ビットコインダンジョン

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BraveのYoutuber寄付支援機能の感想とICO共通の問題点として感じること

 

日本語でも紹介記事が出てましたが、2週間くらい前に公開されたBraveの新しい機能を試してみました。簡単に言えば、Braveを通してYoutuberに簡単に寄付が出来るようになるという機能なのですが、すでに自分も設定済みなので「ビットコイナー反省会」にBrave(Basic Attention Token)を通して寄付できるようになっています。是非Braveユーザーの方がいたら試してみてください!少額で大丈夫なんですが、本当に上手く機能するか気になります。(実際はニュースがあった直後にセットアップしたんですが、記事を書くのが永遠に遅くなってしまいました笑)

 

japan.cnet.com


今回Brave Paymentをいじりながら気づいたこと、Braveの取り組みや類似サービスに関しての感想がいくつかあるので、簡単に共有しておきます。

 

BraveのBasic Attention Tokenの寄付モデルは本当に成立するのか?

Braveの基本的なコンセプトとして、「ウェブサイト上の滞在時間をベースに、オンラインのコンテンツクリエイターに自動的にBATトークンを寄付できる」というモデルです。ブロガー、アーティスト、YoutuberなどのファンがBraveを通してクリエイターに寄付するというものです。

 

似たようなモデルは暗号通貨界隈外も含めて文字通りいくらでもあるのですが、自分はこの「簡単に寄付できるよ」モデルが持続的に上手くということに結構懐疑的です。

 

と言いながらも、逆にノリで自分もチップを送ったり、ボランティア的に役に立つ記事を書いてくれていたり、イベントを開催していたり、オープンソース開発に参加している開発者にビットコインなどを使い寄付を送ることもあります。なので感謝や敬意を示すために寄付を送るということは実際ありますし、暗号通貨は特にオンライン上での寄付をより簡単にしたのは間違いないと思います。

 

ただし、この寄付モデルには根本的なフリーライダー問題があり、別に寄付をしなくても同じコンテンツを消費出来るなら大部分の人は寄付はしないですし、自分も含め寄付をしたとしても気持ち程度の少額であることがほとんどなので、実際のコンテンツの価値に見合う金額を寄付から期待するのは難しいです。コンテンツクリエイターとしても寄付を当てに生活したりするのはかなり苦しいと思います。(そういう人もいるとは思いますが、少ないはず)

 

実際今回のYoutuber用の寄付ツールがリリースされたということで、市場でも好感されていたようですが、正直クリエイターとして設定するのも大変、寄付を支払う方も設定して、BATを用意してデポジットして、そして動画をBraveブラウザから見なくてはいけないなど参入障壁がまだまだ高く、かつチップをするため(お金を無償で支払うために)にそこまで頑張るインセンティブも乏しかったり、少なくとも今の時点ではクリエイターとしても大きな収益は望めません。良く言えば発展途上、悪く言えば根本的に難しいのではないかと。

 

単純に完全な善意に基づく寄付用のツールというのは、響きはいいですし、個人的には応援したいとも思う一方、どんなに寄付が簡単に出来るようにしてもそもそもこのモデルが宣伝されているように機能するのか自分は懐疑的です。少なくともオンラインのコンテンツ消費の概念が数年とかで変わるものでもないかなーと。

BATトークンを組み込んだことによる問題点

また、今回Brave PaymentとYoutubeを通しての寄付受付をセットアップしたのですが、基本的に寄付は全てBATトークンを通して行われることに若干の摩擦と押し付け感を正直感じました

 

例えば自分が寄付をするために、10ドル分のビットコインをBrave Paymentにチャージすると、そのビットコインは裏で即BATトークンに変換され、寄付はBATで行われます。

ただ、いちいちビットコインやEtherをBATに変えるのも本来無駄なステップだと思いますし、その変換に何かしらの手数料やスプレッドが乗っけられていたり、逆に寄付をもらう側としてもBATトークンじゃなくて、より利用用途が広いビットコインやEtherをもらった方が正直使いやすいです。


BATはICOをしたプロジェクトの中では、すでにかなりイケてるブラウザを企業として持っていたり、むしろかなり筋のいい方だと思うのですが、やはりBATトークンを組み込む必要性があるのか疑問です。


ホワイトペーパーを一度さっと斜め読みしただけなので、むしろBATトークンはこういう使い方をされるから意味があるはずだ、という反論があればむしろ是非お願いしたいのですが、寄付の媒体として使われることをメインに考えられているとしたら、1つ目のポイントも含めてなかなか厳しいんじゃないかと思います。

無駄なトークンをICOで組み込むこと全般について

BATに限らず、ICOをしたいが為だけに無駄なトークンを組み込むプロジェクトが正直多すぎると思います。

自分がICOに批判的なのはかなり明らかだと思いますが(ビットコイナー反省会でも複数ビデオにしたり、BTCNでプロダクト開発の不在について指摘したり)理由の大きな一つに不必要なトークンを組み込むことで事実上そのプロジェクトの中長期的な失敗可能性を大きく引き上げると考えているからです。

トークンを組み込むことで、「コミュニティーからの協力が得られる」みたいなことが言われることもありますが、実際には「価格が何で下がってるんだ」とか「サービスの設計を無理やり変えてでもトークンに価値を乗っけるようにしろ」とかホルダーやコミュニティーから妙なプレッシャーがかけられることも多いです。また当然リーガルやコンプライアンスなどのリスクを大幅に引き上げる側面もあります。


一言で言えば、特にあまり必要性のないトークンを組み込んでしまうと後々邪魔でしかなくなる、デメリットの方が多くなる、というのが経験則からの自分の私見です。


ただし、人によってはこの多くのプロジェクトがトークンを持つ将来は避けられないとか、むしろいいことだ、という人もいますし、まあその可能性は否定はまだできないとも思います。また、Ethereumなどを中心にトークン同士の分散取引や高速化、シームレス化に取り組んでいるプロジェクトも複数出てきており、技術が進化することで今回自分が感じたような「UX観点からのトークンの摩擦」も気にならなくなるのかもしれません。

なので、これはまだどうなるかわからない、というのが本音ですが、個人的には大小多数のプロジェクトが広く投機的なトークンを組み込んで、それらのトークンがシームレスに行き来する、という姿は懐疑的です。トークンが悪いのではなく、むしろトークン間の分散取引などはかなり期待してるのですが、中長期では今のICOトークンの大部分も自然と淘汰されていき、必要な形でトークンを組み込んでいるものだけが生き残るでしょう。

 

最後に

というわけでBraveとBasic Attention Tokenに関してどちらかといえば批判的になってしまいましたが、途中でも言った通りBraveはそれでもまだまともなICOプロジェクトの一つだと思います。

また、無償の寄付ベースのモデルは上手くいかないのではないか、ということも言いましたが、同時にWikipediaという「インターネットの奇跡」だと自分が考えているんですが、基本的に善意に基づいて作られているけど上手く行って、社会にものすごい貢献しているようなものもあるので、全否定はよくないな、ということでとりあえず自分でもセットアップしてみました!(にしてもいまだにWikipediaがファンディングを含めてある程度上手くいっていることが信じられないというか、感動的w)

 

この記事書いた後に、数々のハードルの乗り越え、Braveを通して1ドル分でも寄付が集まったら感動します笑

 

それでは。