善意の自由主義者がビットコインを破壊する?
昨日Cointelegraphに非常に興味深い、中々物議をかもすような記事が出ていたので共有します。
Libertarians: ‘Bitcoin’s Biggest Threat’?
記事を簡単に要約すると、
投資の専門家Martin TillerがNASDAQに書いた記事で、
ビットコインにとって最大の脅威は、外部から来るものではない。
分散型の無政府的な性質をもつデジタル通貨は、極端な自由主義者を特にひきつけている。
自由主義者の主張がコミュニティー内で大きな影響力を持てば持つほど、一般への浸透をより難しいものにする
と、ビットコインのコミュニティー内で少なからず存在する自由主義者を批判しました。
ビットコインコミュニティーの自由主義者の代表として、日本のビットコイナーにもおなじみのRoger Verも記事内で例としてあげられています。
Bitcoin JesusことRoger Ver。東京ビットコインミートアップなどにもよく顔を出しています。
Cointelegraphの記事の論調は、ビットコインの世界にはすでに自由主義者だけではなく、色々なバックグラウンド、思想を持った人たちが共存していると指摘し、Tillerの主張に反対する感じでした。
それでは、Tillerの主張は間違っているのでしょうか?私自身、自由主義的な考え方や、性質を持っていますが、Tillerの主張はあながち間違ってもいないと実は思っています。
一般人の政府への信頼
自由主義者以外を、あえて一般人と呼ぶとしましょう。
一般人、特に日本の一般人の政府、企業、既存のものへの信頼は非常にあついと思います。どこかしら不満や疑問などはあったとしても、本気で既存貨幣を疑ったり、既存の仕組みを疑ったりする人はそんなにはいません。
社会に上手く溶け込み、調和を大切にする日本の文化もあり、自由主義的、無政府主義的な主張は一般人にはおよそ相容れないものです。Radical,Crazyな考えはご法度です。
ビットコインが日本で中々浸透しない大きな理由の一つもここにあると思います。自由や解放をうたい、既存のものを破壊するものとしてビットコインを説明したとしたら、一般人をひきつけるどころか、遠ざけてしまう可能性が高いです。
自戒もありますが、ここをあまり理解していないビットコイナーも多いと思います。一般人に説明する時にどのような角度から説明すれば彼らにとって一番興味を持ってくれるかではなく、自分の考えを長々と説明したり、技術の話ばっかりにかたよったりしてしまうのです。
急がば回れ?
真に自由で、抑圧から解放された社会を作りたいと思うなら、ビットコインの一般への浸透は必須です。その為の近道はあえてそういう思想的なことを全く話さないことかもしれません。特に日本国内においては。
少なくとも最近私は、あまり「政府を潰したいと思ってる」とか、「銀行の支配から解放されたい」とかは一般人には言わないようにしています笑仮にそれが目標だとしても、そんなことを言っても普通の人には何も響かないからです。
とはいえ、ビットコインのどの側面が響くかというのは、性格、職業、バックグラウンドなどで全然変わってきます。技術者にはこの切り口、金融の人にはこの切り口、OLにはこの切り口、みたいなビットコイン営業マニュアルを作ってみたら面白いかもしれませんねw
それでは。