ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

Gemsの本当の威力とは?

Crowdsale直前にGemsについての記事を書きました。

 

Crowdsale直前 次世代メッセンジャーアプリGems解説 - ビットコインを語ろう2.0

 

Crowdsaleが始まり、ふたを開けてみると、Gemsチームも驚くほどのスピードでXgemは売れています。現在開始数日ですでに700BTC(3000万円)の売り上げがあり、ビットコインコミュニティ内での注目の高さがうかがえます。

 

Overwhelmed with support, and here's our thank you!

 

日本でもかなりGemsに注目している人もいたようで、個人的にも大した額ではないですがXgemを買ってみました。

 

さあ、今日のブログの内容は、「Gemsすげー、みんなXgem買いなよ」というわけではありません。むしろ私はひねくれているので、あえて少し違う視点からGemsについて感じたことを書きます。

 

Gemsの価値とは?

Gemsの価値はネットワークのサイズにより決まると言えます。ネットワークが広がれば、そこに広告を出したいという需要が増え、Xgemの価値が上がるという設計です。

 

Gemsチーム自身も言っていますが、ネットワーク参加者一人一人がネットワークの価値であり、ネットワーク拡大の恩恵をユーザーが享受できるような姿を目指しています。

 

Gemsの武器はメッセンジャー機能ではない

Gemsは基本的にはWhat's appやLineのようなメッセンジャーアプリです。

 

ただし、Gemsが他のメッセンジャーアプリと大きく異なる点はメッセンジャー機能ではありません。そこだけ見るなら、おそらく既存のものの方が作りはいいでしょう。

 

やはり大きな違いはユーザーがリターンをもらえること、そしてGems保有者にネットワークを能動的に広げるインセンティブがあることです。

 

Gemsをたくさん保有している人であるほど、ネットワークが広がることで、自分へのリターンが大きくなります。Gemsチームが直接お願いしなくても、ユーザーがいわゆる勝手にGemsを盛り上げ、広めていく努力をしてくれます。これがGems、そしてこれからたくさん出てくる分散型アプリの大きな特徴です。

 

既存のアプリも友達紹介でポイントとか、特典をくれるよ、という意見もあると思います。確かにそういうものは今までも腐るほどありましたが、違いとしてはリターン額が運営体に決められてるのか、市場に決められているのか、だと思います。

既存のもののリターンは運営体が額を決め、ネットワークが広がった時に大部分の利益を享受するのは運営体です。それに比べ、Gemsの価値はネットワークが広がるごとに市場原理により決められ、利益の大部分はユーザーに還元されます。成功時のリターンの大きさが全然違うのです。

 

生きづらい世の中になる?

Gemsのようなアプリ(Dapps)は、ユーザーの力を強め、新たな企業、収益モデルを提案するという意味で非常に意義があると思いますし、個人的にもDappsには期待しています。

 

ただし、問題がないわけではありません。

 

今までも、「やらせ」「さくら業者」みたいのは数多く存在し、お金をもらうことでわざと特定の企業のいいことを書き込んだり、逆に攻撃したりする個人、業者は後をたちませんでした。

 

Dappsが一般的になると、自分の友達も含め全員がある意味さくら業者のようになってしまう危険性があります。実際のサービスやアプリが素晴らしいから広めるのではなく、単純にネットワーク拡大による自分へのリターンを求めて特定のサービスをプッシュしたり、言いふらす人が必ず出てくるからです。

 

理想の世界では、本当に自分が好きな、期待する、素晴らしいサービスにトークンの形で投資、参加し、それを他の人にも知ってほしいという理由でそれぞれが行動します。しかし、残念なことにそのような状態に完全になることはないでしょう。

 

今まで以上に、このサービスは本当に価値があるのか、自分の時間やお金をつぎこむ価値はあるのか、などを個々が調べ判断しなくてはいけなくなると思います。友達が勧めるものだから信じられる、という信頼の図式が崩れる可能性もあります。

 

まとめ→宿題はちゃんとしよう

英語だと、事前にきちんと下調べすることを"Do you homework"とか言ったりします。

 

Gemsだけの話ではなく、一般常識的かもしれませんが、周りが騒いでるから自分もよくわからないからやってみよう、ではなく、しっかり宿題をし、本当にこのサービスは上手くいくのかどうかを、自分なりに考えていく必要があると思います。そして今後もその傾向は強まると思います。

 

 

自分もXgemを少し買っているので、本当はGemsを押しまくる方が自分へのインセンティブとしては強いのですが、自分はひねくれているのであえてむしろ逆のことを書きました笑

 

ただ、もちろんGemsには実は気をつけた方がいいとかそういうことを言っているわけではありません。せっかくなので色々調べてからにした方がいいんじゃないですか?っていう提案です。ビットコインコミュニティ全体としてもGemsのようなものが成功するのはいいことだと思います。

 

それでは。