ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

「タイムバンク」をやってみることにしました

ちょっとひょんなことから?メタップス社が少し前から始めた、時間売買プラットフォーム「タイムバンク」にいわゆる専門家として参加することになりました!自分が売りに出す時間の購入は11月22日(今日)から始まり、すでに購入したい人がいれば秒単位で「時間」を買えます。

なんでタイムバンクやろうと思ったのか

正直言うと実は別に元々やる気があったわけでもないんですが、数か月前はVALUがめちゃくちゃ盛り上がって、その少し後にこのタイムバンクが出てきたり最近この「自分の時間や信用の販売&トレード」的なコンセプトが流行っているなーと遠目で見てました。VALUに関しては一応入出金がビットコインだったり一部暗号通貨が関連する部分があるのですが、タイムバンクはコンセプトは近いですがビットコインとかは全く今のところ関係ありません。

 

ただし、ご存知自分も一緒に仕事している大石さんもタイムバンクで専門家としてリストされていたので、実験がてら自分も確か1か月くらい前に試しに申請してみました。とはいえ、タイムバンクの場合特に初期はすでに知名度のある人を優先してリストしていたので、自分の知名度なんてせいぜい界隈で言えばエコビットレベルなので審査通らないだろう、と特に何も期待せず、申請も「フルタイムビットコイナーです」的な適当なことをめちゃくちゃ短く書いて提出しました。(もはや半分運営への冷やかし行為に近いw)

 

それでほぼ申請したのも忘れてたのですが、後日タイムバンクの運営の方から連絡が来て、「申請を承認させていただきました」と通知され、「は、はぁ…」となってしまったのですが、話を少しして、まあせっかくなのでやってみます、ということで今日にいたります。

 

ちなみに、「別に自分はそこまで業界の外で知名度も高いとは思わないですし、なんで申請通してしまったんでしょうか?」、と聞いたら、何か運営の方で暗号通貨に関して積極的に勉強している方がいたようで、「ビットコイナー反省会も見させてもらっています!」、という出来レース?だったことが判明笑

そうなんですよ、反省会はなんか色んな人が実は見ていたりするからちょっと面白いんですよねw

 

自分の時間で何が出来るようにするのか? 

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というわけでせっかくなのでタイムバンクやってみることにしたのですが、普通にやっても面白くないなー…、と。

他の「専門家」がやっていることを見ると、(いくつかの例外はありますが)今のところ「オンライン会議でのコンサル」みたいなのばかりで、正直時間を切り売りして相談料として使っても、使用する人もそこまでいないような気もしますし、案外需要があったとしても正直あまり面白くはないです。それなら別に自分で1時間3万円、とか設定して個別に支払い請求したりすればいいだけの気もしますしね。

 

なのでやるならよりオープンな使い方でもう少し面白い/盛り上がりそうな方法ないかなーと考えて、結局「ビットコイナー反省会への出演」という形でとりあえず自分の時間を提供することにしました。

 

購入した時間を消費することで、ビットコイナー反省会のチャンネル上の動画に出演し、自分のプロジェクトや会社を紹介できる、もしくは適当に公開で質問などを出来るようにします。例えば、ICOをやるプロジェクトでもっと自分たちのプロジェクトを知ってもらいたい、でもいいですし、会社やプロジェクトの求人活動に使ってもいいですし、そこは極力フリーでやってみようと思います。

 

ただし、出演する=一緒に宣伝する、ということではなく、例えばICOプロジェクトが来たとしたら、本当に意味のあるプロジェクトなのか、どんな人たちが関係しているのか、どこかに落とし穴がないのか、などリスナーと一緒に多分結構細かく質問します。その結果次第では、むしろ出演しない方がよかった、みたいになるかもしれませんが、まあまともなプロジェクトならそんなエグいことはしないので安心してください笑

 

最終的には視聴者がそれを見て判断してくれればいいと思います。

 

というわけでやってみながら需要がなさそう、もしくはもっと面白い使い方を思いついたら提供内容を変更していく可能性はありますが、とりあえず出来るだけ時間を消費してもらうことを念頭に設計、時間も販売しようと思ってます。

最初の価格設定はおよそ1時間3万円で、反省会への出演料(とある程度の露出効果)を考えるとある程度妥当なラインかな、と思いますし、出来るだけ変に価格が釣り上げられたりしないようにある程度考慮してます。

 

また、一応「番組への出演時間」を提供することで、ビットコイナー反省会の視聴者が今後増えていくと仮定すれば、最初に時間を買ってくれた人たちにもある程度のベネフィットを提供できるかもしれません。そもそもタイムバンクみたいなサービスのコンセプトって、「まだそこまで有名でもない人やサービスを支援して、一緒に成長していく」というのが本来のコンセプトだと思うので、すでに有名な人がやるより、自分位(エコビーレベル)の知名度の人がやる方が多分面白いんですよね。

タイムバンクに関して気を付けるべきこと

これはタイムバンクで時間を売っている側が言うことではないかもしれませんが、「時間の購入者」は立場的にはかなり弱い存在になります。時間を消費したり、もしくは後で誰かに売ろうと思っている人もいるかもしれませんが、これはあくまで寄付行為の延長で、買った人に何かしら絶対に特定の権利が付与されるわけではありません。ある日突然もうやめます、と自分が言ったらそれまで買った分の時間は文字通り無価値になってしまう可能性があります。(今後タイムバンク全体でそういうケースは間違いなく出てくるでしょう)

そういう購入者へのリスクも考えて、自分は基本的に「現実的に消費できる範囲」でしか時間を売らないことにしますが、購入する側も本当にこんなもの買う価値があるのか、いつか大人の事情で無価値になるかも、などはちゃんと考えといた方がよいかと。ずーっと言ってますが、ICOとかも同じですね、基本。

 

タイムバンクでの時間の購入方法など

正直自分も別にそこまで詳しくないのですが、こちらの記事などを参考にしてください。基本的には銀行入金でタイムバンクにお金を送り、それを使ってiOSアプリから時間の売買が出来ます。なお、現在タイムバンクはiOSアプリしかなくて、アンドロイドユーザーが参加できない状態で、Android派の自分としてもこれはかなり悲しいので早くAndroid版がリリースされることを祈りましょう…。


最後に

 

というわけで、あえてそこまで深く考えずにとりあえずやってみます。やってみていまいち面白くない、不必要に時間がとられる、となると段々フェードアウトしていく可能性もありますが、時価総額1番を目指そうとかではなく、とりあえずタイムバンク上で一番時間消費されている人、位を緩く目指します。

あ、そしてこの実験がある程度上手くいったら、CNPCOINとかHANSEIトークンでも同様の企画は出来るかな、と考えており、しばらく何もできてなかったのですが自分が発行していたトークンでも少しづつ出来ることをまた提供したいと思っています。

正直タイムバンクが始まる前から似たようなことは実験したり考えてたりしたし、本当はトークンとかを使うことでもっと面白いサービス作れるのになーと思うところもありますが、まあそれはまた別の話…w

暗号通貨と訴訟(既存の法律)の微妙な関係 ICOトークン編

鳴り物いりで200億円以上のお金をICOで調達しにも関わらず、結局内部崩壊で何もできないまま終了しそうになっているTezosが訴訟されるということで一部界隈で話題になってます。

markethack.net

マーケットハックのこちらの記事でも簡潔にまとめられていますが、この訴訟は今後のICO市場全体に影響を及ぼす可能性があるので自分も注目しています。

 

で、Tezosの件に限らないですが最近(まあ以前から)暗号通貨業界でもこの訴訟とか、訴訟リスクが話題に上がることがあり、暗号通貨やICOなどに訴訟や既存の法律がどのように関わってきているかを今回考えてみます。法律の解釈の話ではなく、このような判決になったらそれは暗号通貨にどのように影響を及ぼしうるか、という話です。(正直法解釈などは自分には全く出来ないのであしからず)

 

今回はとりあえずICOトークン編で、次以降の記事でハードフォク、フォークコインと訴訟(リスク)の関係について書いてみる予定です。

 

ICOトークンと訴訟リスク

ICOトークンと訴訟の話は本来そこまで難しい話ではありません。

 

これは確か以前別の記事か動画でも説明してましたが、ビットコインなど特定の発行主体が存在しない、いわゆる「暗号通貨」と、ICOなどの発行主体が存在する「トークン」は本来分けて考えられるべきものです。

 

そもそもビットコインの革新性は「発行主体がいない」「プロトコルに従うことで直接コインが生成される」部分であり、発行主体がいないから誰を訴えるんだ?という問題がありました。

 

過去にもデジタルマネーを作ろうというサイファーパンクの動きなどが最終的に失敗したのは、究極的には発行主体がいたから、そこを抑えてしまえば訳なく潰せたから、とも言えるそうです(この辺もうちょい自分でも歴史を学ぶ必要がありますが)

 

なので、暗号通貨は本来設計的にも訴訟リスクなどには強いはずですが、ICOトークンはコインの発行主体が存在してそれを投資家に売るという行為をしているわけで、それが証券を売る行為などと見なされればモロに規制や訴訟、罰則などを食らうリスクがあります。これは前から言われているし、そこまで真新しいことでもないです。


特定のICOトークンが証券とみなされ、ICOの多くが違法に証券を販売しているという判断が仮にされたとしたら、ICOトークンの価格が軒並み爆下がりしたり、取引所がICOトークンを除外したり(トレード出来なくなったり)、場合によってはトークン保有者へ責任が追及される可能性があることも、ICOの訴訟リスクとして当然考えておくべきでしょう。

 

ただし、ここで一点興味深い点があります。

ビットコインなどは発行主体がいないから訴訟リスクに強い、という話がありましたが、今回ニュースにもなっているTezosはどうなのか?という話です。

最近のICOの大部分は、イーサリアムというプラットフォーム上でトークンを発行して、それを何かしらのサービスやプロジェクトに組み込んで事前に売り出す、というパパターンが大半です。

一方、Tezos自身は本来イーサリアムなどと競合することが期待されていたスマートコントラクト「プラットフォーム」です。ICOで売りに出されたコインも、いわゆる「Utility token」(機能ベースのトークン)ではなく、Tezosの場合はProof of Stake型のコンセンサス形成に必須となる「Protocol token」(プロトコルトークン)でした。

このようにプロトコルトークン自体を事前にICOで売りに出したプロジェクトは他にも複数あり、有名なものでは「Lisk」「Waves」など、そして「Ethereum」自身がプロトコルトークンICOの走りでもあります。

 

今回仮にTezosのプロトコルトークンのICOでの販売が違法な証券販売とみなされるなら、これはその他の「明らかに」法律を破ってそうなUtilityトークンICOだけではなく、プロトコルトークンのICOにも疑問を投げかけることになりかねません。その場合、Ethereum、Lisk、WavesなどそれぞれにFoundationが存在するので、確率は低いと思いますがそこが訴訟対象に将来なってきたりするのかもしれません。
(実際イーサリアムのEther ICO自体のスキームに疑問を投げかける人も少数派ではありますが存在します)

Tezosの場合、結局トークンの分配すらままならない段階でのプロジェクト崩壊ということで解釈が少し変わってくるのかもしれないですが、本来訴訟リスクなどに強いと考えられていたビットコイン含むプロトコルトークンさえも、ICOをすることで訴訟リスクが付きまとう、場合によっては開発停止、返金要求などが起きる可能性があるとすると考えさせられる部分も多いです。

 

ICOにとって訴訟は悪いことか?

自分個人としては今のICOの大部分は悪質だと思ってますし、ただのレモン市場に過ぎないと思っているので、今回のTezosのケースなどで訴訟→判例が出てくるのはICO全体の健全化の点では悪いことではないと思っています。正直わけのわからないICOのステマなどで界隈があふれていたり、今がチャンスとばかりに昔から業界にいる人たちさえよくわかってない人たちからお金を巻き上げているような現状は、何か大きなショックがないともう変わらないと思いますし、Tezosの件が目覚めになるならそれはそれで問題ないんじゃないでしょうか。

 

というわけでTezosの件は単純なICO判例というだけでなく、プロトコルトークンのICOの側面からも重要なケースになるかもしれず、やはり注目です。

 

The DAOに関してSlockの管理や大きな影響を認めたSECの告知も興味深かったですが、今回の判例次第では管理主体がいないプロトコルトークンだ、という主張が跳ね返される可能性もあり、果たしてどこまで既存の法律が「暗号通貨」を裁けるのか興味深いです。場合によってはビットコイン自体の将来にとっても疑問符が出てくるかもしれないですしね(最近自分は政府や金融機関がビットコインやフォーク問題に与える影響をモヤモヤ考えてます)

自分はむしろTezosにはむしろ少し期待してたくらいなので、こんなダサい形で終わってしまうのは少し残念だと感じてますが、まあICOハイプを正式に終わらせることになったらある意味歴史に残るのかもしれません笑

あ、そしてICOレモン市場の続編、どういう風にICOを規制すべきか、規制なしでブロックチェーン技術やスマートコントラクトを応用してICOを健全化させることが出来るのか、という考察動画も近く公開予定なので是非見てください。Soon tm!!!笑

ICOレモン市場①ビデオ

www.youtube.com

 

 

 

「ビットコイナーとして生きていくには」インタビュー 初期のビットコイン業界と仕事の作り方など

先日平野さんの「世界で生きる実践・研究所」の方でインタビューされた動画を、特別に「コインストリート」の方でも公開させてもらいました。

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平野さんのサロンは海外での仕事の作り方、生き方、税金の話などなど、かなり真面目なグループなのですが(自分も実は個人的に参加してます)、今回の自分へのインタビューはかなり個人的な話だったり2014年に仕事どころか業界がほとんど立ち上がってなかった時にどう生き残ったのか、初期のビットコイン業界の様子など含め、平野さんのサロン参加者以外でも興味ある人いるんじゃないのかな、ということでコインストリートの方でも公開できるようにお願いしました。↓動画リンク

 

vimeo.com




今となっては取引所を中心に暗号通貨のトレード需要が爆発してかなり儲かっている事業者も多いですが、自分が色々やり始めた時は日本国内ではMt. Gox後、取引所もまだほとんど存在しないような状態で、ビットコインを買ったりするのだけでもかなり大変でした。(Local Bitcoin使ったり)

そこから3年ほどで状況はかなり変わり、規制が始まり一つの業界として確立された感がありますし、よくも悪くもそういう黎明期的なところを知らなくとも、「暗号通貨業界」「ブロックチェーン業界」で働きたい人というのが増えているような印象です。3年で変わると考えるとものすごいスピードですし、この業界の醍醐味かもしれません。(まあ何か油断すると色々事件が起きて心が休まらないのも事実ですが笑)

というわけで、少し昔話や自分の就活(にやる気がなかった)話など、割とどうでもいい話も多いですが、初心忘るるべからずというか、どうしてここまでビットコインに興味を持ったか、それ以降業界がどのように変わってきたか、など特に暗号通貨業界で今後働きたいという人にも興味深い内容かもしれません。(と思ってくれると嬉しいですがw)

 

他にも、英語の学習法とか、海外のチームとの仕事の仕方や違いについて考えること、などビットコインとは直接は関係ないけど少し役に立つかもしれない話もしてます。

(平野さんのサロンはビットコイン関連の話も実は結構あるのですが、海外で実際に生活して独力でビジネス作ったり、同様のインタビューを他の人にもしているのですが、結構生命力が強いというか、ガッツのある人もいて自分も結構面白いです)

 


さて、この動画内でも後半で言いましたが、今でもビジネスチャンスや仕事を作れる領域は技術者、非技術者問わずまだ色々あると思います。特に日本は世界でも有数の暗号通貨市場が立ち上がっており、工夫次第では今からでも全然遅くないのではないかと。むしろ海外の企業などが今積極的に日本の市場に参入しようと動いていたり、「これから感」が強いです。

同時に儲ける方法は色々でてきていますが、宣伝など個人的にはあまり見たくないような世界(スキャムICOやステマなど)が広がってしまっているのも事実だと思っており、そもそも暗号通貨に感動したことは何なのか、実現したかったことは何なのかという部分は今後も大切にしたいな、と自分でも思ってます。ただし、そういう方向性で考えると、中々ビジネスとしては難しかったりするので、中々バランスが難しかったりするんですけどね…。
 

というわけで、今明かされるインド人ルームメイトとの「蒲田デイズ」(笑)、何も考えずとりあえずフルタイムビットコイナーになったら数か月でビットコイン価格も3分の1になってしまったり、あまり真面目に業界に転職などを考えている人には参考にならない(しない方がいいw)話も多いですが、個人的なぶっちゃけ話だったり、最近特に消耗している人には面白いんじゃないかと思うので、興味がある人は是非コインストリート、もしくは平野さんのサロンの方でどうぞ。今回話さなかったけど他にも面白い話はいくらでもあるので、機会があればまた少しづつ何か話します笑