技術的な話一切抜きで、スキャムICOかどうか判断する方法
正直言うとICOについて書くのは段々疲れてきているんですが(笑)、昨日「スキャムICOの見分け方」について書いたら面白いんじゃないかとふと思いました。
スキャムICOの見分け方、ていう記事書くか。半分ネタだけど(笑)
— Koji Higashi (@Coin_and_Peace) September 27, 2017
というわけで、書いてみます。
実際「このICOは大丈夫でしょうか?」とか聞かれることも少なからずあるのですが、自分も一部実践しているスキャムICOを見分ける方法について紹介します。
これはあくまで着眼点の一例で(+一部ちょっとネタ的ですが)当然全ての事例に完璧に当てはまるわけではないですし、科学的ではなく経験的なものが多いのです。ただし、細かい技術的な話や英語でホワイトペーパーを読んだりするのは苦手という人でも、スキャムICOに騙されないような予防や、時間をかけて調べるべきプロジェクトをフィルターしたりするのには役に立つと思います。
1.YoutubeやGoogle広告を出しているICO
これは別にYoutubeやGoogle広告を出すのが本来悪いことではないですし、一般企業でも広告手段の一つとしてよく使われるチャネルではあるのですが、Youtubeなどでターゲット広告を出しているICOプロジェクトでまともなプロジェクトを見たことは自分はないですし、経験的に避けた方がいいとアドバイスします。
ICOというのは元々リスクが高いものなので、そこをきちんと理解している真面目なプロジェクトは、リテラシーが高い層にきちんと技術的説明やロードマップを示そうとしているのですが、広く浅くターゲット広告などで「ブロックチェーンやばい」「ポテンシャルすごい」的なメッセージを送っているプロジェクトはスキャム(詐欺)的である可能性が高いです。
2.Vitalikと映ってる写真を勝手に掲載している
これはもはや界隈の内輪ネタの一つですが、Ethereumの創始者であるVitalik Buterinの許可を得ずに勝手に彼と撮影した写真を利用して、Vitalik公認のような印象を与えているプロジェクトは高い確率でスキャムです。しかも実際Vitalikとの写真を掲載するとICOの売上が爆上がるというトレンド(都市伝説?)もあるようで、どんだけ金のなる木なんだと苦笑
(Vitalikとの写真を悪用していたと指摘されていた、Primalbaseというプロジェクト…)
3.インフルエンサーマーケティングをしているもの
これも一部話題になりましたが、Paris HiltonやFloyd Mayweatherなど、界隈と全然関係ない有名人を利用したマーケティングをするICOが出始めています。こういうのはまとめて全てスキャムの可能性が高いと判断していいと個人的には考えています。
4.ホワイトペーパーがないもの、ホワイトペーパーが無駄に長いもの
最近はホワイトペーパー作成代行サービスなどもあるので(もはやこんなサービスがある時点で爆笑ものですが)、ホワイトペーパーが存在しないICOは多分そこまで多くないと思うのですが、ホワイトペーパーがないものはスキャムICOの可能性が高いです。
仮に意図的に詐欺行為を働いているものではなくとも、そもそもプロジェクトの根幹であるまともなホワイトペーパーすら書けないプロジェクトは実力不足か、やる気がないかとしか思えないです。
また、ホワイトペーパーの中身はもちろん重要なのですが、正直詳細を理解するのが難しいこともあると思います。(自分もあります)
そういう時の判断基準の一つなのですが、ホワイトペーパーが無駄に長くまとまりがないものは、黄信号です。スキャムというか単純に実力不足というか。一般の企業などでも、企画書などを作るときに出来るだけ短く情報を集約すると思いますが、ホワイトペーパーにあまり関連性や重要性の高くないマーケティング的なことなどをつらつら書き連ねているプロジェクトはあまり筋が良くないです。
5.ネーミングセンスがないもの
これとかはまあ完全な経験則というか、もはや偏見かもしれませんが(笑)、ネーミングセンスのないICOはスキャムの可能性があります。
そもそも「Bit」なんとかとか、「Eth」なんとかとかのネーミングのプロジェクトがめちゃくちゃ多いのですが、マーケティングすらやる気がないというか、Bit系でまともなプロジェクトって自分は知らないんですが、どうでしょうか?笑
※全く別件ですが、OmiseGoって何なんだ、Goって。ポケモン意識してんの?笑
6.スキャマーと親交があるICO
これは鉄板ですが、いわゆるスキャマー(詐欺師)と親交の深いICOプロジェクトは無条件で避けた方が得策です。
実際そういうプロジェクトは結構あるのですが、日本だとすでに結構有名なスキャマーのネットワークと関係性のある海外プロジェクトなども少なからずあり、スキャムICOの判定に実は非常に役立ってます。
スキャマーは国内外に独自のネットワークを持っているようで、どんな理由であれスキャマーと仲良く写真を撮ってたり、怪しいお方がパートナーやアドバイザーとして参画していたりする時点でスキャムICOの可能性が高いです。
また、怪しいセミナーなどで売られているコインもスキャマーネットワークから卸されて来ているようで、気を付けた方がいいと思います。(最近だとNとかLとかすごい気になるんだよな…)
じゃあスキャマーかどうかどう判断するかですが、それはクリプトスキャム界の神、タヌ神さんやベンさんでもフォローしとけばいいかもしれません笑
7.スーツはスキャム
これぞもはや完全な個人的な偏見な気もしますが、昔から「スーツはスキャム」という不文律がクリプト業界には存在します。(少なくとも自分の中では笑)
実際データがあるわけではないですが、スーツ族のICOの方がダサいTシャツ来てる人たちのICOよりスキャム率は圧倒的に高いと思います。
ただし別にスーツじゃないからスキャムではない、というわけではないのでそこは悪しからずw
8.顔面判定
「スーツはスキャム」同様これも完全に個人的なバイアスな気はしますが、この「顔面審査」というのは実は結構重要だと思います。
やはり怪しい人たちは顔に出るというか、実際にスキャムICOではそもそもメンバーの顔というか面構えがなんか「むかつくな」というか「臭うな」というものが結構あります。(これ、わかる人にはよくわかると思いますがw)
ただしこれはわからない人はわからないと思いますし、顔面判定を第一判断基準にはしない方が当然いいでしょう笑ただし、ある程度スキャムプロジェクトのパターンとかに見慣れてくると、顔面判定だけで結構高い確率でスキャム判断できるようになるかもしれません。
9.関連性の低いパートナーやメディア実績などをベタベタのっけてるもの
これもアルアルですが、パートナーやメディア掲載などのバナーをベタベタのっけているものは(なぜか)、スキャムICOである可能性があります。
質より量というか、技術などの開発より無駄なメディア掲載(中には金を払ってメディアに無理やり掲載させるパターンもある)実績をでかでかとアピールしてるプロジェクトはあまり筋が良くないです。
10.無駄にたくさんの言語に翻訳されている
多数の言語に翻訳されているのは本来別にまずいことではなく、マーケティング努力とも見れますが、経験則的には無駄にたくさんの言語に翻訳されているプロジェクトはICOでコインを売る気だけ満々というか、中身があまりないプロジェクトが多い印象です。
11.プリICOがやたら有利
最近は本番のICOの前に、一部のパートナーや資格を満たした投資家にプリICOを行うプロジェクトが一般的になってます。
そもそもプリICOの存在自体に是非がありますが、プリICOの参加条件が異常に厳しかったり、めちゃくちゃ有利だったりするものはスキャムICOの可能性があるので気を付けた方がいいでしょう。
そもそも自分がプリICOに参加する側ならまだいいですが、圧倒的にプリICOで参加した人たちが有利になってしまうのなら、本番ICOに参加する意味も投資視点でもあまりない気がしますし、インセンティブ、ディストリビューションの設計を失敗している気がします。
12.○○業界専用のコイン系
これも以前からのICOコインのトレンドですが、○○業界、○○専門のコインというのは全般的に筋が悪いと自分は考えています。一方、よくわかってない人たちにアピールするのには非常にシンプルで、難しい技術的なことを考えなくてもいいのでコピペのスキャムICOがあふれている印象です。
例えばバナナを買うのに必要なBananacoinなど、バナナ買うのに何で専用なコインが必要なんだよ、ともはやただのギャグになっていますが、冷静に考えればスキャム認定されていなくても他にも似たようなプロジェクトはたくさんあり、全体として警戒した方がいいでしょう。
13.配当系コイン
これは賛否両論あると思いますが、自分は配当系のコインはスキャムICOだと疑ってかかっていった方がいいと思います。
トークン保有者に配当を配るタイプのものは、トークンエコノミーの設計が非常にシンプルで、直接ブロックチェーンや分散化など関係なくとも、「無理やり」トークンを何にでも組み込めるのがスキャム側にも非常に都合がいいです。
ただし、収益をトークン保有者に分配する配当系のコインは明らかに疑似証券のようなセットアップになっており、何かしらの既存の法律に引っかかってくる可能性が高いですし、配当を配るかどうかも完全に信頼ベースになります。
もちろんそのようなリスクを最初から理解して考慮しているタイプの真面目なプロジェクトも存在しますが、観察していると何も考えずにとりあえずICOをするために配当モデルにしているものが増えてきており、それゆえに配当モデルのスキャム率も高くなっていると思います。(エ〇ビーとか最たるものです笑)
14.「完全に」「100%」などの誇張表現が見られる
「完全に分散化されている (Completely decentralized)とか「絶対に改ざんされない」とか「100%の公平性」など明らかな誇張表現が見られるものはスキャムICOの可能性が高いです。これだけでも相当な数のICOをフィルターできると思います。
そもそも当たり前ですが、ウェブサイトで完全に分散化されているとか、絶対に安全とか言ったら、分散化されるわけでも、セキュリティーが高くなるわけでもなく、そんなに簡単なものではありません。嘘をついているか、何もわかってないのかどちらかの可能性があります。
というわけで当初の想定よりかなり多くなってしまいましたが、上記のような項目を参考にすると、スキャムプロジェクトの判定がより正確になり、選別のスピードが上がるかもしれません。当然全てが役に立つわけでもどのプロジェクトにも当てはまるわけではないですが、「ICOスキャムのベストプラクティス」的なものが実際存在し、それを逆に利用すれば明らかなスキャムの判定はそこまで難しくないです。
本当の問題は、スキャムかどうか微妙にわからないもの、スキャムではなさそうだけど、実力不足だったり、技術的意義や実現性が乏しかったり、必要以上の金額をICOで要求したりしているものですが、これは専門家でも判定が難しいですし、内部情報などを持ってないと判断できないものも多いので、今回の判断基準は役には立ちません。
スキャム判定ケーススタディー→特別公開放送
というわけで思い付きですけど、上記の視点をベースに現在行われているICOの抜き打ちスキャムチェックを公開放送でやってみようと思います笑今晩10時からスタート予定。
ICO一覧サイト上のプロジェクトを見ていき、公式サイトを見ながら3分くらいでスキャムである可能性が高いかどうか個人的に判定してみます。半分くらいただのエンターテイメントでどれくらい正確か自分もわかりませんが、現在爆増しているICOの内どれくらいの割合が明らかにスキャムっぽいか自分も全然把握してないので、楽しみです笑