ビットコイン2.0 Crypto-equityとは何か 「肩たたき券VS出世払い」で見えてくること
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Crypto-equityって?
次世代のCrowdfundingとも言われるビットコイン2.0のCrypto-equity機能は、独自の仮想通貨株式の発行のようなものです。
プロジェクトの初期にリスクをとって資金援助や、サポートをしてくれた人たちに、オリジナルの仮想通貨株式を付与することで、将来プロジェクトが成功した時に莫大な利益を初期サポーターへ生み出す可能性もあります。
代表的なサービスとして、Swarmなどのサイトがあります。
Swarm.co | Revolutionizing Crowdfunding
Kickstarterなどの、既存のCrowdfundingの違いは将来的なサポーターへの見返りの大きさです。
Oculusのケース
Kickstarterの問題点として、よく槍玉に上がるのがOculusのケースです。
Oculusは埋没型のヴァーチャルリアリティーを体験できるヘッドセットです。(こういうのは上手く説明できないですが笑)要は覗き込むと、自分がゲームの世界に入ってるかのうような全方位の3D体験が楽しめるものです。
Oculusは初期にKickstarterに投稿し、Crowdfundingにトライしました。結果は大成功で、大小のサポーターから2億円以上の投資を集めました。金額に応じてサポーターには、初期型のヘッドセットや、Tシャツ、ポスターなどが見返りとして送られました。Crowdfundingの例としては成功例なのですが、問題はこの後です。
その一年半後、OculusはFacebookに買収されます。その額なんと2000億円相当。Oculusの開発者はこれにより莫大な利益を上げたことになります。これに対し、一部の初期サポーターは不公平だ、自分たちに対してもっと還元があるべきたと主張しました。
これらのOculusへの初期サポーターに対して、Kickstarter側は「Kickstarterの本来の目的は利益を出すことではなく、自分が面白いと思うプロジェクトに対してボランティア的にサポートすること」と言った見解を述べています。
実際、無償のボランティア、奉仕というのは美しいものです。
ただし、成功するかどうかもわからないプロジェクトにリスクを負って、投資する、サポーターたちへの還元はTシャツより大きいべきだと個人的には思います。
永遠のスタンダード 肩たたき券
これらの既存のCrowdfundingと仮想通貨の仕組みを使ったCrypro-equityと呼ばれるものの差は、肩たたき券と出世払いを比較するとわかりやすいと思います。と、私は思いつきました笑
肩たたき券は自己発行通貨の永遠のスタンダートです。
ご存知の通り、小さな子がおじいちゃんおばあちゃん達の誕生日にギフトとして送ったり、お小遣いをせびる時に使う常套手段です(だった?)もしくは少し年のいった両親にプレゼントしたりすると喜ばれるかもしれません。
ささやかなプレゼントとして、肩たたき券は素晴らしいオリジナル通貨になりますが、肩たたき券はいつまで経っても肩たたき券で、肩たたきというサービスしか提供しません。
例えば、孫に肩たたき券と交換にiPadを勉強のために買ってほしいと言われ、おじいちゃんがiPadを買ってあげたとします。そのiPadのおかげで子供の成績は急上昇!?し、最終的にその子は事業に成功し、お金持ちになったとします。もしその子の成功に、子供時代のiPadが大きな意味を持っていたとしても、何年たっても肩たたき券からおじいちゃんが得られるのは肩たたきというサービスだけですよね。
飛躍している感はかなりありますが、既存のCrowdfunding(Kickstarter etc)はこの状態に似ています。初期投資者はおじいちゃんです。プロジェクト主は孫です。初期投資者は必ずしも金銭的リターンを求めているわけではなく、事業の成功から得られる物はむしろ精神的ベネフィットです。(孫がしっかり成長した)
もし、孫の成長を見守るおじいちゃんのように、精神的ベネフィット(と少しばかりに金銭的メリット)を得られるだけで満足なのであれば、このモデルにはどこも問題ありません。
Crypto-equityは次世代の出世払いだ
それに比べ、Crypto-equityは出世払いに似ています。
出世払いと言って何かおごってもらったりしたことがある人は多いでしょう。
逆に出世払いでいいよ、と言っておごってあげたり、お金を貸してあげたことのある人もいると思います。
私は完全に前者ばかりで、「まあ今にみててくださいよ」的な感じでごちそうしてもらったり、お世話になることが多いです・・・。
ちなみに裁判だと、出世払いでお金を借りた場合もしっかりお金を返す必要があるようです。当然ですかね笑
出世払いの借金の返済期限はいつ? | 日常のトラブル解決ナビ
出世払いで払われた人のほとんどはきっと出世しないでしょう。実際、ごちそうしたりお金を貸す方も出世払いに関して、返済される期待をあまり持っていないケースも多いと思います。
ただし、自分が色々お世話してあげて、その人が実際成功した場合少なくとも少しは自分に取り分があってもいいだろう、と思うのが人間の本音です。
成功した時に、現実的にどこまで出世払いに対して恩返しをしている人がいるのかは知りませんが、恩返しするかどうかは最終的に成功した人にゆだねられます。もし成功した後に、そんなお世話になったことは知らない、としらをきったらそれまでです。(お金を貸し借りとかしていない限り)
先ほどのおじいちゃんと孫のケースで考えてみます。
肩たたき券の代わりに孫が出世払いでiPadを買ってもらっていたら、将来的に孫が成功した場合、成功に対するiPadの割合分孫はおじいちゃんに負債を負うことになります。少なくとも心情的には。
ただし、実際将来の成功にiPadがどれくらいの貢献があったかは比較しづらいですし、先ほども言いましたが律儀に孫がおじいちゃんにその金額を計算し、支払うこともないと思います。
Crypto-equityは、口約束程度の出世払いといった概念を昇華し、将来の成功をプロジェクト主、投資者両方で分け合える仕組みです。
Crypto-equityを使えば、出世払いの実効性を上げることができます。事業初期に、お金もリソースもあまりない時にお世話になった人たちに、コインを配っておくことで、自分の将来の成功がお世話になった人たちにも還元されるようになるのです。株式に似ていると言えばそうですが、自分のコインを発行するのは大して難しくなく、コストもさほどかかりません。
成功しなかったら仕方ないですが、本当にサポートしたい人や事業をサポートして、成功のうまみを一緒に味わえるならWin-Winと言えますね。
まとめ
かなり思いつき的ですが、肩たたき券と出世払いの比較が浮かんだので記事にしてみました。Crowdfundingの革新はビットコイン2.0でもかなり盛り上がっている領域だと思います。
本当はCrypto-equityの利点や強みを説明するはずだったのですが、肩たたき券を作ってみたくなってしまいました笑やはり永遠のスタンダードはあなどれない・・・。 やっぱり見返りばかり求めてしまうとは、心の豊かさが失われているのでしょうか。
と言いつつも、やはりビジネスの世界ではリスクテイキングにはそれなりのリターンがあるべきです。Crypto-equityを使えば、Crowdworking(見ず知らずの他人が、タスクベースで協力して一つの事業を立ち上げていく)的な既存の会社、組織を覆すモデルが出てくる可能性もあります。今後ともCrypto-equityは要チェックです。
それでは。
(PRですが、このブログでも試験的にCrypto-equityの一種として、CNP Coinという独自通貨を作成しました。コストなしで誰でも参加できますので、興味のある方は是非!)
If you back a Kickstarter project that sells for $2 billion, do you deserve to get rich? | The Verge