Proof of burn. コインを燃やすとは?
ビットコインは実際には存在しないもので、ブロックチェーン上に記録された台帳のバランスを表示したものに過ぎません。紙幣のように燃やしてこの世から消してしまうということは、できないように思いますが、Proof of Burnという仕組みでコインをある意味燃やしてしまう手法というのが、確立されてきています。
どうやって実体がないものを燃やすのか?そもそも何のためにコインを燃やすのか?そしてそれがCNPCoinとはどういう関係があるのかについて説明したいと思います。
Burnとは何か?
では、Burnとは具体的にどのような行動を指すのでしょうか?
(Bitcoinのburnとは、物理的にPaper walletを燃やすことではないのです)
一言で言うと、確率的にほぼ間違いなく使用不可能なPublic Addressにコインを送ることで、そのコインを使用不可能にすることです。それと同時に、そのコインが使用不可能だということをBlockchain上で誰にでも確認可能にすることとも言えます。
Proof of BurnはCounterpartyのオリジナル通貨XCPの作成時に用いられたことで有名になりました。
では、具体的に何をどうしたのかというと、XCPを作成するために、2124BTCを1CounterpartyXXXXXXXXXXXXXXXUWLpVrというPublic Addressに送って、それら全てのBTCをアクセス不可能にしたのです。
Bitcoin Address 1CounterpartyXXXXXXXXXXXXXXXUWLpVr
このPublic addressはCounterpartyのデベロッパーが人工的に作ったPublic Addressですが、これも立派なPublic Addressになりえますよね?ただし、重要なポイントは誰もこのPublic Addressと結びつくPrivate Keyを予想することも、手に入れることもできないということです。確かに存在するPublic Key。ただし、それにアクセスするためのPrivate Keyは誰もわからない。要するにこれがBurnです。
(11月23日アップデート)
独自のPublic Addressを作成するには、適当な文字列を考えれば使用可能なPublic Addressになるわけではありません。カスタムかつ使用可能なアドレスを作成するには、いくつか手順が必要なのですが、具体的な方法についてはまた後で説明します。
さて、おそらくまだ何の話をしているのかわからないと思いますが、続けます笑(私も最初は意味不明でした)
何となくどうすればコインをBurnできるかわかったと思いますが、そもそもなぜこんなことをするのでしょうか?そこが大切です。
Burnは公平なコインの配布のため
Altcoin、特にすでに採掘が完了しているPremineタイプのコインでよく問題になるのが、コインの分配方法です。該当するものとして、Ripple, NXT,そして私がCounterparty上で作成したCNPCoinにも同じことが言えます。
Ripple, NXTは初期に運営者の独断と偏見でコインの配布を行いました。初期のサポーター、デベロッパー、関係者など判断基準はまちまちですが、要するにRipple Labなどの中央の組織にコイン分配に関する判断がゆだねられているのです。これがPremineタイプのコインの弱点と言えます。
余談ですが、CNPCoinも私の判断で分配方法などはすぐに変更できるので、その点でコインとしての信頼性は低い、というより私を信頼するしかないような状況に現状なってしまっています。
上記のような状況とProof of Burnを比べてみましょう。
XCPの作成にあたり、Counterpartyチームはburnしたビットコインの量に対してのXCPの分配をプロトコルレベルで組み込みました。
つまり、燃やすビットコインが多ければ多いほど、もらえるXCPの量が増える、ということです。これはCounterpartyのデベロッパーも含め、ネットワーク参加者全員に平等に適用されました。XCPはPremineタイプのコインですが、CounterpartyチームのXCPに対する権利というのは、他の参加者と変わらなかったということです。
このような方法でコインを作成、分配することで、参加者全員がいくらのBTCが燃やされたのかを公平に確認でき、BTCを犠牲にした人ほどXCPが付与される、RippleやNXTに比べかなりの透明性、公平性を保つことにCounterpartyは成功したのです。
さあ、何となくなぜBTCを燃やすということが必要だったかわかっていただけたと思います。ただし、もう一つ疑問があると思います。そんなもったいないことを本当にする必要があるのか、ということです。
Burnはビットコイン保持者全員へのプレゼントだ
燃やしてしまったビットコインは戻っては来ません。つまりそれらのコイン、価値は失われてしまったということでしょうか?
実はそうでもないのです。
ご存知の通り、ビットコインの総供給量は2100万BTCと決められています。Counterpartyのケースで言うと、およそ2100BTCが燃やされましたが、それはつまり総供給量が2100万-2100BTCになったと言うのに近いと思います。
有限な資源の総合計が減ることで、現在出回っている1コイン当たりの価値が上がる、つまりデフレが起きたということができるのです。つまり燃やされたコインは決して無駄になったわけではなく、私も含めたビットコイン保持者は全員少しだけ得をしたことになるのです。
CNPCoinを燃やす理由は?
CNPCoinの仕組みを説明する記事でうにゃうにゃBurnについて書いたと思います。なぜ、CNPCoinをBurnする必要があるのか、私の中での正当化を説明します。あくまで私が考えるモデルですので、正しいかどうかはまだわかっていません。
まず、参加者にはCNPCoinを事前に配り、参加の度合いに応じて配布量も微妙に調整しています。広告主はCNPCoinを私に送らないとバナー広告は出せないようになっていますが、もし私がBurnしないで、そのまま広告主がマーケットで買い取ったコインを横領したとします。
そうすると、市場に出回っているCNP総数は変わらないので、1コインあたりの価格に変化はありません。もちろんアクセス数など他の条件を固定した場合ですが。単純に持ち主である私の保有率が上がっただけですね。
広告枠を借りるのに使用したCNPは燃やしてしまうことで、市場の1コインあたりの価値を持続的にあげていくことが目的です。広告枠を有限の資源とみなすことと言えるかもしれません。
もちろん、そんな単純な話ではなく、拡散という協力にどれだけのコインを配るのか、広告枠を何コインで売り出すのか、参加者の数などでもコインの価格は影響します。
ここらへんの価格設定、分配方法が、私自身も今かなり考えて悩んでるところなのですが、世界に色々ある似たようなCrypto-equityは基本的に以上のような手法を使って初期の参加を促そうとしています。
ここらへんはすごく悩ましいですが、考えるのは実は結構楽しいです。考えれば考えるほどこんがらがりますが笑読者の人で何かいい意見、提案がある人は是非教えてください。
かなり長くなってしまいましたが、今回はProof of Burnについて説明しました。考えれば考えるほど、面白いかつクレバーなこと思いついたなー、と感心してしまいます。他にも仮想通貨の世界では日々面白い実験や、アイディアがぼんぼん出てきています。私はもう他のことは全くできないですね笑
それでは。