ビットコインダンジョン2.0

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ビットコインのFungibility(代替可能性)を疑う

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お金の持つ性質の一つにFungibility(代替可能性)というものがあります。

要は、自分が持っている1万円も、他の人が持っている1万円も同じ価値を有しており、差別なく交換可能な状況です。あなたの嫌いな人が持っている1万円も、しわくちゃな1万円も、基本的には新品の1万円と同じ価値を持っていると考えられます。

 

ビットコインも現金のお札同様にFungibleである、という見方が通例ですが、ビットコインには現金にはない「追跡可能」という特徴があります。自分に回ってくるまでの特定のビットコインの過去のトランスアクション履歴が全て確認できるということです。場合によってはPublic Addressさえわかれば、自分が受け取ったお金が誰から回ってきたものかわかってしまう場合もあります。

 

この性質を考慮すると、ビットコインは実はそこまでfungibleではないという主張ができます。

 

例えば、もし過去に犯罪に使われたビットコインアドレスから、回り回ってあなたにその一部が支払われた場合、その履歴を持つビットコインの使用は店舗などから拒否される可能性があります。

 

以前、Coinbaseがビットコイン購入後のトランスアクションを監視している可能性があるという記事を書

 

きましたが、この場合も似たようなことが言えます。支払ったBTCが違法な取引などに使われた場合、さかのぼって自分に被害が出てくる可能性があるということです。ですので、過去の取引だけでなく、実は未来の取引まで自分が責任を負わなくてはいけない可能性が出てくるのです。

 

これは、ブロックチェーンはPublic Addressは記録しますが、保有者までは追跡できないことに起因します。

 

解決策は?

個人的にやくざなビットコインをもらったことも、そのような話を周囲で聞いたこともありませんが、これは今後問題になる可能性があります。が、いずれはDarkwalletのようなミクシングサービスを使い、犯罪者自身が血塗られたビットコインを追跡が難しいようにする可能性も大いになるので、全く問題にならない可能性もあります。

もしくはDash(旧ダークコイン)のようにプロトコルレベルでミックシングをしているAltcoinを使用するというシナリオもあるかもしれません。

 

ただいずれにせよ、よくデジタルキャッシュとかデジタルゴールドとか言われるビットコインには、実際の現金や金とは違う特性があり、現時点では必ずしもfungible(代替可能)であると言い切れないということは知っておいて損はないと思います。私自身も添付の記事を読んで、少し勘違いしてるところがあったと考えさせられました。

 

それでは。

 

cointelegraph.com

 

coinandpeace.hatenablog.com