にBitfinexですでにフォーク時のCoreコイン(BCC)とBUコイン(BCU)のトレードが事前に出来るようになっており、現時点でBCCの価格が710USD、BCUの価格が374USDで取引されています。判断材料の一つでしかないですが、今の時点では市場はBCCを支持していると数値としても確認できます(Bitfinexは相変わらず攻めますね笑)

 

また、ご存知の通り、取引所の一部は今回の騒動に対して適切な技術的対応をBU側に求める声明を出しており、逆にマイナーがそれを無視するならBUコインが取引所でトレードできなくなり、BUコインの市場価格にさらに下落プレッシャーを与えることになるかもしれません。

 

上記のように、仮に中国のマイナーが結託して、ビットコインの分散的な特性や、ビジネスやユーザーを無視した変更をプロトコルに加えたとしても、市場がコインの価格でそれを罰し、マイナーが結局損をすることで市場に従わざるを得なくなり、経済合理性の観点からマイナーによる支配が機能しない、というシナリオが実際に証明される可能性があります。

 

もしこれが出来れば、「ビットコインは中国に支配されている」というシンプルな主張は難しくなりますし、実際にはマイナー、開発者、関連ビジネス(取引所など)、ユーザー間の利害が複雑に絡み合い、上手くバランスが取れているという主張の信ぴょう性が上がります。

 

逆に今回の件で、(あくまでBUを攻撃とみなした場合ですが) BU側がネットワークの大部分、もしくは全部を牛耳れるなら仮に短期的にBUコインの価格が上がったところで、ビットコインの外部からの攻撃耐性の低さというか脆弱性が露呈され、政府や巨大企業からの攻撃などが将来的にあった場合、もしくは巨大マイニングプールが結託するだけで、将来的にビットコインを簡単に破壊できると証明されてしまうのかもしれません。その時点でビットコインという実験は失敗でしょう。(他にも暗号通貨はあるので、アイディアは引き継がれますが)

 

2.ビットコイン開発の障害の排除

 

今回CoreとBUで2つに分裂し、それぞれ別々の道を歩むとなった場合、結果として両者にとってポジティブな結末になる可能性も小さいですがあると思います。


Core側はデジタルゴールドとして分散化、検閲耐性を追及した石のように動かないセトルメントレイヤーとしてのビットコインを完成させていき、SegWit、Lightning、Sidechainなどの技術を発展させ、オンチェーントランザクションの最適化、オフチェーンでの少額送金などを通してスケールを目指していくことになります。

 

一方、BU側は、柔軟なブロックサイズ変更によるオンチェーンでのスケーリングを目指し、少額の決済もオンチェーンでさばき、Coreとは別の観点からユーザーの支持を獲得し、別のnicheでグローバルな支払い手段として発展していくかもしれません。

なので、今の状態だと両者が歩み寄り姿勢も見えず、膠着状態になってしまっているので、この際すっぱり決別し、別々の道を歩むというのも悪い展開ではないのかもしれません。もちろんフォークにより両社共に復活不能なくらいのダメージを受けてしまう可能性もありますが、案外丸く収まる可能性も同時にあるということですね。

 

3.マイニングの中央集権化の解消

 

上記2つのシナリオは基本的にハッシュパワーの過半数を持つことになると想定されるBU側がCore側をハッシュパワーでゴリゴリ攻撃、邪魔をしたりしないことが前提になりますが、もしBU側が本気でCoreを潰しにかかったとしたら、Core側はPoWのマイニングアルゴリズムを変更する可能性もあり、すでにリサーチが一部始まっているようです。

 

実際に新しいPoW方式を採用するというのはビットコインにとって大きすぎるくらいの変更なので、現実的にこれが起こるのか、起こるべきかというのは議論の余地が大いにありますが、実際にこの展開になりCore側がBU側に攻撃され、例えばマイニングの中央集権化がより起こりづらい新しいPoW方式に切り替えた場合、長い目で見るとマイニングの課題の一つを解決したというような見方ができるかもしれません。

 

4.ビットコインを安く買うチャンスが到来

 

Core vs BUの騒動にも関わらず、ビットコイン価格は現在1000~1100ドルくらいのレンジで比較的高い水準を維持しています。

しかし、CoreとBUに分裂して、2つのバージョンのビットコインが生まれたとしたら、今から想像するだけで変な笑みが出てしまうような、両陣営によるめちゃくちゃな価格のPumpとDump戦争が始まると思います。

 

すでにBUのチアリーダー的になってるRoger VerもCoreコインを売って、BUコインを買うという宣言を口頭でしており、実際にそれぞれのコインの価格がどのように推移するかは正確には予想できないですが、一時的にCoreコインの価格が200ドル以下とかそういう水準まで暴落する可能性は大いにあります。


もしCoreコインが長期的に勝つと想定したら、これは(正統な)ビットコインを安いFiat価格で大量に購入できる最終最大のチャンスになるかと思います。度々ビットコインのアーリーアダプターのビットコイン偏重問題が指摘されますが、2013年以降に入ってきたビットコイナーたちにとって最大のチャンス、仕込み時が生まれるかもしれません。まあその分リスクもめちゃくちゃ高いのですが。

 


5.天国と地獄 勝者と敗者が生まれる戦国時代

 

そして、CoreコインとBUコインの価格がどうなるかもわかりませんが、同時にそれらの動きがどのようにアルトコインの価格にも影響を及ぼすのか、ギャンブラー的な人も多いビットコイナーにとっては、想像するだけで何とも言えないドキドキ、ワクワク感をすでに覚えている人もいるでしょう。実際この予測不能な状況はある人には天国、他の人には地獄を生み出して、富豪誕生とロスカットの涙があふれまくりそうです…。

トレーダー、ギャンブラーにとっては、ビットコインからアルトコインへの流入出、一種の祭り状態がフォーク後しばらく続きそうですね。ちなみにビットコインが実際にフォークしたら自分ももうこれやけくそで参戦しますよ笑ついに暗号通貨トレーダーとして本気を出す時が来ましたかね…。(損する予感しかない

 

6.アルトコインにとっての絶好のチャンス

中には正直ビットコインとかどうでもよくて、アルトコインに期待してます、という人もいると思います。ビットコインの分裂や混乱はアルトコイナーにとってはチャンスでしかなく、ビットコインが分裂、衰退した場合、別のアルトコインが暗号通貨の王様の位置をリプレースする可能性もあります。そこまでいかなくても相対的にアルトコインの市場規模や重要性が向上し、アルトコイナーにとってはビットコインの混乱は都合がいいという見方も出来ますね。 

 

 

というわけで上記のように今回のビットコインのフォーク騒動は必ずしも悪いことばかりではないと思います。

 

もちろん、ビットコイナー視点としてはフォークしないで何とか冷静で技術的メリットに基づいた議論から現実的な解決策を模索して欲しいですが、もうそのような歩み寄りの可能性は残念ながら低くなってしまっている状態です。なので、ここまで来た時点で、自分はポップコーンを大量に食べながら様子を見つつ、このピンチをむしろチャンスと好意的に捉えて色々臨機応変に対応してけばいいかな、と思っています。最悪のシチュエーションも懸念されますが、自分は基本的にはまあ最後は何とかなると思ってるポジティブ思考ですからね。合コンはトラストレスですが。

それでは。

 

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まだBitcoin Unlimitedで消耗してるの?

えー、すいません。一番消耗しているのは自分です笑

消耗し過ぎてブログ自体の更新も止まってたくらいなんですが、それはもう消耗してますよ。

 

このビットコインのスケーラビリティ問題(とその背景)、今回のBitcoin Unlimitedなどについてあまり詳しくない人もいると思いますが、無料で読める記事はこちらの記事などがお勧めで、より詳しく知りたい方は「ビットコイン研究所」の方で関連する詳細レポートが複数出ているので、そちらも確認してみてください。普段そこまでこちらのブログでサロンの宣伝はしませんが、このBitcoin Unlimitedの件は有料サロンの方でもうこれでもか、というくらいに解説、考察してるのでそちら見てもらえればいいです。というかそのせいもあり結構この件で消耗してるんですが笑

 

さて、SegwitやBitcoin Unlimitedの解説や、自分の考えはこの記事では述べませんし、十分もう考えたし、記事にもしたりしたし、もう正直お腹一杯です。

 

ユーザー視点で考えても、ビットコインやトークンの送信料が異様に高い、もしくは承認に時間がかかりすぎるなどあらゆる面で負の影響を及ぼしていますが、ビットコインを扱っているビジネスやプロジェクトにとってむしろより大きな不安やストレスを与えているのも間違いないです。

 
ビットコインが実際にフォークしたら取引所などは両方のコイン(ETHとETCのような形で)対応する必要があるのか、どちらのコインをメイン(本物?)として扱うか、送金手数料などはどうなるのか、プロジェクトにビットコイン以外を使うべきか、そもそもビットコイン自体の将来性は大丈夫なのか、など色んな不安があり、決断を強いられるような展開に今後なるのかもしれません。実際その他の事業者と直接この件で詳しく話したことはないですが、結構疲れていると思いますし、最悪のケースを想定してそれぞれ動いていると思います。

 

この問題の展開次第ではビットコインからアルトコインに本気でビジネスや開発者の興味が移るかもしれませんし、もしかしたら業界全体に復活不能なレベルのダメージが与えられるかもしれません。何が最悪の展開かはまだわからないのですが、これからビットコイン業界にとってよろしくないことが近く起こる可能性も大いにあります。

 

とはいえ、この後実際にビットコインがフォークするかどうかはまだわからないですし、どうなっても正直最後はなるようになると思っている部分もあります。「何があってもしぶとく生き残る」のがビットコインだと思ってますし、仮にビットコインが失敗したとしてもビットコインが示した可能性というのはその他のプロジェクトに引き継がれるだけだと思うので、その点では個人的には何も心配はしてません。

 

ふたを開けてみると雨降って地固まるというか、1年後くらいにはそんなこともあったね、って話になっているかもしれませんしね。実はまだ1年も経ってないのに、みんなすでに記憶のかなたに飛んでしまっているThe DAOとイーサリアムのハードフォークみたいなものです。(自分は忘れてないですがw)

というわけで、自分はこの件は一度あえて忘れ(どうせ他のところで考えなくちゃいけなくなるし)、個人的には最近あまり出来てなかったビットコイン以外のプロジェクトのリサーチや、面白いアイディア、技術の発掘などをしたいな~と思ってます。いや、本当に東京で消耗して高知に引っ越してドヤるのもどうかと思いますが、たまには息抜きも必要なのは確かですね笑

 

というわけで、何かこんなプロジェクトあるよ~、とかこんなのが面白いよ、っていうのがあれば是非コメント、Twitterなどで教えてください。積極的に調べてみようと思っています。ちなみに個人的に最近面白いなーって思ったプロジェクトはほとんどないので、(合コンの時同様)ちょっと甘めに見て行こうかなーとか思ってます。このブログでも引き続き出来るだけ趣味的に紹介してこうと思いますので、是非是非今後もよろしくお願いします。

 

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Newspicksの「ブロックチェーン」識者の言うことがどうしても理解できないので助けてください

いやー、何か最近通称「ブロックチェイナー」というか、「なんちゃってブロックチェーン識者」的なものが何か見過ごせなくなってきてるんですよね…。他の人が言うことに偉そうにネチネチ文句つけるのは興味ないというか、結構スルー気味だったんですが、記事を書く方もNewspicksなどでコメントしたりする側も含めて妄想をベースに書かれた記事に、みんながさらなる妄想と夢と希望を散りばめていく、と言ったブロックチェーンファンタジーワールドのようなものが出来上がっていて非常に気持ちが悪いです。

wisdom.nec.com

 

 

特に昨日公開されていたこちらの記事がある種色んな夢や希望と勘違いを凝縮していた気がするというか、Newspicksなどでもかなりのコメントがつけられていて、「わかりやすい」とか「やはりブロックチェーンがビルドするフューチャーはディスラプティブでかつてインターネットに見たドリームがリアリゼーションされ…(以下略)」などのコメントで溢れています。

 

しかし、失礼を承知で純粋に聞きたいのですが、これは記事を書いている人もコメントをつけている人も自分で何の話をしているかわかっているんでしょうか?こんな言い方をすると「自分が全てを知っていてあなたたちは全て間違っています」みたいな人ぶってるようですが、自分の理解も限られていることを承知の上で、単純に疑問なんですよね。ブロックチェーンを語っている人たちは本当にブロックチェーンのことも、ビットコインのこともわかっているんでしょうか?

 

特に「ビットコインはダメだけど、ブロックチェーンはすごいです」と言っている人たちはこれはいわゆる識者の何かしらの「ビットコイン踏み絵」みたいなものなのでしょうか?

 

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少なくとも自分はこの記事を読んでもわけがわからないというか、矛盾しか感じなかったので以下にコメントをつけていきます。もし自分の理解が足りないところがあれば是非コメントしていただきたいのですが、やはり頭が追いついてないのか自分には本当にみんなが何の話をしているのかわからないんですよ、単純に…。

 

 

巨大銀行や大企業は、デジタル通貨のためにブロックチェーンを研究しているわけではない。

 
コメント:でしょうね。だってビットコイン(分散型のデジタル通貨)は彼らにコントロールできるものではないですし、上手く行っちゃったら彼ら自身の存在の少なくとも一部がいらなくなってしまう類のテクノジーですから。銀行が興味がないのも当然でしょう。新聞社がインターネットに興味なかった的な感じでですが。

 
別に銀行が興味ないからビットコインい価値や意義がないわけではないですよね、でも?銀行大好きな人多すぎな気がしますね。

ブロックチェーンはビットコインを実現する分散データベースとして生まれたテクノロジーだ。

 
コメント: まずこの「ブロックチェーンはビットコインを実現するデータベースとして生まれたテクノジー」ってところ。これはどこ情報なんでしょうか?誰か「識者」が言ってたんですかね。

 

これがある意味一番重要な部分だと思いますが、自分の意見ではビットコインとブロックチェーンは本来切り離せないものです。

 

いや、でも実際多くの企業がビットコインやネイティブのコインがないブロックチェーン開発しているじゃないですか、って言う反論が来そうですが、それらの会社が作っている「ブロックチェーン」というはそもそも「ビットコインのブロックチェーン」とは根本的に違う代物です。(これについては詳細は後述)

 

とりあえず言いたいのは、ブロックチェーンという技術が発明されて、通貨に応用したらビットコインが出来ちゃった、って話ではないと思うんですけど。ブロックチェーン自体にはある意味ではそこまで新規性はなく、ビットコインのマイニングの仕組みや経済学的なインセンティブを組み合わせることで、初めて画期的な分散ネットワークが形成されて、それが本来の革命的な部分だったと自分は考えています。
 

しかし、ビットコインは通貨として主流になれないのは確実だ。たとえば昨年3月には大規模な障害が発生し、当時約2万件のビットコインの取引が処理待ち状態になり、1秒間に最大7回までしか取引を処理できない仕様上の限界が顕在化した。

 コメント:うーん、まあ確かに2万件の取引が処理待ち状態になったっていうのは事実ですし、実はつい数日前に過去の記録を打ち破り10万件以上が承認待ち状態になってました。実際これはユーザーとしては中々つらい話ですし、手数料も爆上がりしているのでかなり深刻な問題です。

でもまあこれは「障害」とか「欠陥」なんですかね?確かにトランザクション数の制限は現在かなり厳しく、これを引き上げるべきかの議論もずっと続いていますが(ビットコインのスケーラビリティ問題というやつですね)、ただし取引がたくさん処理できないから劣っているとかいうほど単純な話では残念ながらありません。

 
この可能処理件数と分散化が一種のトレードオフになっていて、そりゃプライベートブロックチェーンのように中央集権化したらもっとたくさんの取引を高速にさばけるようになると思いますが、そしたらビットコインが目指す分散化された改ざん不能(Immutable)なネットワークという性質の維持が難しくなってしまうわけです。


なので、「処理可能件数が少ないからビットコインは使い物にならない」というのは非常に浅はかな批判だと自分は考えるのですかどうでしょうか?単純に処理可能件数が重要なら、Visaでも使えばいいですし、プライベートブロックチェーンもビットコインのブロックチェーンより処理可能件数が多いから優れているというのは飛躍だと思います。(ビットコインとプライベートブロックチェーンの「分散」のコンセプトの違いは後述)

 

ただし、もちろん処理可能トランザクション数などはビットコインの弱点の一つではあるのは間違いはないのですが、詳細は省きますがビットコインをスケールしてより多くのトランザクションをさばけるようにする新技術が考案されたり、技術的な改善が日進月歩で進んでおり、5年後(~10年後)くらいにはおそらくこの批判自体大部分意味をなさなくなると思います。

 

ビットコインを上限の2100万コインまで採掘しても、総額は215.5億ドル程度で、コスタリカ通貨コロンのマネー総額分にしかならない。ビットコインが世界を作り替える通貨になることなど、決してあり得ないのだ。

 

コメント:えっーと、すいません、ちょっと意味がわからなかったのですが…笑

 そもそも上限の2100万採掘し終わるのは100年くらい先の話で、それまでに対法定通貨価格は大きく変動しているはずなので、そもそも今の価格水準でその話をする意味はない気がしますし、そもそもより使いたい人が増えれば単純にビットコインの市場価格が上がって、市場規模も大きくなるはずなので、この指摘自体自分にはよく意味がわかりません。

 

実際に経済の混乱などでビットコイン価格もここ最近ずっと上昇し続けていますし、ビットコインは細かい小数点単位まで分割可能なので、2100万という総供給量のキャップや現在の市場規模と将来的なユーザー数などは大した関連はないと思うのですが。

 


ビットコインが世界を作り変える通貨にならない、という話ですが、これもよく中途半端なアンチビットコインの人とかが批判するポイントの一つになっていると思うのですが、そもそも別にビットコインが全ての法定通貨を置き換えて世界中の人がビットコインを全ての支払いなどに使う未来が来る(べきだ)、と言っている人はコミュニティー内でもかなりの少数派です。

 

自分もそういう世界が来る可能性もゼロではないのかなと思いつつ、実際そうなるとは思いませんし、重要なのはどの国や企業などにも依存しない分散化されたネットワーク上のデジタル通貨という送金や価値保存の代替手段が出来るということだと思ってます。そうすることで今の国家などに独占されている市場へ競争原理を持ち込まれ、それぞれが改善されるという考え方をしてもいいと思うのですが、どうでしょうか?

 

ちなみに、「中国がビットコインを支配しているからビットコインはダメだ」っていう人は、自分のこちらの記事を読んで、是非ビットコイン研究所にも登録してください(宣伝笑)ビットコインと中国のマイニングの世界はそこまで単純な話ではありません。

 

では、世界中の有力銀行が、なぜ「ブロックチェーン・テクノロジー」を検討中なのだろうか?

コメント:ブームだからじゃないですかね。

 

つまりブロックチェーンは、分散データベースであること(低コスト)と、データの改ざんが不可能であること(高セキュリティ)で注目されているのだ。

 

コメント:はい、出ました。これがブロックチェーン、より正確に言えばプライベートブロックチェーンに関する最も大きな誤解だと自分は考えています。

 

まず一つ、ブロックチェーンは低コストである。

これに関しては色々意見があり、実際プレスリリースなどで「ブロックチェーンなら低コスト」という謳い文句を除いて、実際に何か実運用で結果が出たりしたことはあるのでしょうか?詳しい技術者などによればそもそもこの主張自体間違っている可能性が高いという人も多いですし、ブロックチェーンを使わなくても別の技術でも実現可能だったり、ブロックチェーン使えばなんでも低コストになる、という図式は自分としてもちょっと信じがたいところもあります。ただし、これは実際にプロダクトが出てきて、結果が出始めた時に判断すればいいと思うので、間違いではないのかもしれないので、さっと流します。

 

問題は「(プライベート)ブロックチェーンは改ざん不能である」というやつですね。これ、間違ってます。

 

いやいや、これこそ識者も含めみんなが言っている話と違うじゃないか、となりそうですが、確かに実際これは意見や認識が分かれるところですし、言葉の定義次第のところもあるので私見を述べます。


プライベートブロックチェーンというのはたいてい複数の企業などで共通の台帳を分散的に共有、更新して、特定の機関などが単独(もしくは少数派として)勝手にデータを改ざん出来ないようにする、という話だと思います。そうすると、今までみたいに単独の企業が管理するわけじゃないから改ざんできないし、ゼロダウンタイムだし、どうのこうの他にも利点があるって主張が基本的なものだと思います。

でもこの改ざん不能というのは「ネットワーク参加者が改ざんしたいと思わない、もしくはさらに上の権威から要求されない限りは改ざんできない」というだけで、例えばある日突然何かしらの理由で参加者の大多数が特定のトランザクションを変更してしまおうと思えば出来てしまうわけですよね?(合意形成の仕組みの設計次第によるところもあると思いますが、大半のプライベートブロックチェーンについては当てはまるので細かい部分は省略)

 

より具体的な例を上げるとしたら、例えば複数銀行間のプライベートブロックチェーンを運用していたとして、犯罪行為に利用された、もしくは何かしらの理由で特定の送金などが問題になった場合、金融庁(政府)にプレッシャーをかけられたりしたら、その記録ってひっくり返されちゃうんじゃないですか?
 

実際似たような事件は改ざん不能だと言われていたパブリックチェーンEthereumでも起きており、プラットフォーム上のThe DAOと呼ばれるプロジェクトの失敗を帳消しするために、該当するトランザクションをブロックチェーンから取り消す、という事件がありました。プライベートブロックチェーンでも同じようなことはむしろより簡単に出来ると思いますし、このブロックチェーンって本当に「改ざん不能」なのでしょうか?改ざん不能というよりは、「改ざんがあった時に漏れなく検知できる」といった方がより正確な気が自分にはします。

 

(ファイナリティーがどうのという指摘もありそうですが、ファイナリティーがついていようが当局などから要請があれば参加者全員で台帳の記録を丸ごと交換してしまえば行けちゃう気もするんですが、どうなんでしょうか?というか当局からの変更要請などに対応出来ないものは使えない、とかになりそうな気もします)

 

一方、「ビットコインブロックチェーンの改ざん不能性」というのはマイナー、開発者、ユーザーも含めて「後から変えたくなっても誰も変えられない」類のもので、「ネットワーク上のトークン(bitcoin)を利用したマイニングの利益追求とインセンティブのバランスにより、変更や改ざんが現実的(確率的)にほぼ不可能」というところに大きな特徴があります。政府やマイナーなど含め、誰にも後から変更出来ない「真の改ざん不能性」とプライベートチェーンの「改ざん不能性(というか改ざん検知能力)」をごちゃまぜにするべきではないと思います。 

 

アクセンチュアは、編集可能なシステムであれば、取引記録が改ざんされていないことを保証しつつシステムを維持できるため、企業向けにはこの方法が適している

 

コメント:上記の改ざん不能性の議論本当にそのままって話ですよね。要はプライベートブロックチェーンの多くが目指しているのは「何があっても絶対に変更ができない」ものではなく、都合がいい限りは変更できない、変更があった時に感知できる、くらいのもので、何か問題があった時などは「変更したい」気満々です。もう一度聞きますがこれって「改ざん不能」なんですか? 

 

一方、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者に、中央銀行が通貨供給量を制御できるなど、通貨全体の管理権がある、改良型のビットコイン「RSコイン」を研究させている。

 

コメント:これはいわゆるFedcoinというやつですね。これについてはもうすでにかなり古くなってますが、自分が説明に書いたものがあるのでこちらの記事も参考にしてみてください。 

まあこれもビットコインとは似て非なるもので、こういう仕組みが出来たらむしろ政府や銀行の力が増すだけでそんなにいいことなの?と正直思うところもあります。ペイメントシステムとしては安くていいかもしれないですけどね。

 

インドはかろうじて中央に大きなデータベースのある従来型のシステムを構築しましたが、それはITに強いインドだからです。これから発展する国では、国中にネットワークを引き、データセンターを構えて、銀行システムを構築するのはコストや構築保守面で無理がある。


コメント:なるほど~、自分はエンジニアではないのでこれについては偉そうなこと言えないのですが、なるほど~、そうなんですね~。


だからこそ、ブロックチェーンと生体認証の組み合わせが重要なのです

コメント:あれ~、上記からかなり飛躍した気が…笑すでにコメントした通りプライベートブロックチェーンを使うことでまだ実稼働はしてないですがコスト削減できるのかもしれないですが、ブロックチェーン以外の方法も色々ありそうだと素人ながら思うのですが、どうなんでしょうか?ブロックチェーンが本当に解なんでしょうか。

 

ブロックチェーンの価値は「本人確認と医療、保健を含む履歴確認、情報の所有権をユーザー側が握るプライバシー」にあるという。たとえば内戦で国民の財産や出生届(本籍)などを保管するデータセンターが失われれば、どこの誰でどんな教育を受け、どんな資産を持つのかは第三者に証明できなくなる。ブロックチェーンであれば、世界中のどこかにデータが残る可能性があり、生体認証と組み合わせれば、本人が生きてさえいれば自分のデータにアクセスできる

 
コメント:

これも「ブロックチェーン」のよくある応用例として挙げられるやつなのですが、「情報の所有権をユーザー側が握るプライバシー」と言っても、確かに自分の個人情報のハッシュなどを持っていたとしても、先ほども言ったようにプライベートブロックチェーンを使っている限り常に改ざんのリスクが伴います。(従来の仕組みよりは少し改ざんがしづらい、データがなくなりづらいという主張はできるかもしれないですが)なのでこういう「消えたら困る情報(のハッシュ)」などをプライベートブロックチェーンベースのシステムにするのはあまり有効だと自分は思いません。

また、そもそもの自分の情報を自分で管理するというのは響きはいいですが、例えば自分の名前や年齢、性別、学歴などを自己申告でブロックチェーン上に記録したとしても、それが正確な情報であるという保証はなく、結局政府や何かしらの認証機関が自分の申告の妥当性を審査する必要になり、結局そこが腐敗していたらブロックチェーンに書き込まれるデータの正確性の保証が出来ず、そもそも主張自体が成り立たなくなってしまいますね。

 

ブロックスタックの構想は自社を含むどの企業からも独立して構築されたIDシステムによって実現される。システムは、ブロックチェーンでユーザー情報を保持

 

コメント:

なので、ブロックスタックは「プライベートブロックチェーン」じゃなくて、「ビットコインのブロックチェーン」にデータをアンカーしてるんですよ。この記事では都合よくこの部分が抜けてますが、ブロックスタックはこのプライベートブロックチェーンの弱点を理解した上で、ビットコインなどの真に改ざん不能なブロックチェーンの上にブロックスタックを作ってるわけです。

 

ブロックチェーンは、ビットコインを実現するために開発された分散データベースだ。しかし、その真の価値に気付いた人々は、デジタル通貨以外の用途に大きな構想を描いている。

 
コメント:

すでに言った通り、違うと思います。そして、デジタル通貨以外の用途に大きな構想を描いているのではなく、上記で説明したような「真に改ざん不能な」ブロックチェーンを分散的に維持するのに「ビットコインというトークン」「デジタル通貨」が必要なので、それなしではブロックチェーンの数々の応用がそもそも成り立たないです。なのでブロックチェーンとコインは本来切り離せないものだと主張します。

国内でもブロックチェーンとビットコインを切り離して理解する動きが今年に入ってようやく活発化した。


コメント:
いえ、最先端に追いついたのではなく、間違った方向の最先端にどんどん近づいているだけだと自分は思ってます。

 

お金を管理できる仕組みだからこそ、データを低コストかつ高セキュリティに扱えるのがブロックチェーンの魅力なのだ。フィンテックとは異なる文脈でブロックチェーンを活用する方法はまだまだ未開拓であり、日本企業も十分に活用できるチャンスがあるはずだ。

 

コメント: 

この記事ではないですが「ブロックチェーンはフィンテックの本命」と言ったり、最近は「フィンテックとは異なる文脈で見ると面白い」と言ったりなんだか忙しいですね笑

確かにビットコインやブロックチェーンにはフィンテック以外の応用が面白いというのは同意なんですが、(ビットコインブロックチェーン上のトークンをゲームやコンテンツの分野への応用というのを自分でもやっているので)、それは真に改ざん不能でオープンなパブリックブロックチェーンの応用の話だと思っており、プライベートチェーンの応用では、コスト削減などを除き個人的にはあまり革新性を感じるものはありません。まあこれについては議論の余地があるとも思いますが。

最後に

 

というわけで、何だかちょっと嫌らしい感じになってしまってあれというか若干申し訳ないんですが、自分が主に言いたかったのは、

 

  1. パブリックチェーンとプライベートチェーンの改ざん不能性はそもそも全く別物
  2. にも関わらず両者をぐちゃぐちゃにした記事を書く方もコメントも多すぎる
  3. 自分は逆にパブリックチェーン側にバイアスがかかっているのですが、プライベートブロックチェーンバイアスかかりまくりの記事も多いのでそれは意識した方がいいですよ
  4. プライベートブロックチェーンが無意味かどうかは知らないですし、コスト削減などにつながるなら素晴らしいとは思いますが、そこまで夢を語るものではない気がします。使えるところ使えないところがあり、一般的に夢物語的に妄想されているユースケースは大部分有効的と思えません。
  5. 本当に破壊的なのはコインを利用した全く新しい分散ネットワーク、改ざん不能、検閲耐性を持つビットコインなどのパブリックブロックチェーンだと自分は考えていますし、ワクワクすべきは多分そっちです。

 

自分は正直に言えば、プライベートブロックチェーンをあまり深く理解はしていないですし、そこまで興味もないです。ビットコインだけでも理解しきれないですし、まだまだわからないことだらけです。(まあ「ビットコイン業界」についてはある意味誰より詳しく理解していますが)

 

なので、この記事で間違いなどがあったら是非「識者」の方に指摘していただければ、自分の理解も深まるので、冗談とかではなく本当にありがたいです。小難しい用語やフワフワしたコンセプトではなく、「ぶっちゃけると本質的にどうなのか」をわかりやすく説明していただきたいです。
 

それでは。

 

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