ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

Weekly Ochiaiに今日(2/21)10時PMから出ます(国家ICOの件など)

お知らせですが、本日の10時PMからご存知メディアでも最近引っ張りだこの落合陽一さんの番組Weekly Ochiaiのライブ放送に出演することになりました。

 

m.newspicks.com

 

自分がビットコイナー反省会コインストリートなど、最近動画メディアに力を入れてたり、もともと動画系のそういう考察、教育チャンネルみたいなのが好きなのもあり、他の人のチャンネルも面白いのは実は結構見てるんですよね。なのでWeekly Ochiaiも最近ちょくちょく見てた一視聴者なので、ちょっとノリみたいな感じで出演することになったのですが、楽しみです。生放送なので、いろいろいい意味で(悪い意味でも)やらかしたいですね笑

 

ライブ放送は上記のリンクから10時PMからNewspicksの無料会員登録していれば誰でも見れるようなので、是非みなさんライブで見てください。アーカイブをすべて見るのは有料会員登録が必要なようです。

 

さて、一部宣伝にもなってしまうのですが、今日の放送でICOについて、特に国家によるICOのインパクトについて落合さんと一緒に議論、考察みたいなことをしようと思っています。

ちょうどタイミングよくベネズエラの石油に裏付けされた(とされる)PetroのICOが今日始まりすでに100億円近くの金が集まっているようですね。この国家によるICOというのは企業や開発者、分散プロトコルが行うICOとは全く違う意味を持っており、あまりまだ注目されてないですが、今後の暗号通貨業界の方向性を占う大きな話になりそうです。

 

そういうような話を今日コインストリートの方で平野さんと議論した動画を公開しました。詳しくは是非そちらの動画を見てほしいのですが、今日のWeekly Ochiaiの方でも国家ICOが何で大きな意味を持つのか、を一部話す予定なのでお楽しみに。

 

ではでは。

ハードウェアウォレットはまだ人類には早すぎた?Ledger Nano Sで注意すべきポイント。

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先日ビットコイナー反省会の方で、メジャーなハードウェアウォレットの一つ、Ledger Nano Sの使い方パート①動画を公開しました!

www.youtube.com

 

すでに「助かった」「分からなくて困ってたのでありがたい」というようなコメントも来ているようで、非常に励みになりますし、是非もし使い方がわからない、という人がいたら紹介してあげてください。

 

さて、今回の動画は基本的に全てビールさんにお願いしたのですが、ただし初心者がどこでつまづいているのか、セキュリティーの面に関してもっと強調しないと絶対パスフレーズをメモらない人も出てくるよね、など内容に関しては自分の方でもコメントしたりしましたし、正直最初想定したよりかなりてこずりました(まあ主にビールさんにやってもらってるだけだけどw)

 

今回改めて思ったのは、日本では仮想通貨がかなり一般化してきているものの、安全に仮想通貨を扱うためのハードウェアウォレット、というよりウォレット全般がまだまだ一般の知識があまり深くない人たちにとって敷居が高すぎるということです。 

 

 

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…さすがに首からぶら下げてファッションにするほどまだ自分は一体化はできてはいませんが…、自分もハードウェアウォレット愛好家というか、無駄にLedger Nano Sも複数持ってます。クリプト関連のものに関してはむしろ使い方が難解であればあるほど燃えるというか、楽しいみたいなところもあるのですが(笑)、初心者にとっては落とし穴でしかないハードウェアウォレット、特にLedger Nano Sで注意すべきポイントを何点か紹介しておきます。

 

(なお、パスフレーズやPINコードをなくすとまずい、などの基礎的な注意点は上記のチュートリアル動画ですでに解説しています)

 

1.ファームウェアアップデート時にパスフレーズを再入力させられる。

 

ハードウェアウォレットはセキュリティーアップデートなど、頻繁にファームウェアのアップデートがあるのですが、Ledger Nano Sはファームウェアアップデートをする度にパスフレーズを再入力させる鬼仕様となってます。

 

この時点でパスフレーズをちゃんと記録してない人は詰みます。いわゆる美しいセルフGoxの典型例ですね。仮にきちんとパスフレーズをメモっていたとしてもやはりパスフレーズを再入力させられるのはナーバスになりますし、また記録に問題がなくとも、24英単語からなるパスフレーズ(or リカバリーシード)をLederの端末に打ち込む作業はかなり辛くて自分も涙目になった記憶があります。

 

Trezorなどではファームウェアのアップデートでパスフレーズの再入力を要求されることはなく(稀にあるそうですが)、セルフGoxの被害の予防やUXの向上の面でも是非Ledgerに改善して欲しいですね。

 

2.コインごとの「アプリ」インストール

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 Trezorと比べてLedger Nano Sはクローム用のウォレットプラグインやプラグインマネージャーをインストールする必要があり、とりあえずごちゃごちゃしていてややこしいです。また、Ledger1台で管理できるコインの数は4つまでに限定されるという謎に優しくない仕様になっており、多種のコインを持っている人にとってはちょっと残念ですね

(まあその分複数台買えということなのかもしれないですね。自分は4台とか無駄に持ってるのでいいんですが、そんな人は多くない…)

 

なお、ここら辺についてもビットコイナー反省会の方でLedger Nano Sパート②の動画を近日公開予定で、アルトコインの管理方法についてもチュートリアル動画を公開するので、ご期待ください。

 

3.使用方法の説明が「ここのサイト行って、後は頑張れ」みたいになってる笑

複数アプリをインストールする必要があったり、また端末上でも初心者には慣れていない特殊な操作が必要だったり、なかなか学習コストが高いのですが、公式の使用ガイドなどは、「ここに行って、後は頑張れ!」みたいな思い切ったミニマリスト仕様になっています笑

 

ハードウェアウォレットの重要性や基本的な仕組みを理解しているビットコイナー的な人たちであればそこまで難しくないのかもしれないですが、もう少し細かい説明がないと多分自分が何をやっているのか全くわかってない人たちも少なくないと想像します。

今回動画作成している時に発覚したのですが、初心者は「SegWitとは何ですか?」などというレベルではなく、そもそも「BitcoinとBitcoin Cash、EthereumとEthereum Classicって違うんですか?」など、もはや自分が持っているコインが何なのかわからない、みたいな人たちもいるようで(さすがにそれはちょっと、え!?、と思いましたが)、やはり界隈特有の用語や基本的な仕組みの理解などを前提に話さない方がいいことが多くなってきてますね。

まあこれはLedgerだけの問題ではなく、業界全体の問題と言えますけど。

 

4.そもそも在庫がなくて買えない笑

そしてある意味最大の鬼ポイントが、そもそもハードウェアウォレットが世界的に在庫が少なく、買おうと思っても買えない、もしくは二次市場でめちゃくちゃ高額で購入するしかない、ような状況になっていることです。

 

少し高い値段で買うくらいなら必要ならまだいいのですが、ハードウェアウォレットの転売市場では本体が改造されていて、パスフレーズを盗まれるようになっていたり、「セットアップ完了してます」とか言って、何のことかよくわかってない初心者に使用済みのパスフレーズを使わせ、コインが集まった時点で中のお金を引き抜いたりするケースがすでに報告されているのでお気を付けください。

 

ハードウェアウォレットに関しては不良品とかいうレベルではなく、入手経路を間違えると全クリプト資産持ってかれる、などの事態もあり得るので、そもそも入手するまでの時点でも落とし穴があります。

なお、公式も現在在庫がほとんどないようですが、日本だとこちらのサイトが公式代理店(の一つ)になっており、在庫も他のところと比べると豊富なようなので、比較的信頼度が高いと思います。

(最終的には自分でリスクなども考えて欲しいですが)

 

ちなみにまさかここまでハードウェアウォレットが世界的に売れる事態になるなんて、2年前とかに「Trezorデコったウェーイ」とかやってた時は想像もしませんでした…

 

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5.ハードウェアウォレットのセキュリティーも完ぺきではない 

最後に、比較的簡単にコールド環境を作れるセキュアなツールとして自分もハードウェアウォレットの使用を推していますが、それでもまだハードウェアウォレットも完ぺきではありません。

 

例えば先日、Ledger Nano Sのプラグインに対するいわゆる「中間者攻撃」(Man in the Middle Attack)が成功したという話が出ました。

 

簡単に言えば、前述のLedger Nano Sのクロームプラグインの送金先アドレスをマルウェアでハッカーのアドレスにこっそり書き換える、と言った攻撃方法で、気づいてないユーザーは自分のアドレスに送ったと思ったコインが、気づいたら別のアドレスに勝手に送られていた、ということが起こりえるわけです。

 

ただし、ハードウェアウォレットではすでにこういう攻撃に対する対策も考えられており、基本的にはLedger Nano Sのスクリーンに表示されたアドレスが、本当に自分が送ろうとしているアドレスなのかきちんと確認することで、上記の攻撃は防げる可能性が高いです。実際には送金する時に毎回スクリーンを確認している人はそこまで多くないと思いますが、特に大きな金額を送金する時などは念の為きちんと確認した方がいいでしょう。

 

他にも色々ハードウェアウォレットに対する攻撃方法は考えられ、それらへの対策も日々アップデートされているのですが、ハードウェアウォレットの仕組みを理解していない初心者にとっては自分で対策を考えたり、実践するのはかなり難しいのも事実でしょう。

 

結論

ハードウェアウォレットはまだまだ使いづらい点や落とし穴も多い。

 

ただし、大きな額を取引所に置きっぱなしにしていたり、全財産をモバイルウォレットなどのいわゆるホットウォレットに置いておくより何倍もマシなので、最低限の使い方やセキュリティーのリテラシーを身に着けて、自分の資産を失ったりしないように理解できるように頑張りましょう。

 

本当は「何も考えなくても、これを使えば絶対に安全です」という分かりやすいものがあればいいんですが、そういうものはまだこの世界には存在しないですし、暗号通貨のセキュリティーに関するものはもしかしたら永遠にそういう「完璧な利便性と完璧なセキュリティー」を両立したものは出てこないかもしれないので。

 

また、もし上記のような話を含む、ハードウェアウォレットの仕組みや留意点、比較などについてももう少し詳しく知りたい人は、ビットコイン研究所の方でハードウェアウォレットについて決定版の比較、解説レポートを公開しているので、興味があれば検討してみてください。

 

 

 

coincheck XEMハック事件の今のところの所感

さて、何が起きたかなどをこのブログで繰り返しで説明する必要はないと思いますが、昨日1月26日日本で最も多くのユーザーを抱えるとされていた仮想通貨取引所coincheckから、時価で500億円相当以上のXEMが盗まれるという非常に深刻な事件が起きました。

ちなみに昨日の深夜に行われた緊急会見の直前に、ビットコイナー反省会の方で自分の所感や感想も動画で公開していました。かなりテンション低いです。

 

www.youtube.com

 

他にもこの件は色々事件をまとめていたりするメディアやサイトはあるので、それは他の媒体に任せるとして、気になったポイントや所感について何点か準速報的に追記しておきます。

今回のハック事件とマルチシグの使用について

今回なぜか記者からの取材でも「マルチシグ」「マルチシグ」という単語が連発されて、正直これ聞いてる方も何聞いてるかわかってないでしょ、という印象を受けました。自分が2015年に書いたマルチシグに関する記事にも異様にアクセスが増えているので、おそらく今回の件で「マルチシグって何だよ」と思った人もかなりの数いたんでしょう。

 

ただ、今回の事件の主要な問題点はマルチシグではありません。

 

問題は数百億円規模のXEMを「ホットウォレット」に置いていたことです。

(ホットウォレットは利便性を重視して、インターネットにつながっている状態で秘密鍵が保管されているウォレット、その状態です。ハックリスクがオフライン環境のコールドウォレットより高くなると考えられます)


なので、マルチシグしてなかったからハックされた、というわけではないですし、マルチシグをしていれば安全、というわけでもないです。過去にマルチシグを使っていたのにハックされたBitfinexのケースもあります。(詳しくは大石さんのこちらのレポートを参考

 

会見での記者の質問や態度、メディアの仮想通貨取り扱い姿勢全般

昨日の緊急会見の時の記者の質問のレベルや態度は一言で言えば不快と感じるレベルでした。

 

今回ハック事件を起こしたcoincheckのセキュリティー体制についての批判はあって当然と思いますし、そこに関してどのような体制を敷いていたのか、なぜか、今後どういう対応していくのか、など見てる方としては事実関係の整理を期待してたのですが、なんだか大部分、「あなたはセキュリティーがしっかりしてたと思いますか」とか「顧客資産預かる意識が甘いんじゃないか」「代表がしゃべるべきじゃないか」とか何か精神論的なものをベースとしたどうでもいい質問の繰り返しと、なぜか記者が偉いのかよくわからないですが、高圧的な態度で偉そうにこき下ろす、的な状態になっていて、関係者としても、1視聴者としても非常に不快でした。

 

当然記者は出来る限り情報を引っ張り出したいというのもわかるのですが、技術的にもあまり的確な質問とも言えず、一時的に上の立場(相手が「空気」的に反論できない)であることを利用してなぜこの人たちは悦に入ってしまっているんだろう、という感じでした。

 

そもそもこの仮想通貨バブルというか、イケイケどんどんで利用者のリテラシーが追い付かない状態で儲かった人を特集して煽ったり、仮想通貨業界のエース(?)みたいな感じで直前までちやほやしてた人たちが、こういう事件があると手のひらを返してなぜかいきなり叩き始めるのも気持ち悪いです。

 

コインチェックの体制や取引所全般のセキュリティーに関する懸念や警鐘は界隈では以前から一部言われてましたし、まあ今回の事件とは直接は関係はないんですが、メディアの行き当たりばったりの報道はもう長いこと低レベルなままだと改めてがっかりさせられました。

 

コインチェックユーザーへの影響

まだこれはコインチェックの今後の決定次第なので、細かくはまだ考えてないですが、XEMを保有していない他のコインチェックユーザーの資金凍結、もしくは一部資産の没収みたいなことが起きる可能性もあります。そんなのふざけるんじゃない、という声も理解は出来ますが、規約や仮想通貨の法律的な扱いなどを考慮してもどうしようもない、というような状況でしょう。

 

また人によっては、去年支払った税金の分を考慮すると、儲かっていたはずが今回のハックの影響からトレード益がマイナスになってしまう人たちも出てきてしまう可能性もあるとは思います。ここらへんは仮想通貨の税金の制度の根本的な問題とも言え、今後これはこちらのブログやビットコイナー反省会の方でも識者を呼んだりして色々考察、提言していければと思っています。

 

などなど。

 

他にも今回の件は改めて色々考えさせられることも多いので、また色々頭の整理をしてブログや動画、もしくはビットコイン研究所の方で色々考察、今後の展望の予想をしてみようと思っています。

 

P.S. 年始にした大胆?予想が少しづつ的中し始めており、むしろ結構悲しいです。次は草コインフィーバーかな…

 

coinandpeace.hatenablog.com