ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

一般的な常識はまだ暗号通貨業界の非常識です。

今年に入ってから日本では特により一般層に近い人たちが、大量に取引所に登録して暗号通貨を購入しているようですが、かなり意識や文化が違うと感じています。中にはアカウントをハックされてお金を盗られてしまうような人たちも少なからずいるようですが、一般的な常識はこの業界の非常識で、初心者が当たり前のことを言ってると思ってたのに、なぜか馬鹿にされたり笑われたりすることもあるという「非常識」なケースをいくつか紹介します。ただし、注意喚起の狙いもありますが、大体ネタなのであまり真に受け過ぎない方がいいかもしれません笑

 

1.ハック被害者のはずが、自己責任だと周りから非難 

最近よくあるのが、取引所のアカウントに不正アクセスされ(おそらく複数サイトで同じパスワードを使い回しているため)取引所のアカウントからハッカーに勝手にコインを引き出される、という事故です。

これに対して取引所に補償などを求めても相手にしてくれないということで、「○○取引所はひどい。絶対にもう使わない方がいい」「責任とれ」「最悪」などと言っている人たちもいるようです。一般常識的に考えると自分のお金が盗まれたり、クレジットカードが不正利用されたりしたら、銀行やクレジットカード会社に補償や対応を求めるのは当然で、それが出来ないなんて最悪だ、ということだと思います。気持ちはわかります。

 

ただこれ、大抵は二段階認証など最低限のセキュリティ対策を自分でやってなかった人が被害になることが多く、被害者で慰めてもらうどころか、「パスワード使い回して、二段階認証もしてないなら悪いのは自分。取引所のせいにするな」など、被害者だと思っていたら、なぜかさらに周りに追い打ちをかけられるということもあるんですよね…。

さすがにお金を盗られてしまった人をさらにフルボッコにする必要性もあまりないですが、技術的にも文化的にも自己責任という概念が基本の暗号通貨業界では、自分のセキュリティ対策がよろしくない状態でコインの盗難にあい、それを責任転嫁するのはNGです。

むしろ今までだと自分の過失でコインを盗られたり、取引所に置くリスクを説明されているのに大量のお金を置いといて、取引所がハックされたり持ち逃げされたりすると、やられた方も含め「笑」的な雰囲気すらありました。

 
参加者の平均リテラシーが下がってきているため(それを一般化とも言うのでしょうが)、取引所、その他の事業者なども含めてサービスの改善などは必要だと思いますが、暗号通貨業界の現状を端的に表現すれば以下のようになります。

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 2.「信頼」とか「安心」の一般概念は通じない

一般的には○○さんは信頼できるとか、○○という会社は実績があり安心できるなど人や企業のイメージや実績で「信頼できるか」「安心できるか」という判断をしている人が多いと思います。暗号通貨業界ではこれはNGで、信頼か安心できるか、などというのは「ソースは公開されているのか」「カウンターパーティーリスクや倒産リスクはないのか」など、コードや設計により信頼が出来るか、というか「信頼する必要がないかどうか」がネチネチ議論されます。圧倒的に「信頼する必要がない」>>>「信頼できる」信仰です。

これは業界全体がまだ発展途上期であることや、詐欺なども本当にたくさん溢れているからという理由もありますし、また一般に信頼されている大企業でも怪しいところで提携したりなどの事態も案外たくさんあるからです。ともかく、「○○さんだから信じられる」というのは暗号通貨界隈のカルチャーとはあまり親和性がよくありません。(まあ最近はトラストレスな人たちの方が少数派の気もしますが)

後は一般的には信頼度の高いはずのスーツをスキャムとか風説の流布をする人もいます笑

 

3.資産がどんどん減ってもへらへら


今年に入ってから一種のバブル相場が続き、どんなコインを買ってもすぐに簡単に数倍に値上がりしていくような状況がしばらく続きました。この波にたまたま上手く乗って自分のポートフォリオを眺めながら、「しめしめ」していた人もいると思いますが、当然実態や裏付けのない急激な価格上昇は永遠には続かず、その内大きく値が崩れる時が来るのは避けられません。実際すでに何回か大きなふるい落としのような値下がりもあり、数日前にほぼ全てのコイン価格が3割以上値下がりするような事態もありましたね。

 

しかし一日に三割資産価値が減ろうが、すでに経験的にもメンタル的にも慣れてしまっている人たちがたくさんいて、含み益が1日で数千万円分減ろうがもはや「きれいなナイアガラが見れた~」などと喜んでいるような人たちも多い始末です笑

 

短期的な価格変動で消耗している新規参入者も多いと思いますが、色々な意味でこの界隈で短期で消耗してても共感が得られなかったりするのでご注意を。

 

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4.話が違う?自分で調べていないのが悪いだけ 。

昨日Stellarというコインの無償配布について、Stellar運営側とPoloniexという取引所でのミスコミュニケーションが原因(のよう)で、Poloniexに預けていたビットコイン分のコインが無料でもらえるとStellarからアナウンスされていたのに関わらず、Poloniexは事前にそのようなことは感知してなかったと直前に告知し、無料コインをもらえると期待していたPoloniexユーザーがある意味で騙される、みたいなエピソードがありました。

一般的な観点から考えれば、「StellarはもっときっちりPoloniexに確認すべきだった!」とか「Poloniexも事前にわかってたはずなんだから、対応する気がなかったならもっと早く告知しておけよ、最悪!」みたいに感じている人もいたようです。

 

ただし、暗号通貨業界のカルチャー的には、公式に「やります」と宣言していてなかったら、勝手に何かを期待するのはユーザーが悪いし、むしろ「やります」と言ってても、結局出来なかったり時間かかったり、というのは日常茶飯事です。上記のようなケースでも、Poloniexが公式にアナウンス出してないのに勝手に期待するのが悪い、みたいな考え方の人が多いと思います。(自分もそう思います)

他にもウォレットプロバイダーへの過度の期待など色々ありますが、何か業界内への企業への過度な期待感みたいなのもあるなーと思います。先に言っておきますが、Poloなんて信頼するようなものではありません笑(自分も使いますけど)

 


というわけで何か色々と大きな文化の違いと若干の危うさを感じる今日この頃です。

最終的には今までいた人たちが老害のごとく駆逐されて、全く違う世界が広がるようになるのはわかりますが、「自己責任」「自分できっちり情報を確認すること」というのをおろそかにしてしまう人たちにはまだまだ危険な状態でもあるということは是非理解してもらいたいなーと思います。技術の特性的にも「誰かを盲目的に頼る」のではなく、「自分で管理する、責任を取る」というメンタリティーへの移行がもう少し必要だと思います。じゃないと、HYIPや詐欺コインに騙された人たちが、今度は詐欺ICOに騙される、という永遠のループが待っているだけかもしれませんので…。

 

それでは。