ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

海外から見た日本のビットコイン、ブロックチェーン業界

最近海外のビットコイン系メディアで日本に関する記事がかなり頻繁に投稿されています。

 

つい昨日のものを紹介すると、


日銀のブロックチェーンに関する発言に関するCoindeskの記事。

www.coindesk.com



Cointelegraphの日本のビットコイントレード量の増加に関する記事。

cointelegraph.com

 

 

自分も先週、日本のビットコイン業界の進展と、特にトークンを利用したプロジェクトやある種のお遊びコインも含めてトークンエコノミー、ビットコイン2.0の領域で密かな盛り上がりを見せているということを紹介する記事を書きました。まあこのブログの読者なら何の話をしているかわかるでしょう笑

medium.com

 

この記事も幸運なことに想定した以上のかなりの注目を集めました。自分がこのブログで日本語で書く記事の通常の10倍くらいのアクセスありましたしね笑

 

そして昨日この記事を書いている途中に極め付けかというくらい日本のビットコインスペースを賛美する記事もbitcoin.comで出てました。自分の記事からの引用も結構あって、ありがたい限りですが。

 

news.bitcoin.com

 

世界は日本のビットコイン市場をどう見ているのか?

 

という感じで海外のビットコイン、ブロックチェーン系メディアでも日本のビットコイン市場だったり、関連企業、規制の話などは特に最近かなり頻繁に紹介されるようになりました。そのほぼ全てがかなり好意的な論調で書かれています。まあビットコインメディアと言ってもビットコインを賛美するプロパガンダ製造機的な側面もありますからね・・・。

先月台湾で関係者と話した時も、日本のビットコイン市場に興味を持つ人は実は少なからずいました。特に法規制がどうなっているのか、トレード市場がどうなっているのか、そしてMijinについて聞いてくる人もいました。彼らもやはり最近Coindeskなどに載っている日本に関する記事などがきっかけで日本の市場などについて知ったのでしょう。

そういう点では最近の海外のメディアでの注目もあり、日本のビットコイン市場が今伸びてきていて、法規制の進展や、一般への浸透も少しづつ始まっていることは認知され始めていると思います。確かに自分もこのトレンドには少し驚いているくらいですし、かなりポジティブな要因だと言えます。

 

日本はビットコイン、ブロックチェーンに関して遅れているとずっと日本国内で言われたり、考えられたりしていましたが、今の時点では必ずしもそうではないどころか世界と比べてもむしろ進んでいる部分もあると思いますし、そういうメッセージが少しづつ海外でも認知されるのは素晴らしいことです。

 

 

ただ個人的に不安や懸念も・・・

 

とは言え当然自分が日本をほめちぎって終わるはずもなく(笑)、どちらかと言えばポジティブな要因の方が多い現在の日本市場の傾向ですが、実は個人的に懸念していることもあります。

 

1つは、最近のビットコインメディアの日本押しで、何か日本市場に関する間違った理解や認識が海外で進んでいると感じるところです。

ビットコイン系メディアのレベルの話もありますが、記事の内容も必ずしも現地のニュアンスを汲んだものでもなく(仕方ないですが)、記事のコメントやRedditなどの反応を見ても、「日本はやはりテクノロジーに関して先進的な国だ」とか「日本はゴックスから完全に立ち直った」とか過剰に褒めちぎる人だったり、もしくは逆に「こんなの全て嘘だ」という人まで、当然と言えば当然ですが正しく認知されている感じはありません。

 

例えば業界団体が日本で複数出来たことに関して海外で記事にされたりもしましたが、2は1よりいい、みたいな感じで手放しにポジティブに捉えられたり、何かそれ自体が大きな前進のように書かれたりもします。が、国内にいる自分からすると別に複数団体が出来ることも、そもそも業界団体が出来ることそれ自体は別にそこまで大きな前進でもないと思います。(今後役に立っていく可能性はもちろんありますが)


何か今まで過小評価されていた日本のビットコイン市場に関して、海外のメディアが実はすごい、ポジティブなことが起きていると報道しまくることで、逆に過大評価に一気にふれてしまった感じです。こういう現象スポーツ選手の評価とかでよくあるんですけどね(笑)過小評価され過ぎたことに気づいた結果、過大評価になるという。

 

別に海外から過大評価されるのは特に問題ないかもしれないですし、シリコンバレーの企業とかもしょっちゅう過大評価されていますが、現実と乖離してしまった評価をされるのは個人的にちょっと嫌な感じがします。

 

2つ目は、日本の特にブロックチェーンに関するメディアの理解や方向性が偏っていっていると感じることです。

 

確かに日本の業界、特に企業との実証実験やブロックチェーン技術を応用したプライベートチェーンソリューションという部分などは海外と比較しても結構進んでいるところもあると思います。ただしそれゆえに一般メディアなども含めて「ブロックチェーン」という言葉をむやみやたらに使い、ブロックチェーンが全てを変えるとか、ブロックチェーンはFintechの本命とか報道されたりすることが増えました。

自分個人としては、メディアなどでもてはやされるプライベートチェーンや金融機関への応用はそこまで強い興味を持ってないこともありますが、何だか企業や技術者などの間でもどんどんよく暗号通貨やブロックチェーンのごく一部にのみ偏った理解や認識をされてしまったり、そういう報道をされることが増えているのは不安になります。

 

このままビットコインなどのパブリックチェーンを軽視して、今の一部のメディアが騒ぎ出したような「ブロックチェーン」に突き進んで行ってしまったとしたら・・・。世界より進んでいたはずだったのに、ある日突然他の国と全く違う方向に進化していることが露呈され、結局スタンダートの違いなどでグローバル展開に失敗し、海外より遅れてしまう・・・。最近で言えばスマホとフィーチャーフォンとかも完全にそうでしたし、もう何度も何度も聞いたことのあるようなパターンですが、何だかブロックチェーン技術に関してもこの方向にどんどん進んでいるような、むしろ、あー、こうなるからガラパゴス化するんだな、というテンプレートを見てるような気になります。

 

 

結局何が言いたいのか

 

まあこの記事自体は自分の愚痴みたいなものですし、大した意味はないですが、確かに日本のビットコイン、ブロックチェーン業界は最近目覚ましい成長を遂げていますし、それが海外でも認知されてきたというのは素晴らしいことだと思います。そして自分も一般のメディアでは書けないような実際日本で起きていることを、今後は英語でも発信していこうと考えています。(そっちの方がアクセスも稼げるし笑

 

ただし、この傾向自体は良いことなのですが、過剰な期待を持たれたり、世界の方向性と逆行する変な方向にガラパゴス進化してしまい、将来的に結局今のリードを無駄にしないかだけ一抹の不安があります。

 

まあ別に日本は日本のやり方でやればいい、世界を気にすることはないという人もいると思いますが、せっかく日本がリードしている部分があり、先行しているのに、それを上手く活用しきれないのは単純に自分はもったいないと思うのですよね。

bitFlyer, Zaifなど今年から海外にも積極的に展開していくという日本のビットコイン系企業も出てきましたが、今後どうなっていくのか楽しみかつ不安に見つつ、自分も個人として、企業として出来ることはやっていこうかと考えています。とりあえず今年はもう少し色んな国に実際に行って、現地の様子を自分で見てみたいなーと。

 

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