ビットコインダンジョン2.0

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スイスでビットコイナーと全然会えなかったけど、何となくスイスは来そうだと感じた話

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The DAOとかBrexitとかあって気づいたらもはやスイスに行ってたことをほぼ忘れていたくらいですが(笑)、スイスでビットコインやブロックチェーン関連の情報収集はどうなったんだよ、って話の記事です。めちゃくちゃ遅くなりました。

結論から言うと、スイスでビットコイナーとは全然会えませんでした!


なんだ使えねーなって感じですが、ちょっとこれにはある程度言い訳ができるので、スイスの事情やちょっと面白いエピソードを代わりにいくつか紹介します。

 

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(ちなみにスイスでもWagecanのビットコインデビットカードだけで生き残りました。マスターカード行ける店は全部問題なく使えましたし、現金引き出しも問題なく出来ました。)

 

スイスという国の特徴

 

自分がスイスにいたのは1週間ほど、しかも南部のジュネーブという街のみなので、スイスとはこういう国だとは到底語れるものではないですが、自分も知らなかったこと含めちょっとした国の事情の説明を。

日本では永世中立国とか、金融が発達している国とかそういうイメージが強いと思いますが、多分ビットコインとかブロックチェーンビジネス含め、スイスという国の重要な要素として、めちゃくちゃ国際色豊かなんですよね。

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 (ジュネーブではフランス語が公用語。ボンジョールとメルシーしかわからず終い笑)

 

もっと具体的に言えば、スイスの北部ではドイツ語が主要に使われる言語で、自分がいたジュネーブなどの南部ではフランス語が主流です。北部の人と南部の人がコミュニケーションをとるときは英語が使われているようですが、一つの国の中でも言語も文化も大きく異なるようです。北部の人はドイツ人っぽい気質で結構きっちりしていて、南部の人は南欧っぽくもう少しゆったりしているとかなんとか。

 

またスイスにはヨーロッパ中から色んな国の人たちが移り住んできており、フランス、イタリア、ポルトガル、ドイツ、スペイン、アルバニア、など、もはや日常的に5か国語以上が飛び交っているというそんな感じの場所でした。

 

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(ちなみになんかこういうパンとかを結構食べてました。途中で自分はラーメンが食べたくて仕方なくなってしまったんですけどね笑)

 


自分がスイスついた時にたまたまユーロ2016(ヨーロッパの国対抗のでかいサッカーのトーナメント)が始まったんですが、スイス戦より、フランス戦とかポルトガル戦の方が見に来る人多いくらい、色んな国の人たちがごちゃ混ぜに仲良く暮らしているという感じでしたね。余談ですが、ポルトガル人とかスペイン人はとりあえずもうサッカーに熱中しまくってて、自国が点数を取られると本当に泣いて崩れ落ちそうになっちゃうみたいなったり、勝ったら勝ったで町中でクラクションをバンバン鳴らしてたり、まあなんかTheヨーロッパみたいになってました笑
(実際自分もビットコイナーとも話せなかったので途中からただのユーロを見に来ている人みたいになってましたw)

 

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(サッカーの試合を見に来ている人たち。列がディズニーランド状態になってます)

 

ビットコイナーと全然会えなかった理由


さて、こんな感じで色んな言葉が飛び交い国際色豊かで、小さな国ながら地方によってまた特色が全然違うスイスなんですが、自分が今回全然情報収集が出来なかったのも自分の怠慢もありますが、実はここらへんの事情が関係します。

今回現地のビットコイナーに色々話を聞こうと思い、まずSpells of Genesisの開発もしている、スイスのジュネーブに拠点を持つEverdreamSoftの人たちに誰か知らないか聞きました。日本などの場合は事業者同士は大体つながっていることが多いので、誰か一人に聞けば芋づる式でどんどん話を聞けるかな、と思ったからです。ちなみに台湾とかもこんな図式で結局業界内のほぼ全ての人たちに話を聞くことが出来ました。

 

しかし、自分的にはちょっと意外だったのですが、答えは「ほとんどスイス内の事業者は知らない」、といったものでした。よくよく話を聞いてみると、ジュネーブはフランス語圏内で、チューリッヒなどの北部のドイツ語圏内の企業やプロジェクトなどとお互いあまり交流がないということらしいです。これは基本的に一つの言葉で津々浦々話が問題なく通じる日本みたいな国とは全く違う現象ですね。

また、スイスにはXapoとかShapeShiftとか、ビットコイナーなら聞いたことのあるような企業も本社を置いてあるはずですが、それらの会社も必ずしも運営の拠点がスイスにあるわけでもないようで、出たり入ったりみたいな会社の方が多いようで、スイス地元密着というわけでもなく、例えばスイスのビットコイン業界事情を探りに仮にXapoに話を聞きに行っても、もしかしたらあまり有用な情報は得られないのかもしれません。

もう一点面白かったのは、日本にも台湾にもシンガポールにもいるのですが、顔が広くていい意味でおせっかいな現地ビットコイナーというのが自分が今まで行った国にはいましたし、スイスにもそういう人たちがいるのではないかと期待してました。なんかほぼフルタイムで色々ビットコイン系のことやってて、「この人普段どうやって生活してんだ?」みたいな謎な人たちです笑

しかし、実際スイスのチューリッヒ周辺でミートアップを主催している人たちに連絡したのですが、なんか本業で忙しくて時間が中々作れない、という感じでしたし、しかも特にスイスの業界でみんなを知っていて顔が広い、という感じでも全然ありませんでした。これは冷静に考えるとまっとうなことで、「え、平日昼とかに他のビットコイナーに紹介してくれるとかいう展開ないの!?」とか思ってしまった自分のビットコイナーという生き物に対する認識が多分おかしくなってたのでしょう笑

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(ちなみに週末とかはこういう感じのサードウェーブカフェで意識高く働いてました)

 

まとめると、スイスのビットコイン/ブロックチェーン業界というのは、日本やその他の国のように現地の人たちが横につながっており、国内の市場を開拓するために小さいながらも比較的団結してやっているという感じでは全くなく、色んな企業が色々な国からスイスに集結して来ているものの、スイスの市場に興味があるわけでも、スイス内の他の企業と交流がたくさんあるわけでもなく、比較的みんなバラバラにそれぞれのことをやっているという印象です。

 

ビットコイン、ブロックチェーンはどれくらい浸透しているのか?

 

上記の要因などもあり、今回スイスのビットコインやブロックチェーン事業者に直接色々話を聞くことに関しては失敗しました。が、ビットコインやブロックチェーンのスイスでの浸透度の高さを示すエピソードにはいくつか遭遇しました。

 

まず予備知識として、スイスは法制度なども整えて、国際的なビットコインやブロックチェーン開発、企業、イノベーションのハブになろうとしている、というような報道が頻繁に出ます。また、ブロックチェーン関連のカンファレンスや会合などスイスで行われることもかなりあるようで、スイスという国のビットコイン/ブロックチェーン業界内での特異なポジショニングは日本にいても感じます。

ただし、シンガポールに行った時のように、実際に現地に行ってみると、宣伝されているほど盛り上がったり浸透している感じはない、という可能性もあると自分は思っていましたし、スイスも結局政府とかの宣伝やPRが先行しているのかと想像していました。が、どうやら実際にブロックチェーンという言葉や技術の浸透が思ったよりすごいということが今回わかりました。


まず一番驚いたのは、ビットコインとかブロックチェーンとか全く関係ない一般の人たちも、普通にビットコインとかブロックチェーンとかEthereumとかそういう単語を聞いたことがあって、しかもある程度理解しているだけでなく、かなり好意的な印象を持っている人が結構いたということです。

 

自分はたまたま現地の全く仕事とは関係ない人たちと街頭スクリーンでサッカーの試合を見に行く機会があったんですが、その時に「仕事は何やってんの?」ということを聞かれました。

 

 

日本で同様のことを聞かれると、もうその後二度と会わないような人相手だと、説明も面倒なので、「無職」とか「フリーター」とか「ニート」とか言うこともありますが(嘘つき笑)、それでも突っ込まれるとFintechとかIT系とかなんか適当なことを言います。Fintechという言葉が嫌いだと普段から言ってるにも関わらず、私生活ではばっちりFintechという、もはや何を意味しているかもよくわからないバスワードに頼っている自己矛盾です笑つまり、それだけ日本ではMt.Goxの件の影響などもあり、無知や勘違い、ネガティブな思い込みがまだ一般レベルでは浸透しているということです。

 

話はスイスに戻りますが、スイスで出会った会計士の若者たちにも仕事は何?と聞かれ、同じような感じでFintechとかIT系とかそんな感じで答えたら、具体的には?と結構突っ込まれたので、まあいいか、と思ってビットコインとかブロックチェーンとか白状?しました。そしたら反応がすごい意外なもので、「ブロックチェーン知ってるよ」「こういう仕組みのものでしょ?」「ブロックチェーン専門で仕事してるんだ、かっこいいね」みたいな本当にお世辞ではなくかなりポジティブなリアクションをされ、ビットコイン、ブロックチェーンについて色々質問されたり、自分がメインでやっているトークンの話などを結構詳しく説明したりしました。理解度や興味の高さ、そして何よりネガティブなイメージや偏見が全くなく一つの技術や領域として好意的に評価されていることにびっくりしました。その場に4人いたうち2人はある程度以上の理解度を持っていて、1人はEthereumなども知っていました。

 

同様に、こちらもビットコイン、ブロックチェーンは本来あまり関係がないコワーキングスペースに関するちょっとした講演会みたいなものにも参加したのですが、講演会後も何人かに、3年前から友達がすごいすごい言ってるのだが、いまだにピンと来ないんですが、とか、ビットコインとブロックチェーンの差がわからないのだけど何がどう違うのか教えて欲しい、とか、なんか自分のコワーキングスペースでも何かやりたいのだけど、どうすればいいでしょうか、とか一般人レベルの人たちへの浸透度だったり積極性が1週間の短い滞在の間でも感じられました。

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(コワーキングスペースのイベントで、コワーキングスペース用にコインを作って運用してみたらどうだろうっていう話だったようです。EverdreamSoftの代表Shabanが話をしてます。)

 

なんでここまで浸透しているのかについては自分は確証はありませんが、スイス在住のエンジェル投資家/プライベートバンカーの人と話をしていたら、「スイスは小さな国だけど、昔からプライベートバンキング、時計、製薬など成長が見込めるニッチな分野に国総出で柔軟に対応、特化していく柔軟性や先見の明があって、Fintechやブロックチェーンに関しても本気だ。断言できるけど、スイスはこの領域でトップのポジションをとることになる」という旨の発言があり、なんかかっこいいな、と思いました。この発言の裏を取るほどの情報は収集出来ませんでしたが、様々な文化や企業が集まる国際性、政府からの支援などもあり、ブロックチェーン技術への積極性や一般にも広く浸透し始めているところなど、スイスの底力の一端が垣間見えた気がします。

 

最後に

というわけで今回は全然スイスの企業に話は聞けなくて、ある意味情報収集という点では失敗だったのですが、暗号通貨、ブロックチェーン、Fintechという概念の浸透度に驚かされるという経験はありました。(そしてユーロの盛り上がり具合も笑)

 

今まで自分が行った国だと日本の方が進んでいる国の方が多かったですが、スイスに関しては全体像はまだ見えてないんですが、多分日本より進んでいるんだろうな、という印象は受けました。国内に拠点を置いている企業同士の交流もそこまでなく、ある意味バラバラなのですが、それだけ海外を主戦場として国際的に活躍している企業が多かったり、変な業界内政治とかもなく、もしかしたらこれがより成熟した業界の姿なのかもしれません。分散業界、分散国家の先駆け的な笑

 

結局今回自分は北部のチューリッヒのエリアには行けませんでしたが、仕事とかでまたスイスに行くこともありそうですし、次回もう少し現地の人たちと交流したり、リベンジしたいですね。

 

それでは。

  

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