ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

ビットコイン関連詐欺を4つに分類する

古い記事とデータですが、Southern Methodist Universityの研究者が今年1月に発表したビットコイン詐欺の4つの分類というものが面白かったので紹介します。

 

Bitcoin scams steal at least $11 million in virtual deposits from unsuspecting customers | SMU Research

 

この研究結果によれば、2011年~2014年の間に少なくとも41の詐欺案件が確認され、13000人が騙されたようです。また、合計で最低でも13億円相当のビットコインが盗まれたようです。これは下限の想定値なので実際はもっと多くのビットコインが盗られたことが推定できるようです。

 

調査方法ですが、ビットコインのPublic Addressをバックトラックすることが出来る性質を利用し、詐欺師が使ったアドレスの情報をつぶさに追っていくという手法をとったようです。興味深いです。

 

2015年に入っても、Bitcoin Cloud Servicesが顔出ししてたにも関わらず派手に逃げたり、Deep webでは違法薬物のマーケットプレイスをやっていたEvoが15億円程度のビットコインを持って逃げたりとか、マウントゴックスもこの定義に含めるとしたら、ものすごい額のビットコインが短いビットコインの歴史の中で詐欺られてきているわけです。

 

国内では無価値のコインの値上がりのほのめかして高額で売りつけるタイプの詐欺が主流ですが、今回詐欺のタイプを分類してみます。こういう話は真面目に事業をやっている人たちにとっては本当に迷惑な話ですし、これを読んだ初心者の人たちの理解度が増し、ビットコイン詐欺被害が減ることを祈りましょう。最終的にはビットコインに限らず自分でしっかり情報収集して、上手い話にはのらないことですかね・・・。

 

分類1高リターン投資案件

これに投資をすれば、数か月、数年で投資額の何倍も利益が出ますよ、といったタイプの詐欺ですね。国内でも散見される無価値のコインの価格上昇を吹聴して、お金を巻き上げるタイプのものもこの分類に入ります。

 

また、実態のないクラウドマイニング関連詐欺もこの分類に入れてもいいと思います。自分が購入したハッシュレートに応じてマイニングの収益を得られるはずが、実際はマイニングオペレーションの実態などなく、ある日突然消えるパターンですね。

 

他にも、暗号通貨を使ったクラウドファンディング、いわゆるクラウドセールですが、中には悪質なプロジェクトもあり、詐欺なのか失敗しただけなのか明確な線引きは難しいですが、一部のプロジェクトは詐欺的と言ってしまってもいいかもしれません。

 

この種の詐欺が最も一般的なビットコイン詐欺の形態で、平均して37日間とかなり短いライフサイクルです。また、詐欺師は同様の手口を何度も繰り返す傾向があるようなので、一度投資詐欺にあった人が、同じ詐欺師の別の詐欺に引っかかったりという残念なパターンもあるかもしれませんね・・・。

 

今後もこの分類の詐欺は絶対になくならいと思います。

 

分類2 マイニング投資詐欺

マイニングハードウェア関連の詐欺です。

 

最新の高性能マイニングハードウェアを販売するといってお金を受け取るものの、商品を発送しないで集まったお金を持ち逃げしたりするパターンです。特にビットコインで購入した場合、ビットコイントランスアクションは後ほどひっくり返すことはできないので(No chargeback)、一度詐欺師にビットコインを支払ってしまったらもう泣き寝入りしかないですね。

 

これは他の詐欺と比べると息が長く平均すると145日の寿命なようです。

Butterfly Labなどは大きな騒ぎにもなりましたが、最近マイニングハードウェアに関する詐欺の話はあまり聞かなくなりましたね。マイニングが産業化してしまい、一般人がマイニング機器を購入したりすることがほとんどなくなったからでしょうか。

 

分類3 詐欺ウォレット

ウォレットの開発者が実はサーバーでユーザーの秘密鍵を持っていて、大きな額をそのウォレットに入れたら詐欺師がそのビットコインを勝手に別のアドレスに抜き取ってしまうケースです。

 

最近のウォレットはほとんどがオープンソースやマルチシグになっていて、開発者などが秘密鍵を持っていないことを証明するケースがほとんどですが、取引所が提供しているウォレットなどは運営側がユーザーの秘密鍵を持っていることがほとんどです。具体例でいうと、Coinbaseのウォレットや、日本だとCoincheckのウォレットなどですね。

 

秘密鍵を運営者が管理しているから詐欺というわけでは全くないですが、大きなリスクになるのでオープンソースになっていない場合は、信頼の出来る業者が提供しているウォレットだけ使うようにしましょう。

 

最近はオープンソース化が当然になったり、事業者の選別が進んだので以前ほどリスクは高くないと思います。が、例えばEthereumなどの新しいプラットフォーム上のWalletの場合はそこらへんも含めてまだまだリスクは高いので、きちんんと下調べをして信頼できそうな企業や開発者が提供しているものを使うようにしてください。

 

分類4 取引所詐欺

 

いわゆるGoxするってやつです。

 

取引所が預けていた自分の現金やビットコイン、Altcoinなどを使いこんだり持ち逃げしたりするケースです。マウントゴックス、Mintpal、ほかにも色々ありました。他にももはやなつかしいですが、香港のMycoinなどビットコイン取引所を名乗りつつも、実際はほとんど取引所として稼働してないものまで、取引所詐欺を自分は一番恐れています。

 

Bterも外部からの攻撃とか言ってたけど、詐欺でもおかしくないし、PoloniexもCryptsyもいまいち信用できないし・・・。国内でもRippleの取引所がいきなり使えなくなったり、なんだかRipple系の取引所、Gatewayはしょっちゅう詐欺の話が出ている気がします。

 

 

ビットコイン業界の詐欺は本当に多く、だんだん感覚がマヒしてくるぐらいです。自分は詐欺られたことは今のところない(Bter倒産とかを除くと)と思ってますが、もしかしたら今後何かにひっかけられるかもしれませんし、人のことを笑ったりは出来ません。

 

ちなみに適切な規制をすることで上記のような詐欺を減らしていくことはもちろん賛成ですが、結局いたちごっこで永遠に詐欺なんてなくならないし、最終的にはやっぱりユーザーが情報武装するしかないよな、と自分は思ってます。

 

もしこんな詐欺にあったという人がいたら匿名でいいのでコメントでも残してくださし。たまにひどい話を聞くこともありますが、実際詐欺被害にあった人って全体の何%くらいいるのでしょうか・・・。

 

初心者の人は、とりあえず慎重に。ビットコイン買ったり、何かに投資したりする時もまずは少額から始めることを絶対におすすめします。パスワード忘れたり勝手に泥沼にはまる人も多いくらいですから・・・。

 

それでは。

 

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