ビットコインダンジョン2.0

Bitcoin (ビットコイン)やブロックチェーンを技術に詳しくない人たちのために、面白おかしく、そして真面目に語ります since 2014

ビットコイナーはTo the Moonします ビットコイナー合コンの衝撃2

お待たせしました~~~!!!笑

 

この誰が得するかわからないがなぜか続編を超絶一部の人にのみ期待されていた「ビットコイナー合コン」…。ついに第二弾を開催しました!

 

いやー、もうこれからは女性関係も分散化させる必要あると思ってますからね。Single Point of Failureは悪だということはビットコイナーなら常識ですよ。地理的にもノードを分散させ目指せゼロダウンタイム!

 

さて、果たしてビットコイナー達は安息の地へTo the Moon出来たのか、定期的な合コンを通してこの破壊的技術の一般浸透度と世の中のイメージの変化を測る、社会的意義の高い実証実験のレポートをお届けします!

 

今回のビットコイナー合コンメンバー

 

今回は前回のメンバーに加えて、新たに期待の大型新人をWantedlyで募集することに成功しました!

本人のプライバシーのためにちょっと誰かは言えないのですが、強いていうなら恵比寿周辺で取引所を運営してそうな若き起業家、とでも言いましょうか。

この大型新人、いや、スーパーエースの加入で今回こそワンチャン、…いやTeechanがあるのではないかと盛り上がるビットコイナー陣。同時にまたさらなるカオスが起こりそうな予感もして何とも言えない不安も合コン前からビンビンしていました。(ちなみにビットコイナー陣のFacebookグループ名は「Teechan」にいつの間にかなってたw) 

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(合コン直前に気合を入れて撮った写真。月利20%とか言ってそうな人たちにも見えないことはない…)

 

ちなみに女子陣は今回も強力なラインアップをそろえ、空の覇者CA、肉食系金融女子、そしてハイテンション国際派キャリアウーマンというメンバーをそろえました。割とガチです笑

ちなみにですが、Facebookでつながってしまったメンバーもいたようなので、この記事はほぼ100パー女子陣の一人にはばれます笑もう自分はGox覚悟で社会に有用な実証実験の結果を書いているわけです。検閲耐性重要ですよ。(このブログ閉鎖の危機、いや自分の生命の危機もTeechanありえます

 

合コン前に生まれた珠玉の名言

 

正直に言えば合コン自体より合コン前が一番楽しかったりするのですが、合コン準備期間でも数々の名言が生まれました…。オープンソース化するんで自由に使ってください。(正直この時点で満足して合コンキャンセルした方がよかったかもしれない

 

本気と書いてフルノード


ビットコイナーなら誰しも憧れるフルノード。僕らは常にフルノードです。


サイドチェーン女子

本命彼氏と遊びの男の間を、Two way pegで自由に行き来するサイドチェーン女子が合コンには数多く潜みます。日本はサイドチェーン立国という噂もあるので気をつけましょう。ちなみに自分はOne way peg、Proof of Burnの真面目男子です。

 

ビットコイナーのホワイトリスト化

女子陣は合コン前から厳格な審査に基づくチェックリスト作成してたらしいですからね。最近業界内でもホワイトリスト化が流行っているようですが、いや、そんなチェックリスト作ってもビットコイナーの良し悪し判定出来るんですか!?総合的な判断なんて言っても、女子にお伺いを立てるだけみたいなビットコイナーの草食化と弱体化が進むだけなんじゃないんですか!!?…すいません、取り乱しました笑

 

 

前回からの反省(Bitcoiner Improvement Proposal)

 

第一回ビットコイナー合コンでは、タワマン女子と百戦錬磨女子に数々の苦汁をなめさせられたのは周知の事実です。やはりビットコイナーと社会の壁は大きかった。

 

そして今回は前回の反省から、業界内ではご法度の「あえてスーツで行く」というBIP(Bitcoiner Improvement Proposal)もあったんですが、そもそも全員スーツを着なれてない感がバレる確率が100%あったのと、今回は土曜の夜だったので「何でスーツなの?」とか「TPOわきまえてない」という冷たい視線を浴びせられるという可能性が高かったので中止。

 

 その他のBIPとしては、意識の高い発言と少しの嘘を繰り返しハイプを作り出す、Blockchainer化のBIPもあったのですが、これは色んな意味で失うものも多いということで却下。

 

後はこれは完全にビットコイナー関係ないのですが、「キッチンに住んでいる」などの言わなくてもいいことは積極的に黙っていくという案も出ました。ギリギリのマーケティングトークで勝手に勘違いさせて自主的にScamさせる、ICO方式です。

 

他にも色々作戦を練った(ような練ってないような)んですが、結局はありのままに行くしかないということになりました。しかし、事前に女性の仕掛け人と共に入念な打ち合わせを行ったのですが、ぽろっと本音で「ビットコイナーありのままで行ったら戦えないですよ」という、そんなこと言ったらこの企画自体の存続意義が否定される発言があったのですが、聞かなかったことにしました。 

 

 

ちなみに自分個人の今回の戦略としては「出来るだけ喋らない」という戦略で行きました。口を開けばいらないことや人をディスる発言ばかりが出てきてしまい、墓穴を掘り続けるだけのクソ男になるだけなので、出来るだけ発言を慎む作戦です。(「黙ってた方がまし」とかよく女友達に言われるのですが、マジでどんだけ失礼だよ)

というわけで決戦の地恵比寿に集合!ビットコイナー達の運命は果たして…


前半はただの合コンみたいになってた!


細かい話の内容はもはや覚えてないのですが(笑)、前半はふつーーーの合コンみたいには一応なってました!いや、もうそんなのつまんない、もっと詳細を教えろみたいに言われるかもしれないですけど、本当に普通にしょうもない話をしてましたよ。もうこの時点でこの記事おしまいって話なんですけど笑

 

自己紹介から始まり、仕事や出身は~、とかまあそんな感じの話をしながら適当な話を2時間くらいしてましたね。特に記憶に残る発言はなかったのですが、ハイテンション女子のテンションがとりあえずやばく特に前半はみんな持ってかれてましたね。自分はディスをいちいち入れて行きたかったのですが、ひたすらに苦笑してました。CAは非常にいい意味で常識的なエレガント系で、金融女子もコミュ力がそこそこ高くてまあ本当に記憶に残らない普通の話をしてました。自分はひたすらに苦笑してました。

 

まあそれぞれ何かまあそつないことを話しました。いや、本当にそれくらいしか言うことないんですよ。

 

1点だけ追加するとしたら、ビットコインの話がちょっと出た時に、ハイテンション女子はそういうのすごい疑っていくタイプのようで、「変な勧誘とかやめてよね~」と新興宗教を扱うような目で小声で言ってました。初めて実証実験ぽい結果が出ましたね!笑これこれ。これが一般の女子のまだイメージなんですよ、みなさん!!!

 

あとは、 農地直送の新鮮野菜を使った創作料理みたいなのがコンセプトのレストランだったんですが、出てきたケールの量が異常に多く、自分は黙ってケールをひたすらに食べてだけなのを覚えてます。

 

どんどんカオスに突入していく後半

しかし後半から段々金融女子とビットコイナーによるカオスが始まって行きます…。

 

女子陣の一人は元々金融業界出身だったのですが、ガチでFintechやブロックチェーンに興味があるということで、具体的な業界に関する質問をぶち込むという暴挙が後半から始まります。

 

他の女子は何のことか全くわからないような話なのですが、それにつられてビットコイナー達はそっち系の話に引き込まれていきます。

 

どこどこの企業は評判があまり良くないとか、どういうビジネスなのかみたいな話に突入していき、途中で一人が「LitecoinのSegWitなんだけどさ~」と言い始めた時は、出来るだけ静かにしていた自分もさすがに焦って止めましたからね笑

この時点でその他の女子陣は脱落、もうFintech会話のぬるい地獄が始まったとも言えます。 残りは省略笑

 

 

自己採点

 

さて、自分のとりあえず黙ってケールを食べ続けるという作戦はどうだったのか、一応自分で振り返ると、「黙っててもやはりダメだった」という悲しみの事実が発覚しました…涙

 

口数は少なかったのですが、口を開くたびにハイテンション女子へのディスやダメ出しばかりになってしまい、かつ静かに苦笑しているだけで、「他の人の話に興味のないクソ男」になってしまっただけで、黙っても結局マイクハーンだという事実が明るみになりました。幹事の女子にそれぞれのビットコイナーに採点してもらったんですが、自分が断トツ一番低い点数でした笑もうダメですね、これ。今月のマイクハーン。


ちなみに嘘をちょくちょくついていく作戦はそこそこ上手く行ったようで、生活リズムや仕事に関してはいい感じにスキャムできたようで、7時に起きてBloombergを読んでいるキャラを決め込んでやりました。

 

まとめ

というわけで、ありのままのビットコイナーで行っても仕事の話などを突っ込みすぎなければ、案外合コンとしては成り立つことはわかりました。ただし、金融系女子など一部の例外を除き一般女子からのビットコインに対する印象はまだそこまで高くないようです。後は業界内のスキャム的会社の判断は業界外の人には難しいというのもある種の発見でしょう笑

 

まあというかサラリーマン率より無職率の方が高いビットコイナー界隈でまだ合コン業界のプレゼンスが高くなるはずもありません苦笑


 

 

というわけで今回の高尚な実証実験の結果はそんな感じでなんともしょっぱい話でかつTeechanもありませんでした。(少なくとも自分が把握している限りは)


てかあれですね、合コンの様子を文章で表すのはやっぱり難しいですね、これ笑これ、来週末くらいに予定しているビットコイナー反省会の特別回「Bitboys in da Hood」の方で口頭で説明しますわ笑 


そして言い忘れましたが、今回の合コンに参加し、常識的に接してくれた女性陣に多大な感謝の念を禁じえません…
 

合コンの帰りに気づいた衝撃の事実

 

そして最後にこれは合コンとは直接は関係ないのですが、実は自分帰りの電車の途中で一人ビットコイナーの衝撃の事実に気づき、本当にシステムに弱いところがある記者会見を開く必要があるんじゃないかってレベルでマジで焦りました。
 

まずこれを見て欲しいのですが、

 

 

というわけで、「意識の高いアカウント」「ビットコイナーアカウント」の2つのTinderアカウントを作り、二つのアカウントの扱いの差を観察することで世の女子の心の闇の深さを測ろうという実証実験を去年11月にしていたんですよ。


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(これがビットコイナープロフィールです。意識高いアカウントの方は恥ずかしいので自粛)


そしたらですね、マッチしたんですよ!

 
というわけで意識高いアカウントの方ですが数件マッチしたので、その内の一人のハーフっぽい?子に、「ワンチャンあんじゃね?」とか頭の悪いことを考えながらTinderで連絡してみて、実際に返事ももらって日程を合わせようとしたんですが、ちょっと日程が合わずに自分もその後しばらく海外にいたので流れてしまった件があったんですよね。

で、そんなことがあったのはほとんどすっかり忘れていて、Tinderもすぐに飽きてしまってアプリもアンインストールしてしまっていたのですが、合コンの帰りの電車でふと、「あれ、何か今日来てたハイテンションな子、どっか他のところで見たことないか?てか名前も何か聞いたことあるような」と思い、その瞬間気づいたんですよ。


Tinderでメッセージした子だった…!!!!!!!!!笑



いやー、もうその瞬間Lightningに打たれたかのような感じで電車の座席から転げ落ちるかと思いましたよ。Atomic Swapですよ。

 

その後全力で過去のスクショとかTwitterとか確認しましたけど、間違いなく本人ということが判明。もうその瞬間もし合コン時からこれが相手にばれていたとしたらと考えると、太宰治なら間違いなく自殺してしまうくらいの恥だと思い、いやー、本当に電車内で勝手に挙動不審になりましたよね。

 

本当におまえは何をやっているんだ、って感じですけど、本当に何をやっているんだって話ですよ。その後正気を少し取り戻し、総合的に判断し、「おそらく相手はこの事実にまだ気づいてない。先に気づかれて末代までの恥になる前にブログで公開してしまえば俺の勝ちだ」という結論に至り、ここで先手をとりアポスティーユしておきます。ざまあ。

 

というわけで皆さん、どこでTinderでの実証実験相手が合コンに現れるかわからない世界、匿名性、Fungibilityは大事ですね!謎まあこの子とは連絡先交換してなかったので、後でTinderで「久しぶり~」って連絡しておくかもしれません。

 

ビットコイン/ブックチェーン規制への批判に関する補足情報と再考

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先週発表した、「仮想通貨法が日本のビットコイン/ブロックチェーン業界に長期的に悪影響を及ぼす理由」という記事ですが、業界内外で想定以上に反応やコメントをいただき、今回の規制に関して問題提起をして懸念やデメリットについても考えてもらう、という一応狙いの達成は出来たかなと思います。メディアなどでの仮想通貨法の好意的な解釈ばかりが目立っている中で、賛成するかどうかは別として別の視点からの意見を表明するのは重要です。

 

さて、記事内では仮想通貨法への批判や懸念がメインだったのですが、果たして自分の主張は妥当なものなのか、賛成派はどう考えているのか、などについて、創法律事務所の斎藤創弁護士、金融コンプライアンスのエキスパート後藤さんを先週末ゲストとしてお呼びし、率直な議論をすることが出来ました。ゲストの的確な解説、両サイドからの意見も出て、議論も盛り上がりました。

本当はビットコイナー反省会の特別放送として、ライブ放送、一般ユーザーにも公開しようと思っていたのですが、機材トラブルなどもあり残念ながら「幻の回」になってしまいました…。まあこういうこともあるのは仕方ないので、当日話した内容の一部を前回の記事の補足情報として共有します。

 

ちなみに後藤さんを中心に作成した当日の超詳細な解説資料はすでに公開されており、 放送は出来ませんでしたが、こちらの資料は必読です。

 

仮想通貨法がもたらす恩恵について

前回の記事では、基本的にはあえて厳しいスタンスで懸念すべき事項についてまとめたのですが、同時に今回の仮想通貨法案がもたらす恩恵も大きいことは先週末の議論を通しても確認は出来ました。

 

特に現在日本国内で、仮想通貨を利用した詐欺などが本当に目も当てられない状況になっており、業界全体として大きな懸念にしばらくなっています。規制に対する批判もありますが、もしこのような対応がなければ詐欺被害は増え続けていたことが想定され、業界全体のさらなるイメージ被害などにもつながるおそれがあったので、この詐欺対策と消費者保護の恩恵は過小評価は出来ないと思います。今回の規制はアルトコインやトークンなどを扱う事業者にとってダメージが大きいという批判もしましたが、これはそのまま詐欺的業者の抑止力が強いということも出来ます。

また、これもすでに書いたことですが、より明確な法的環境の整備により、大手企業の参入と業界の確立という点でも大きな意味を持つと思います。今後一般メディアなどでさらにビットコインなどの仮想通貨の取り扱いが増え、今年は新規ユーザー層が爆発的に増えると想定されます。
 

公認仮想通貨の認定プロセスの難しさ

 

これは議論内でもネチネチ質問していたのですが、当局、もしくは認定団体の助けがあったとしても、特定のコインの善悪、良し悪し、新規性、正当性を判断するのは非常に難しいです。

技術的な観点から判断するなら、多くのアルトコインはビットコインのほぼクローンのようなもので、例えば日本発のMonacoinが認可されるなら、元々MonacoinがコピーしたLitecoinはダメなのか?ETHはいいけど、ETCはダメなんですか?その他の類似コインは?などの話にすぐになります。また、当局がそれぞれのコインの細かい技術的な新規性をいちいち精査したりする時間もスキルもないでしょう。なので純粋に技術的に判断して選別するのは無理です。


他にはユーザー数や市場規模で判断するという方法もあると思いますが、これも基本的にNGです。市場規模が大きかったり投機目的でユーザー数だけ多いスキャム的なコインも多いです。単純にユーザー数が多いからということで判断すると、それこそ後で問題になりそうです。

 

では発行者の信頼などではどうかというと、これも色んな意味でもっとダメです。いわゆる業界外の「識者」や企業は詐欺的なコイン業者にしょっちゅう騙されて、露出やイメージ向上に勝手に利用されたりしていますし、業界内の人にとってもスキャムかどうか何とも判断がつかないコインも多いです。

 

最終的には「総合的に」判断するということになると思うのですが、正直に言えばこれはコインの善悪、正当性、革新性というよりは、いかに当局、もしくは業界団体に政治的プレッシャーをかけていくか、が最終的な決定要因になる気がします。それがいいか悪いかはそれぞれの判断だと思いますが、個人的にはやはり懸念が残ります。

 

業界団体の重要性と残る不明点

 

今回の議論で、仮想通貨法に定められいる公認の業界団体の重要性がより明確になったのですが、この業界団体がどのようなプロセスで決定され、いつ発表されるのか、参加の条件/コストなども含めてまだ不明です。業界内では複数の業界団体がすでにあるので、裏で色々進めているのは容易に想像がつきますが、一般ユーザーどころか関連事業者にも情報が公平に伝達されているとは言いづらく、さっそく技術や事業などとは本来外れたところでの裏の駆け引きみたいなのが起きてるわけですね。 (こういうのが仮想通貨認定プロセスなどでも起こりえるのかと…)

 

規制対応にかかるコスト

自分の記事では、登録要件を満たすだけで3000万円~5000万円くらいのコストがかかるという概算をしていましたが、斎藤弁護士によれば事業者登録するだけならそこまではかからないとのことでした。ただし実際に規制対応に必要な条件の調査などをしている杉井さんによれば、新規にコンプライアンス条件を満たすと想定すると、諸々含めると8000万円から1億円くらい規制対応にコストがかかりそうだという意見も出ました。また、すでにより厳しいコンプライアンス条件を満たしているFX業者や銀行などは比較的容易に登録可能になりそうだ、とのことでした。

ということで規制対応コストは通常のスタートアップにとって相当高いハードルになるのはやはり間違いなく、かつ大手にとっては比較的参入しやすいということで、大手有利の環境になるという指摘は間違いではなさそうです。

 

ただし、同時に本人確認のプロセスの代行業者などが現れることも予想されるという話もあり、そうすれば億円程度でかかってくる規制対応コストが1000万円、数百万円くらいまで圧縮される可能性が将来的にあるそうで、必ずしも規制対応コストに関して悲観する必要はないかもしれません。

  

分散P2Pテクノロジーの扱い

仮想通貨法への批判の一つとして、「分散P2P技術の不必要な規制」という点を指摘し、今後重要になってくるLightning Network、分散取引所(Dex)などの技術の開発を阻害する懸念を述べていました。

これに関しては解釈が一部分かれるようでしたが、単純なビットコインのAからBへの高速送金が目的の場合は、中に入ってくるPayment Hubと呼ばれる存在は規制の対象外になる可能性が高いのではないかという話もでました。なので先日発表されたNayutaのサービスなどは規制範囲外になる可能性があります。

 

ただしDexのように異なる仮想通貨間の売買を仲介するような技術は、例えP2Pトラストレス分散化されていようが規制対象になる可能性がやはり高いということです。

 

分散技術を規制する意味自体についても少し議論になったのですが、「規制側に何もしないという選択肢はない」という現状を理解しつつも、技術の性質上規制したとしても犯罪者によるすり抜けはいくらでも出来るので、やはりあまり意味はないという自分の認識は変わりませんでした。

古い規制の常識を新しい技術にそのまま適用したとしても、期待するような効果は得られず市場を歪めるだけという典型的な例ともいえるかもしれません。法律が技術に全然追いつけてないのです。

 

規制は本当に事業者に負の影響をもたらすのか? 

 

自分の前回の記事の大きな主張の一つとして、「特にビットコイン/ブロックチェーン2.0の領域で画期的なサービスに挑戦する事業者」にとって今回の規制は長期的に足かせになる、というものがあったのですが、今回の議論でここの部分に関しては意見が割れました。

斎藤弁護士は、大部分の関連ビジネスは規制により影響は受けず、むしろ開発コミュニティーにとってもプラスになるはずだと主張していました。(資料のQ12を見てください)

確かに、業態によっては今回の規制は大きな影響はないでしょう。取引所は元々何かしらの規制は予想されていたので影響は限定的、また限られた環境内で運用されることを想定するプライベートブロックチェーンの技術の大部分はおそらく規制の影響を受けないでしょう。また、日本は規制が入る今の時点でも取引所とプライベートブロックチェーン以外の事業が元々あまり多くないという実態はあります。

 

ただし、新規性が高く、先鋭的な海外のプロジェクトの多くは何かしらのコイン/トークンを内包しているものが多く、今後そういう海外のサービスを使いづらくなったり、そもそも日本で同様のプロジェクトを始めづらくなる可能性もあり、やはりこの件に関して自分の懸念は消えませんし、今回の規制が事実上国内のブロックチェーン2.0領域を壊滅させる危険性もあると思っています。

例えば、分散クラウドシステム、「Storj」や「Sia」、分散予測市場「Augur」、ゲームアイテムのトークン化をする「Spells of Genesis」「Beyond the Void」などはプラットフォーム上に固有のトークンが存在し、規制によりこれらのトークンの販売が日本で難しくなり、日本から同様の事業を始めるインセンティブは大きくそがれることになります。

より具体的なところで言えば、自分はIndieSquareとしてカウンターパーティトークンを使ったウォレットやAPI、サービスを提供する事業をやっているのですが、今回の規制で少なからず影響を受ける事業者の一人です。トークンは様々な分野に応用可能で、例えばトークンをイベントのチケット代わりに発行して、トレード可能なEチケットそして販売したりすることも出来たりするのですが、今後そういうモデルは国内では難しくなり、実験や応用の幅がかなり制限されそうです。また他にはZaifのBitgirls(アイドルのトークン化)なども4月以降何かしらの変更を強いられるのではないでしょうか。

 

規制の詳細が一部まだはっきりしない部分も多く、当局や業界団体の運用次第では自分が懸念点としてあげたポイントも大きな問題にならない可能性も大いにありますが、そこの部分の当局との確認や折衝、コミュニケーション、もしくは弁護士との確認などのコストもスタートアップにとっては小さくなく、全体として2.0領域にとってのダメージは避けられないと思います。

 

結論


専門家の方たちと改めて深い議論をさせてもらい、一部自分が過剰に考えていた部分などもあったことを確認もできましたが、やはり「仮想通貨のホワイトリスト化の難しさ」「分散技術への不必要な規制」「ビットコイン/ブロックチェーン2.0領域の事業の阻害」などの点で、自分が前回の記事で指摘した懸念点の大筋は間違いではないと改めて思います。

 

ただし、「消費者保護」「業界の健全化」「大手参入、メディア露出などによる一般化」などのメリットが大きいのも間違いではなく、ユーザー、金融機関・大企業、取引所などの事業、プライベートブロックチェーンソリューション、その他の領域での起業家・開発者、など、どの視点からみるかでこの法律の評価は変わると思います。

 


個人的にはビットコイン/ブロックチェーンの革新性は単にトレードや支払い、Fintechに終始するものではなく、真に画期的な応用などは2.0の領域から生まれるのではないか、と前々から発言していますし、その視点から考えれば今回の法律への懸念はやはり小さくはないです。肯定側の意見も十分理解できますが、一般メディアでの受け売りPR的な記事などはある程度注意して見た方がいいでしょう。 

 

 

というわけで、しばらく規制の話に関してはみっちり議論したり、記事としてアウトプットできたりしたので、自分個人としてはこれで十分役割は果たしたかなと思います。これ以上詳しい内容について理解する必要がある人は、弁護士など専門家を雇うべきでしょう。

(ちなみに今回収録失敗したリベンジとして4月の施行直前にまた規制に関する討論会みたいなのを開こうという話も出てましたので、そちらに期待しましょう。多分自分そちらには参加できないですが…)

 

とりあえず自分としては規制の話はこれくらいにしておき、次回はビットコインの裏の世界と真のユースケースの話や、なんちゃって識者が勘違いしている「ビットコイン」「ブロックチェーン」の誤解の指摘記事などを書こうと思ってます。ある意味では規制というのは最もつまらない話の一つで、ビットコインの世界は本当はもっと予測不能で面白く、ワクワクさせてくれる世界ですから。

それでは。

 

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中国のビットコイン業界の最近の動向と内情

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(画像:https://tab-trader.com/deepening-yuan-devaluation-fuels-bitcoin-support/)

 

 

最近ビットコイン業界内で注目を集めてるのは中国くらいですね。

取引所への政府の介入による取引高激減や資金引き出し停止など、衝撃的な事態が続いています。また、SegWitとBitcoin Unlimitedとビットコインのスケーリングの問題に関しても中国が大きな影響力を持っており、一体今中国で何が起きているのか個人的にもものすごく気になっていました。


というわけで、最近中国への興味が以前に増して強くなっているのですが、中国の事情に詳しい現地の人数人に直接話を聞き、現地事情や雰囲気などについて質問することが出来たので、ビットコイン研究所の方にFAQの形でレポートにまとめました。

質問としては、

 

Q. 現在中国の取引所に起きていることを考えると、ビットコインは今後中国で禁止されることになるのか?

 

Q. 中国のトレード量が急激に下がったが、中国政府の意図は何なのか?


Q. 中国政府が本気でビットコインを厳重に規制、禁止などしようとしたらビットコインは終わりか?

 

Q. なぜ中国だけでここまでマイニングが盛んなのか?

 

Q. なぜ中国のマイナーはSegWitに賛成しないのか?

 

Q. 中国の事情は日本にどう影響するか?

 

Q. 現在の中国国内の雰囲気はどんな感じか?

 

Q. ビットコイン以外のアルトコイン、プロジェクトで中国で注目されているものは何か?

 

について回答しています。


全体としてみれば、現在の状況は中国にとっても予想外の事態であり、中国のビットコイン業界全体が今大きな変革期を迎えているという認識は間違いないようです。今までなんでもありの世界から、これからは政府が本腰を入れて管理・チェックを入れて産業全体を取り込み国益にしていこうと狙うでしょう。

 

また、ビットコインは中国に支配されていて、中国がビットコインを禁止したらその時点でビットコインは崩壊するというような指摘がありますが、現地の人と話すとこれはほぼ完全な間違いであるということもわかってきます。中国のマイニングの世界というのはかなりディープな世界で、政府が一声で潰せるようなものではなくなってきています。

 

さらに、SegWitの受け入れに関しても停滞が続いており、中国の主要マイニングプールの動向が注目されていますが、現地の人の話を総合すると、中々コア開発者(中国外のリーダー)と中国のマイナーの溝は深く、この問題はやはり簡単には解決しないと思いました。

というわけで以上のような内容を詳しく説明しているので、もっと詳しく知りたい方は是非ビットコイン研究所ものぞいてみてください。ちなみに中国のFAQに加えて、日本の仮想通貨規制に関するFAQもボーナスで掲載しています。規制の話を専門家に聞くとかなり難しい印象を受けてしまうので、一般ユーザーにもわかりやすいように平易な言葉で回答しているので、そちらも規制に対する理解を深めるのに役に立つかと。

 

少なくとも今年前半は中国の動向がビットコイン業界に大きな影響を及ぼしそうだということで、引き続きウォッチしていきます。今年は中国にも間違いなく自分も行って、がっつり調べてこようと思ってます。

 

それでは。

 

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